『仏教発見!』  | ドット模様のくつ底

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奈良が好きなライターの瞬間ブッダな日々の記録。
福祉的な目線から心の問題を考えています。


仏教発見! (講談社現代新書)/講談社
¥756
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奈良国立博物館 学芸部長
西山厚先生のご著書です。

去年の講演回数126回という
驚異的な数の講演をこなしながら、
博物館の仕事、本・雑誌などのご執筆など
多忙な日々を送られている先生です。

奈良が好きな人や勉強中の人は、
一度は先生のご講演を聴講されたことがある人も
多いかと思われます。

前置きでは
このように書かれています。

「私は僧侶ではない。どの宗派にも属していない。
どの寺の檀家にもなっていない。
仏教の信者でさえないのかもしれない。

仏教は東洋が生んだ深い智恵であると私は考えている。

この本は仏教の教義を説くものではない。
仏教の体系を語るものでも、
仏教の歴史をたどるものでもない。

きわめて個人的な仏教への思いをお話しするだけの、
ささやかな本である」

(引用おわり)


このようにお立場を示された上で語られているので、
信仰を意識せず、学術的な内容をわかりやすく
「仏教発見!」できる良書ではないかと私は思っています。


私がこの本をはじめて読ませて頂いたのは、
4年以上前のことです。

当時は某雑誌の編集をしていまして、
某編集長に連れられて先生の取材に同行させて頂いたときに、
お話が面白くて、先生の書かれた本を読んでみたくなったのですよね。

取材のときにして下さったお話は
いまだに記憶に残っています。

奈良のお坊様は修二会で
「お堂を中心に愛を叫んでいる」って言っていたのです!(笑)

(過去記事 参考→ お堂を中心に愛を叫ぶ!! )

このような目線で奈良を語れるというのは、
さすが国宝の宝庫からの発信というか、
宝物の素晴らしさ、有難さを間近に感じ取っていらっしゃるからこそ、
気づける目線があるのだろうな。。。と思ったり。
これだけの講演数をこなされているだけに、
伝えたい奈良のことが溢れていらっしゃるのでしょう。

過去にブログを開始して日が浅いころにも
本のご紹介をしたことがありました。



ただ、こちらの本は、
西山先生の思いなどが非常に色濃く表現されている
ところもありますので、
そのあたりが若干気になる人はいらっしゃるかもしれません。


私は先生のお話が大好きなので、
抵抗もなく、感動して涙が出る場面もあるほど好きな本です。

ほんとね、お仕事に対しては厳しいようですけれど、
お心がお優しい先生です。

是非ともご機会があれば、講演を聴講されることも
おすすめです。




それでは、今日も皆様が健康で幸せに過ごせますように。