夜の公園で二人の少年が空を見上げていた。
「今夜は随分と月が高いね」
「こんなに高くにある月は珍しいね」
「でも、真上ではないよ」
「そうだね。真上ではないね」
「この公園には落ちてきそうにないね」
「どうだろう?月はかなり大きいらしいからね」
「よく見ると真上からかなり外れているよ」
「それなら公園どころか、街も逸れるかもしれないね」
「この惑星も逸れるかもしれないね」
「この惑星を逸れて落下していくのかもしれないね」
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