「そろばんと算数」シリーズ、3本目です。
前回までに、漫然とそろばん教室に通っているだけでは「実践では役立たない暗算力」しか身につかない、という話を書きました。
「そうは言っても、ケタ数が多いかけ算とかができるんだから、やっぱり有利なんじゃないの?」
というような反論をされる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、現代の珠算式暗算による副作用について述べたいと思います。
②で書いたように、珠算式暗算では九九ができればどんどん進級できます。
ですから当然のごとく、子供たちは暗算力に自信を持ちます。
自信を持つ程度なら良いのですが、問題は「自分の暗算力を過信してしまう」子が出てしまう、ということです。
では、それの何がいけないのでしょうか?
こういう子は、算数の問題を強引に暗算力(≒計算力)だけで解決しようとする傾向にあります。
意味も分からないままに、出てくる数字を適当に加減乗除してみて何となく答えを出す、ということを平気でやります。
また、暗算ができると思っている(思い込んでいる)子に限って、筆算のマスターを疎かにしがちです。
暗算だけで対応できない計算は必ず出てきますので、筆算は身に着けておくべきですが、自分には必要ないと思い込んでしまうのです。
以上のことから、暗算力がかえって仇となり、算数が苦手になるという現象が起きてしまいます。
実際に、「暗算力」と「算数力」は驚くほど相関しません。
我が家の子供2人は共に珠算・暗算の有段者ですが、上記のことが起こらないように十分注意を払いました。
おかげで副作用は出ずに、いい形で暗算力を生かせるようになりましたが、ぼーっとしていたら危なかったです。
今回は少々暗い話でした。
次回は、どうすれば暗算力を算数に活かせるのか、というポジティブな記事を書きたいと思います。
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