「お堂を中心に愛を叫ぶ!!」 | ドット模様のくつ底

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奈良が好きなライターの瞬間ブッダな日々の記録。
福祉的な目線から心の問題を考えています。

これからお話することは、

私のたわごとですので、

修二会のことをご存じない方には

読みづらいかもしれません。


(去年9月の記事の再掲載です)


3年以上前の話。


某雑誌のライターをしていたとき、

編集長とともに

奈良国立博物館学芸部長の西山厚先生の

取材に同行させて頂いたことがありました。


奈良の伝統行事の勉強のためです。


編集長に連れられて先生のもとへ行き、

お話を伺いました。


奈良が好きな人だったら

知らない人はいないかもしれないほど

有名な先生なんです。


この方は難しい話をわかりやすく、

面白い例えなどを用いながらお話されるんです。


私も以前ご著書を紹介させて頂いたことがありました。


無宗派におすすめの仏教本


修二会の行というのは、

東大寺のお坊様で、20回ほど籠られた方でさえ、

いまだにわからないことばかりであるというほど

1260年の歴史ある行は謎だらけです。

(今年で1261回目です)


ですから伝説など生まれていますし、

好き勝手に想像を膨らませて言えてしまえることでもあり。。。


(語弊があるかもしれませんが、

好き勝手言えるのは私のような一般人のことです)


3月1日から14日まで

二週間にわたり、11人の練行衆によって行われます。


二月堂の秘仏十一面観音に懺悔をしながら

世界平和を祈る行です。


と、そんな簡単に言える行ではないのですが、

見出しをつけるならこんな感じということで・・・


(行を支える裏方の方を含めると40人ほどおられます)



修二会はですね、東大寺だけで行われているわけではありません。


奈良で言いますと薬師寺、法隆寺、新薬師寺など、

寺院の行事案内をみるとおわかりになることですが、

多くのお寺でされていますし、


奈良だけでなく、

京都の寺院でも行われています。


京都と奈良の法要は雰囲気が全然違うそうです。


私は奈良しか知りませんが、

西山先生いわく、


(その後、記事になった雑誌の内容をもとに書きます)


京都は清寂の中、優雅な雰囲気で営まれる法要であることが多いですが、

奈良は活気に満ちた楽しい法要があり、

これは奈良特有ではないかと言っておられました。


修二会で例えるとですね、

薬師寺の花会式(薬師寺金堂の修二会)では、


お坊様が、

ご本尊の薬師如来様の前で


「なむやーっ」って叫ぶんです。


東大寺修二会の場合でも

十一面観音様を略して「かん(観)」と縮めて呼ぶのですが、



「やーっ」とか「かん」などそこまで省略しちゃうの?というほど

略するんですね。


省略した名前の前に「南無」をつけますので、


「なむやーっ!!」

「なむかんーっ!!」となります。


このようにしてお坊様は

お堂の中で何度も

「なむかん、なむかん・・・・・・」

「なむやーっ!!」

など節をつけて絶叫するんです。


それを西山先生の表現でいうと


「お堂を中心に愛を叫ぶ!!」


ということになるんですね(笑)


「仏様と人間の関係が近くて親しい。

うっかりすると抱きつきかねないほどの親しさです(笑)」

ともおっしゃられ、


さらに、このお話の最後のしめくくりがこう。


「こういう法要は奈良にしかないと思います。

好きな人の名前を大声で叫ぶのはとてもいいことです。

私たちももっとやるべきです(笑)

実行あるのみです」


だったんですねー。


斬新過ぎてすごく記憶に残ってしまい、

それ以来私は、


修二会の行法が気になって仕方がなくなったわけです。

↑あまり賢くないですね!


来年3月も私がブログを続けているならば、

その時期は

修二会の話ばかりになっているかもしれません。

時間が空いたら二月堂。


ということで、

たわごとでした。


ここまで読んで頂き、ありがとうございました!! 


感謝をして合掌。