スピーカーシステム、ND/NAタイプ2 仕様変更のお知らせ。 | くるまの達人

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とか、タイトルで謳いながら、実はただの日記だったりするけど、いいですか?

「NDロードスター・スピーカーシス
テム」のツィーターの仕様を変更し、
「NAロードスター・スピーカーシス
テム タイプ2」に同ツィーターを使
った仕様違いのモデルを追加します。



現在、両モデルとも開発の最終段階で、
NDロードスター用については取り付
け性の設計に入ったところ、NAロー
ドスター用についてはネットワークハ
ーネスの試聴検証を行っています。

これらの仕様変更は、今秋から冬を目
処に実施する予定で計画を進めていた
ことで、本来であれば、開発がすべて
終了してから公表すべき内容なのです
が、前回のブログにも書いたように、
ネオジウム磁石の世界的な供給不足の
影響を受け、この2モデルのスピーカ
ーシステムについては、現在お申し込
みいただいても8月末以降のお届けに
なります。その間、先行してお申し込
みいただきお待ちいただく皆さんへ、
後出しじゃんけんのようなことになら
ないように現時点で公表するすること
にした次第です。


すでに両モデルをご愛用いただいてい
る皆さんへのご納得いただける対応も、
もちろん検討しています。


以下、ND用の仕様変更、及びNA用
のモデル追加に至った経緯を説明いた
します。



「シリーズ3の世界、NDの世界」と
題して4月に書いたブログはお読みい
ただいてますでしょうか。

【シリーズ3の世界、NDの世界】




キース・ジャレットの「ザ・ケルン・
コンサート」のハイレゾ音源をテスト
してみます、という内容だったのです
が、実は結果報告の記事をまだ書いて
いません。

ステージ上、ピアノの前に立ち上がっ
て高音側の鍵盤を激しく押し付けるよ
うな演奏が随所で聴かれるこのアルバ
ムは本当に再生が難しく、レコード、
CD版ともにホームオーディオでも本
当に良質なセットを用意しなければ、
彼の心の機微に触れるような心地では
鳴ってくれません。

このアルバムのハイレゾ版をテストし
たかったのは、主にスピーカーシステ
ムのダイナミックレンジへの対応をチ
ェックしたかったからです。

数字を追いかけるわけではありません
が、数字の先に姿を見せてくれる感性
性能というものは、確実に存在します。

難しい話は割愛しますが、CDのダイ
ナックレンジは約100db、「ザ・ケ
ルン・コンサート」が用意されている
96Hz/24bitという規格で提供される
ハイレゾ音源は約150dbです。

ダイナミックレンジというのは、ざっ
くり言えば音量の幅のことです。この
幅が拡げられると、小さい音をより小
さく、大きな音をより大きく記録する
ことができ、音楽の再生では抑揚豊か
に表現できる器が用意されていますよ
という状態になります。

ロックやポップス、主にボーカルもの
のジャズなどのほとんどの音源では、
CDが用意してくれるダイナミックレ
ンジの器でも無理なく収めることがで
きるとされていますが、フルオーケス
トラや激しいタッチのピアノなどの音
源では、演奏のところどころでCDの
100dbの器からはみ出すことがあり
ます。

例えば、1本のバイオリングがやさし
く撫でるようなテーマをピアニッシモ
で奏でていたかと思えば、突然100
人以上のオーケストラのフルメンバー
が一斉にフォルテッシモでジャンッ!
と合いの手を入れ、またバイオリン1
本に戻ってゆくような演奏では、音量
の大小の幅が100dbを超えてしまい
ます。

その演奏をCDに収めるためには、最
大の音量部分を100以下に抑える必
要があります。そのために全体の音量
を下げると、バイオリン1本のパート
がノイズに埋もれてしまいますから、
今度はそのパートの音量をやや持ち上
げてよく聞こえるように調整します。

大きな音を小さくして、小さな音を大
きくすると強弱の差が少なくなり、こ
れは音楽の抑揚を薄めてしまうことに
つながります。小さい音を小さいまま
に、大きい音を大きいままに記録する
ためには、大きなダイナミックレンジ
を器を用意することが必要です。

周波数幅や精細さなどのメリットも謳
われるハイレゾですが、個人的にはこ
の広大なダイナミックレンジの獲得が、
聴覚上でもっとも体感できるハイレゾ
の素晴らしい特徴だと感じています。


さて、ピアノの右隅の方にある鍵盤を
強く叩きつけるような、高音の鋭いア
タック感が随所に聴かれる「ザ・ケル
ン・コンサート」のハイレゾ音源をN
Dロードスタースピーカーシステムで
テストをしました。

NDロードスター用ならもっと鳴らし
きれるはずだとわたしが期待していた
レベルには、残念ながら届きませんで
した。

もちろん、ほとんどすべての音楽を素
晴らしく表現してくれるサウンドは、
オアシスミーティングなどでの試聴会
で多くの方が絶賛してくださったこと
でも証明されているのですが、ことハ
イレゾのダイナミックレンジを存分に
活かしているように思えるこの音源で
は、「もっと、なにかをしなくてはい
けない!」とわたしに感じさせる結果
だったことを白状いたします。


ツィーターが原因だとすぐに気づきま
した。

メインユニットのスキャンスピークの
10F/4424G00は、実に素敵にこのア
ルバムのピアノを鳴らしてくれました。
本当に、驚くべきポテンシャルのユニ
ットです。

