予備校時代の恋vol.15
次の日、ミキから呼び出された。本当は行きたくなんかんかったけど、ミキは意外なくらい私に笑顔で「昼休み、屋上で待ってるね!」と言いに、私の教室に顔を出してきた。
みんなの興味の目を感じた。
仕方なく、私は屋上に行った。
すると、もうミキは屋上にいた。
ミキはニコッと笑うといきなりしゃべり始めた。
「ミキね。高校の時から、翔のことスキだったの。憧れの先輩が今、クラスメイトでホントうれしーんだ。
翔はあなたのことただの友だちだって言ってた。翔のことスキとかじゃないんだったら、翔から離れてくれないかな?
翔も迷惑してるみたいだし・・・」
とミキは言った。
迷惑??翔が私を迷惑がってる?
ってか、友だちってことは私だって分かってるつーの。なんであんたにそんなこと言われなきゃいけないわけ??
たぶん私はすぐ顔に出ちゃうタイプだから、考えてる時に顔に出てたと思う。
「別に、友だちなんだしいちいち私に敵意向けなくてもよくない?バイトいっしょだから、話さないわけにはいかないし。
ミキが翔をスキなのと、私と翔が友だちなのは関係ないと思う。」
と私はミキに言った。
ミキはすごく私をにらんでいた。
「ゴメンけど、次授業もあるから戻るね。」
と私は言って、屋上をあとにした。
私は授業を受けている間、ミキが言った「翔が迷惑している」という言葉が頭の中で何度もリピートしていた。
ミキの言葉を真に受けるなんてバカみたいと思いながらも、気にしている自分がいた。
なんとなく今、翔に会いたくなくて今日は翔を待たずにバイトへ先に向かった。
翔には「先行くね。」とだけメールを打っておいた。
少し私に遅れてやってきた翔は怒っていた。
この日のバイト中、翔は私と一言もしゃべってくれなかった。
バイトが終わり、帰ろうとしていた時、翔が「おいっ」と声をかけてきた。
「ちょっと話あるから、いっしょ帰ろーぜ。」
と言って前を歩きだした。
私は黙って翔の後について歩き出した。
正直、翔がいつもと違ってものすごく怖かったので、今にも泣きそうだった。
しばらく2人で黙って歩いていると、翔が公園のベンチに座った。なんとなく隣に座っていいかわからず立っていると、翔が
「座れば?」と言った。
私は翔と反対側のベンチの隅に座った。
「なんで今日先に行ったの?」
と翔は言った。
「なんとなく・・・」
と私はつぶやいた。
「はぁ?意味わかんねーし。」
と翔がキレ気味に言った。
私は急に感情がばぁーっと溢れ出した。
「だって、翔が・・・
翔が私のこと迷惑っていうから・・・」
といいかけたところで、私は泣き出してしまった。
「何それ??俺がちあきを迷惑?
なんで?ホントにそー思ってんの??」
と翔は言った。
「だって・・・ミキが翔は私のこと迷惑がってるって言ってたんだもん。
だから、私・・・翔がそう思ってると思うと、翔といっしょにいられなくて・・・」
と私はとぎれとぎれに話した。
「はぁ。」
と翔はため息をついて今度は優しく私に話しかけてきた。
「俺がちあきのこと迷惑と思ってるわけないだろ?
俺がそばにいたいからいるんだし。
ミキがなんでそんなこと言ったかよくわかんねーけど、俺はちあきのそばにいたいからいるんだよ。」
「じゃあ。迷惑じゃないの?」
「当たり前だろ!
ってか、俺はちあきのことがスキだからそばにいたいんだよ。」
と翔が顔を赤らめながら言った。
「えっ?」
「ちあき、きづいてなかったの?
俺てっきりきづいてると思ってた。そっ。俺はちあきがスキなんだよ。」
ウソみたいだった。翔が私のことスキだなんて・・・
でも、私は先生のことがまだスキで・・・
「わたし・・・・・」
と言った時、翔がかぶせるように言った。
「返事はまだいいや。
ちあきスキなやついるんだろ??今はまだ返事いいから。
もっと俺のこと知ってから、返事ちょーだいよ。」
「翔・・・」
「なっ!だからちあきのそばにいさせてよ。」
とニカっと笑って言った。
「うん。翔、ありがとね。」
その日の星は本当にキレーだった。今でもその時、翔と見た星空は忘れられない。
予備校時代の恋vol.14
バイトに入る度に翔とは一緒になり、急速に仲良くなった。
正直、翔といると先生ことを考えなくてすむし、何より気が楽になった。
予備校も一緒だったので、予備校でもクラスはちがったけど、昼休みなど休み時間には一緒にいることが多かった。
予備校では私たちが付き合っているとうわさになっていたらしかった。
私がそのうわさを知ったのは同じクラスの友美が私に聞いてきたことがきっかけだった。
友美は「なんでいってくれないの~??」と少しすねた感じで聞いてきた。
私は「付き合ってないよ!翔とはバイトが同じだから仲いいだけだよ。」と答えた。
そう答えると友美は「なんだぁ~。つまんない!付き合っちゃえばいいのに。。。」と言っていた。
私は、先生にこのうわさが耳に入らないことを願っていた。
実際、翔は金髪でものすごく目立っていたし、顔も整っていて結構モテているようだった。
一部の女の子たちからは、私は非難されているようだった。
私はバイトがある日は、翔と予備校の授業が終わった後にバイトに行く。いつも予備校の玄関の前で待ち合わせしている。
いつものように授業が終わり、玄関に向かうと、翔が女の子と話していた。確か翔と同じ医学部コースで翔と同じ高校の女の子。私とおない年だから、翔の後輩にあたる。
医学部コースに翔のことを狙っている子がいるって噂を聞いたけど、あの子かな??
