「そろばんと算数」シリーズ、4本目です。
ここまで記事を書いてきて、私がそろばんに否定的である、という印象を持たれた方もおられると思います。
しかし実際は全くの逆で、そろばんがなければ今の私はなかった、と断言できるほど、そろばんで培った能力をフルに活かしてきました。
では、そろばんの力を算数に活かすにはどうすればいいのでしょうか?
私は、以下の2つが重要だと考えています。
(1) 数字が持つ意味を理解すること
(2) そろばんで行うような計算を日常生活で活用すること
まず(1)ですが、数字が持つ意味を理解していない子は、(珠算教室の教材のように)最初から紙に式が書いてある計算はこなせても、「自分で式を立て、計算する」ことがまるでできません。
例えば、「1,500×1.08」を一瞬で計算できても(有段者なら3秒もかかりません)、「消費税が8%のとき、税抜き1,500円の商品は税込みだといくら?」という問題には、まず答えられないのです。
(1)に対する解決策としては、(2)が有効です。
それなしでは成り立たないほど、日常生活は数字で溢れています。
生活で出会う数字に興味を持ち、そろばんで培った暗算力を活かして、手あたり次第に計算してみることをお勧めします。
そのことで、数字が持つ有機的な意味や背景がだんだん理解できるようになっていきます。
私は野球好きですので、打率や防御率などの意味を知り、その計算を通じて確率や割合などの概念を身に着けました。
珠算式暗算をある程度以上のレベルまで極めた子が、その活用法を覚えれば、はっきり言って鬼に金棒です。
逆に活用法を知らなければ、いくら最高位の十段を取得しても、ほとんど算数の役には立ちません。
「そろばんと算数」シリーズは、もう少しだけ続きます。
次回は、目指すべき暗算力のレベルについて、私見を述べたいと思います。
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