青空の下に白色はない | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 夜の公園で二人の少年が空を見上げていた。

 「今夜は月が大きく見えるね。かなり明るいね」

 「大きな月が明るいね。でも、周りの夜空は黒いよね。あの明るくて大きな月は宇宙をほとんど照らしていないのだね」

 「太陽だって大気を青く染めているだけであって宇宙はほとんど照らしていないよ」

 「太陽が大気を青く染めているのなら、なぜ青空の下に白色があるのだろう?」

 「明日、空がよく晴れていたら周りの景色を自分の目でよく見てみるといいよ。青空の下に白色はないよ。今はこの公園は夜空の一部だけど、昼間はこの公園は青空の一部だよ。だから、白色はないよ。空が曇っていたなら白色が見つかるかもしれないけどね」


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