そんな疑問を持ちながら、翔の方に近づいていくと、翔が私に気づいた。
「遅かったじゃん!」と翔が言った。
なんとなく不機嫌な気持ちになっていた私は「ゴメン。」と一言かわいくない言い方で言った。
その隣に私以上に不機嫌な人がいた。明らかに私をにらんでいた。
その女の子は「翔、友達?」と翔の腕をつかみながら言った。
「うん。同じバイトなんだ。ちあきっていうんだ。ちあき、こっちはミキ。俺と同じ医学部コース。」
と翔は言った。
ミキという女の子は「はじめまして。ミキです。よろしくね。」と私に言ってきた。
明らかに目が笑ってない・・・敵意むきだしすぎつーの。
「はじめまして。ちあきです。」と私は自分でも思うくらいそっけない感じであいさつした。
「じゃ。バイトいこーぜ。じゃあな。ミキ!」
と翔は私の手をひいた。
ミキはものすごい目で私をにらんでいた。
予備校時代の恋vol.13
と金髪の彼に聞かれて、私は答えた。
「今日からバイトで働く中島ですが、店長いらっしゃいますか?」
「あー。新しいバイトの子?今店長呼ぶから待ってて。」
と言いながら中に入っていった。
「店員だったのか…」
と私はつぶやいた。
でてきた店長は私をスタッフルームにいれ、制服を渡しながら、仕事を簡単に説明した。
店長は
「着替えたら、山下クンに紹介するから。」
と言ってスタッフルームからでていった。
「あの人、山下っていうんだ。何歳なんだろ?」
と私はつぶやいた。
私は着替えてカウンターの方に出ていった。
カウンターにいた店長が言った。
「山下クン、今日から働くことになった中島サン。短期だから短い間だけどよろしく頼むよ。君と入る時間が多いと思うからしっかり仕事教えてあげてくれよ。」
「はじめまして。中島です。よろしくお願いします。」
と私は頭を下げた。
金髪の山下クンは、昨日と違って笑顔で
「よろしく。」
と言ってくれた。
形式的なあいさつが終わると店長はカウンターから奥の部屋へ戻っていった。
「あの…私のこと覚えてます?」
と私は彼に尋ねた。
すると彼は驚いた顔で言った。
「えっ?俺ら会ったことあるっけ?」
「いや。会ったことというか。昨日店の前でぶつかりましたよね?」
と私が言うと彼は思い出したように言った。
「あー。昨日の子!」
「昨日は私睨まれたと思ったから、今日いっしょだったからどーしようかと思ったんですよ。」
と私が笑いながら言うと
「あー。ゴメン、ゴメン。俺あの時コンタクトしてなくて。睨んだつもりはないよ。見えなくて睨んだみたいになったんだよ。」
と彼も笑いながら言った。
「そーなんだ。びくびくして損した。」
と私は言った。
「ところで、中島って下の名前なんなの?」
「ちあきです。山下さんは?」
「翔だよ。ちあきって呼んでいい?俺のことは翔でいいから。」
と彼は言った。
「でも、山下サン私より年上ですよね?」
と私が言うと彼は言った。
「ちあき、いくつ?」
「私18です。今年高校卒業して今年から浪人生です。」
「なんだ。ひとつ下か。たいしてかわんないじゃん。翔でいいよ。」
と彼は言った。
この日は翔に仕事を教えてもらいながら、合間合間にお互いのことを話した。
翔は浪人生で今年で二浪目だった。
医学部を狙っているらしく私と同じ予備校の医学部コースに通っているらしい。バイトは授業料稼ぎもかねて土日だけ入っているが、春休みや夏休みといったまとまった休みには人手が足りないらしく平日も出ているらしい。
バイトをしている間はあつし先生のことを考えずにすんだ。
忙しくないと、先生のことを考えて、会いに行きたくなってしまいそうだった。
先生が答えを出すまで待つつもりなのに。