NDではツィーターが標準なので、高
域をツィーターに割り当てているので
すが、デイトンオーディオ製ND16FA-6
ツィーターにこの音源は荷が重かった
ようです。


すぐに対策の検討を始め、デンマーク
のVifa製ツィーターユニットのテスト
をはじめました。



まずND開発車でオーディソンDSP
を使ってテストをし、純正ヘッドユニ
ットポン付け用のネットワーク回路の
テストを並行して進めました。

いずれも結果は極めて良好で、オーデ
ィソンDSPではもちろん、純正オー
ディオポン付け付け仕様でも見事に
「ザ・ケルン・コンサート」を聴かせ
てくれました。

現在NDでは、内装材に改造・変更を
行わずに取り付けるための方法を検証
しています。



次いで、NAでも同様の検証を行いま
した。NA用タイプ2は、ND用と同
じユニット構成になっています。

Vifa製ツィーターの形状から、NAで
はツィーターカバーの裏側を若干加工
せざるを得ないことが判明しましたが、
サウンドは抜群です。

現在、DSPなどの機材を使わずにポ
ン付けできるネットワーク回路を検証
しているところです。1Ω、2Ω単位
の細かな調整を走りながら行っている
ので、まだ少し時間がかかります。

NA用では、取り付けにツィーターカ
バーの加工(表からはまったくわかり
ません)を伴うことから、絶対に改造
をしたくないという方のために、デイ
トンオーディオ製ツィーターを使用す
るこれまでのモデルと併売します。


NA用タイプ1は、今までどおりのユ
ニット構成のまま製作を継続します。




ツィーターユニットの価格が2倍にな
ってしまったことと、取り付け部品変
更に伴うコストを計上しなければなら
ず、価格は両モデルともプラス1万円
の設定とさせていただきました。

NDロードスター スピーカーシステム
13万円(税別・送料別)

NAロードスター スピーカーシステム
タイプ2/ツィーターありVifa仕様
11万円(税別・送料別)


ND用には、現仕様のツィーター取り
付け部品に若干の在庫があります。も
し、そこまでは必要ないよ、というこ
とであれば、お申込みの際にお知らせ
ください。取付部品がなくなるまで、
12万円で現行モデルを提供させてい
ただきます。

NA用は、ツィーターカバー裏側の加
工を望まない方のために、現行モデル
を10万円で併売します。



音楽なんて何か鳴っていればいい、と
いう方には、ちょっと何言ってるのか
わからない話だと思いますし、アホほ
ど高いと感じられるとも思います。

けれども、気づいてしまったんです。
4月、あのブログで「例えばこの、キ
ース・ジャレットの音楽に泣きながら、
大好きなクルマで道を行ってほしいと
本気で思っているだけです。所詮……
というこれまでの経験が可能にする想
像をはるかに超えなければ、わたしが
やる意味がありませんから。」とまで
啖呵を切ったわけです。

手を打とうと決めることに1ミリの躊
躇もありませんでした。

誰かが熱くならないと、何も生まれな
いし、何も変わらないことは、何より
も、この世にロードスターが存在して
いることが証明していると思うわけで
す。誰よりもそのことをよく知ってい
るロードスターオーナーの皆さんだか
ら、こだわり始めたら止まらないこの
感覚をきっと理解してくれるだろうと
勝手に思っているのですが、まあ確か
に困ったもんです。

でも、この音で心震わせてくれる音楽
とロードスターの組み合わせを手に入
れるための費用として、高すぎるとは
思っていません。むしろ、オーディオ
に凝りまくった自分の経験を振り返る
に、ありえないくらいリーズナブルだ
とさえ考えています。


数日前、NDロードスターのある朝ミ
ーティングで、プロのミュージシャン
に試聴していただく機会がありました。
すごくいいと思うという言葉とともに、
好みがある世界だから万人ウケするも
のを創ることは不可能だという点が難
しいんじゃないですか、と、音楽の制
作側に立つ人ならではの言葉も掛けて
いただきました。

自分の感性を信じて、イメージした自
分の音を創るまでです、と答えたら、
そう、そうなんですよね! と返して
くれました。あとは、それをどこまで
やりきるかだと思っています。

ND、NAともに、やりきった感があ
ります。もう仕様変更は必要ないと思
っています。


6月29日(土)にND,NA計3台
を用意して開催する試聴会
では、ND、
NAともに8月末からお届けできるこ
の仕様の音を聴いていただけます。ま
た、NR−Aでは、現行のツィーター
での仕様を純正セグメントオーディオ
で鳴らすセットアップになっています。

ぜひ、聴きにいらしてください。ロー
ドスターで聴く音楽はこうあってほし
いと考えるわたしの感性に任せて創っ
たサウンドを、皆さんの感性と交わら
せていただきたいと願っています。


※以下のウェブサイト、お申込みの記
述の更新が間に合っていません。メー
ルでお申し込みの際に、どの仕様を愛
車に添えたいと考えられているかをお
書き添えください。



【NDロードスター
    スピーカーシステム】




【NAロードスター
   スピーカーシステムタイプ2】





【6月29日(土)試聴会の案内】









山口宗久(YAMAGUCHI-MUNEHISA.COM)
webTV「モーター日本」
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