今回採り上げるショパンのエチュードはop.10の6…そう、あのくら〜い曲である。
テンポの速い曲ばっかりであるショパンのエチュードの中でも、この曲のテンポ指定は珍しくゆっくりである(Andante(♩.=69))。従って、難易度的には...それほど難しくない。音符を追うだけだったら、直ぐ弾けるようになる。
ところが、甘く見るべからず。ジャズピアノからの練習意義は、以下の2点にあると考える:
1.走らない(テンポが速くならない)
テンポの遅い曲を弾いているとき、テンポの遅さに耐えられなくなり、ついつい速く弾いてしまいがちだ。その結果、音楽的には「ハシる」という、好ましからざる現象になる。簡単には、聴き手に忙しく感じさせてしまうのだ。
テンポの遅い曲は、情緒などを醸し出すように弾くべきだろう。その為には走らずに、一つ一つの音符を長くゆったりと弾くことだ。このために速く弾きたいところを我慢し、遅いテンポをキープすることだ。
これが、ジャズピアノにどう活きるか。テンポに関わらず一つ一つのノートを余裕を持って「長く」弾く訓練にもなり、グルーヴや音の良さに繋がる。
2.弱音をゆっくり弾く訓練
ジャズ、クラシック関わらず「ピアニシモ」が弾けなければ、音楽を良くできない。フォルテシモにおけるインパクトは、ピアニシモがあってこそ。極論するとピアニシモが活きれば、フォルテシモは全体の1割、いや5%で充分だ。だから、ピアニシモが弾けることは、ダイナミクスを得るうえで非常に重要なのだ。
には、ピアニシモを弾きまくって曲のダイナミクスを演出し、ここぞというところでフォルテシモを弾いてこそ、遅いテンポの曲で聴き手の耳目を集められる。
Op.10-6は、この訓練にうってつけだ。だから、敢えて、我慢して、遅く、ピアニシモ基調てわ弾く。しかもキーがE♭マイナーと、キワモノだ。こんな刺激的な練習が、どこにあろうかというものだ。
クラシックピアノを練習する理由、他にもブログに認めましたので、お読みくださると嬉しいです😃
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