いつもお世話になっている「済南図書館」が内部リフォームのため、6月末からしばらく休館することになりました。
僕が申請していた日本語の本もすでに届いているのですが、今借りても全部読む前に休館になりそうなので、今は借りることを断念。
その代わり、済州市内にある「ハルラ図書館(한라도서관)」で本を借りてきました。
ハルラ図書館にも日本語の本が少し置いてあったので、その中から興味を引かれたものを3冊ピックアップ。
↓この3冊
3冊の内訳は……
① 『異邦人は君ヶ代丸に乗って-朝鮮人街猪飼野の形成史-』(金賛汀著)
② 『シベリア出兵 近代日本の忘れられた七年戦争』(麻田雅文著)
③ 『海遊録 朝鮮通信使の日本紀行』(申維翰著・姜在彦訳注)
①は大阪府の猪飼野地域(今の生野区)に済州島出身者が集住していく過程を、当時の資料と住民の証言をもとに探ったもの。済州島出身者がどうして大阪にあんなに多いのか気になっていたのですが、その初期の過程がよく分かりました。また、80年代序盤に書かれたものなので、生野区の在日社会は今よりももっと韓国との距離が近かったこともうかがえます。
②はまだ読んでいる途中ですが、タイトル通り日本のシベリア出兵を詳しく研究・紹介したものです。
③は18世紀に朝鮮通信使の1人が日本での見聞を書き記したもの。こちらもまだ読み終わっていません。ちなみに、司馬遼太郎『街道をゆく』の済州島編に出てきた姜在彦さんが訳注をしています。
それはさておき、①の本にこんな紙切れが挟まっていました。

これ、ハルラ図書館で本を借りる時にもらうレシートのようなもの。
借りた本の内訳や貸出期限などが記載されています。
この方は去年、『異邦人は君ヶ代丸に乗って』と『ブスのたしなみ』を借りたようです。
ずいぶん幅広く本を読んでいるんだなぁ。
黒く塗りつぶしたところに名前が書いてありましたが、日本人女性の名前(たぶん若い)でした。
実際にお会いすることはないでしょうが、どんな人なのか微妙に気になっています。