間違っている地図の夢 | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 夢を見た。テーブルの上に一枚の紙が置いてあった。地図だった。周りが暗いので室内の様子は何もわからないのだが、その地図ははっきりと見えていた。

 それは私が住んでいる街の地図だった。川や道路の配置などに見覚えがあった。見慣れた地名もあり、通勤に使っている列車の路線もあった。しかし、そこに知らない駅名が記されていると気付いたので私は首を傾げた。地図に誤りがあるようだと思った。

 一つ間違いが見つかると他にも次々と地名の誤りが見つかった。元々の地名に似ている間違いもあれば、まったく何の脈略もない間違いもあった。私は誤りを見つける度に自分が住んでいる街が段々と別物に変わっていくかのような気がしていた。本来の地名を思い出せなくなっていると気が付き、焦燥感に駆られた。


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