昨日、正しくは、
もう「今日」だった帰り際、
ちらりと覗いた携帯画面には、
親切丁寧に、終電情報の自動通知が入ってた。
惜しいね。
だってその時間はもう、
30分程前に過ぎてしまってた。
だけど何にも気にならなかったのは、
歩ける距離の道のりを、
最初から乗ることを選ばずに居たからで。
来た時よりも人数は少なく、
気温も少しひんやりとしたような帰路を、
とてとて、と、ひとりで歩いた。
夜の道は世界が違って見えるけれど
冷たさや鋭さの合間に、
ふとした温かさも垣間見れるようで
ピカピカと光るネオンを横目に
耳元で鳴る音楽に意識を寄せるのは
切なさや寂しさ虚しさを、
誤魔化す行為なのかもしれない。
あの場所に残してくる言葉はいつも、
すべてを伝えきれずに、濁すような、
当たり障りのない話題。
歯がゆくて、
どこにもぶつけられない
やり場のない感情は飲み込んでいる。
それらを向けたところで、
期待するものは返ってこないことを、
経験で学び、諦めが知っているから。
繰り返しにしかならないから、
黙っておくのが良い方法論で、
程度の良い選択肢は自分で選び取るしかない。
幼い頃に委ねていた未来はもう、
自分の手の中にある。