最近のブログで、ジャズピアニスト のくせにクラシックを練習すると書いた。クラシックを練習する理由は様々あるのだが、それは別の機会に詳しく記そう。ここでは、クラシックを練習する理由のうち、1つだけを記そう。読譜力の強化である。読譜力の強化を理由に挙げる背景を書かないと、読者は「何故、読譜力」なのか納得してくれないか。

 

筆者は6歳から18歳まで、エレクトーンを習っていた。エレクトーンはご承知のとおり、ヤマハが開発・販売している電子オルガンであり、ヤマハは商品販売だけでなく、音楽教室も展開している。ヤマハのエレクトーン教室で習うことは凡そ以下の通り:

①譜面を見ながら演奏

②何か一つの曲を自分でアレンジして演奏

③初見演奏(簡単な譜面を1〜20秒見て弾く)

④人が演奏したことを再現して弾く(聴奏)

⑤即興演奏(所謂アドリブ/インプロヴィゼーション)

⑥上記は全てコード、コード進行がベース(ヤマハは徹底してこれらを教えます)

 

恐らくヤマハは、バークリー・メソッドを参考に、カリキュラムが組んでいると思う。街中のクラシック・ピアノの教室ではほぼ①しかやらないことを思えば、かなり幅広い音楽力を養わせるカリキュラムである。筆者はこれらカリキュラムのうち、④と⑤がメチャ強かった。③がやや苦手だったかな。。。

 

③がやや苦手・・・そう、譜面は小さい時から、得意ではなかった。LP等を聴いて耳で覚えて、エレクトーンでヘッド・アレンジ程度で再現する・・・小さい頃からこうして音楽に馴染んでいた。ヤマハのカリキュラムのうち、②、④〜⑥、特に⑥(コード/コード進行)を、筆者の6歳の柔らかい脳味噌に叩き込んでくれたのが、こんな音楽の楽しみ方を可能にした。

 

その代わり、読譜力がかなり犠牲になった。コードさえ覚えれば、譜面通りでなくても何とかなるからだ。それと、19歳から始めたジャズ・ピアノの影響も大きい。チャーリー・パーカーのセリフである「譜面なんか捨てちまえ」、決定的な影響を筆者に与えてしまった。


そんなことから、読譜力を今更ながら鍛えよう…と取り組んだクラシック・ピアノ、読譜力の強化に繋がったかと言うと、残念ながらそれ程結び付いていない。クラシックも譜面を読むには読むのだが、サウンドと手の形で曲を覚えちゃうのだ。曲が弾けるようになった頃は暗譜完了の状態、もう譜面を見なくなる。たまにチェックな意味で覚えた曲を譜面見ながら演っても…自分で弾いてて譜面の何処を演っているのか判らなくなるのだ。読譜力の強化、全然意味がなくなっている(><)


最後に、気が向いてソロ・ピアノを弾いたので、お聴きくださると嬉しいです。

the Dolphin by Luiz Eca