ました。
キース・ジャレットの「ザ・ケルン・
コンサート」名盤の誉れ高い１枚です。
録音も素晴らしいアルバムです。
ＣＤ音源は持っています。Ｗ１２４ス
ピーカーシステム・シリーズ３では、
激しいタッチと美しい余韻の消え様が
共存する彼のピアノを質感豊かに鳴ら
し切ります。演奏の高なりにつれて漏
れ始める彼の唸り声や、会場の床を踏
む彼の靴音もリアルにブレンドして聴
かせてくれます。シリーズ３は、そう
いう表現ができるからこそ製作を決め
たわけですから、当然といえば当然な
のですが……。
一方、来週の月曜日、ＮＤロードスタ
ー・スピーカーシステム開発車のオー
ナー氏が、そのＮＤロードスターに乗
って朝からガレージに来てくれます。
そのときにこの演奏をＮＤロードスタ
ーで鳴らしてみたくて、見事に鳴らし
切るセッティングを見つけてみたくて、
この再生の難しい名盤を、さらに高い
再生レベルが要求されるハイレゾで購
入したというわけです。
所詮、カーオーディオ。
そう思っている人は、きっとものすご
く多いと思います。
残念ながら、そんなものを創るために
大切な睡眠時間を割いているわけでも、
同じクルマが大好きだというたくさん
の同士を巻き込んでいるわけでもあり
ません。
例えばこの、キース・ジャレットの音
楽に泣きながら、大好きなクルマで道
を行ってほしいと本気で思っているだ
けです。所詮……というこれまでの経
験が可能にする想像をはるかに超えな
ければ、わたしがやる意味がありませ
んから。
山口宗久(YAMAGUCHI-MUNEHISA.COM)
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