新種牡馬を知ろう
新種牡馬について、①競争成績、②父系ライン、③牝系ラインの3つの視点から分析してみようという企画記事です。
この記事が納得感をもって出資できる一助になれば幸いですし、私自身も記事を書きながら勉強したいと思います。
あくまでまだ産駒も走っていない段階での考察なので、妄想に近い内容であることをご了承ください。
ルヴァンスレーヴを知ろう
競争成績
日本ダート10戦7勝
主な勝鞍
1 2018 チャンピオンズC GI 中京 ダ 1800 (ウェスタールンド)
1 2018 マイルChS南部杯(中央交流) JpnI 盛岡 ダ 1600 (ゴールドドリーム)
1 2018 ジャパンDダービー(中央交流) JpnI 大井 ダ 2000 (オメガパフューム)
1 2017 全日本2歳優駿(中央交流) JpnI 川崎 ダ 1600 (ドンフォルティス)
募集価格2400万円という評価からもわかるとおり、決して期待されていた馬ではありませんでしたが、デビュー戦を1.1秒差で圧勝すると、つづく1勝クラスも難なく勝利し、12月の川崎で全日本2歳優駿を勝利し、2歳ダート王者に。
明け3歳で伏竜Sは取りこぼすも、ユニコーンSでは0.6秒差の圧勝。続くJDDでは、後のダートGⅠ6勝馬オメガパフュームに0.3秒差をつけて完勝し、世代トップの座を盤石にします。
古馬との初対戦となった南部杯では、かしわ記念、帝王賞を連勝してまさに全盛期だったゴールドドリームとの一騎打ちとなりました。
レースは名脇役ベストウォーリアが逃げて、ルヴァンスレーヴは中断につけました。そして、ゴールドドリームは相手はこの馬と決めて、ルヴァンスレーヴの後ろを追走する展開。直線に入るとルヴァンスレーヴが先頭集団をあっさり追い落とし、ルヴァンスレーヴをぴったりマークしていたゴールドドリームが完璧なタイミングでスパートをかけますが、差はむしろ開き、1馬身半差が開いたところがゴール。
まさに格付け完了といったレースぶりで、3歳にしてダート現役最強の座につきます。
続くチャンピオンズカップは相手がおらず、0.4秒差の圧勝で、長期政権を予感させるには十分な3歳シーズンとなりました。
しかし、その後、球節炎を発症し、4歳シーズンを棒に振り、1年半ぶりのレースとなったかしわ記念で5着、続いて強硬出走した帝王賞では10着とかつての強さは見る影もなく、そのまま引退となりました。
球節炎発症までの成績は8戦7勝とほぼパーフェクト。
全盛期の強さは、過去最強クラスで、脚部不安させなければ、間違いなくダートGⅠ勝利の歴代最高記録を打ち立てたでしょう。
血統分析
父:シンボリクリスエス ロベルト系
① 競争成績
日本芝15戦8勝
1 2003/12/28 有馬記念 GI 中山 芝 2500 (リンカーン)
1 2002/12/22 有馬記念 GI 中山 芝 2500 (タップダンスシチー(USA))
1 2003/11/02 天皇賞(秋) GI 東京 芝 2000 (ツルマルボーイ)
1 2002/10/27 天皇賞(秋) GI 中山 芝 2000 (ナリタトップロード)
② 産駒成績:重賞ウィナー25頭
芝重賞ウィナー 15頭
ダート重賞ウィナー 10頭
母父:ネオユニヴァース サンデーサイレンス系
① 競争成績
米国ダート13戦7勝
1 2003/06/01 日本ダービー GI 東京 芝 2400 (ゼンノロブロイ)
1 2003/04/20 皐月賞 GI 中山 芝 2000 (サクラプレジデント)
② 産駒成績:重賞ウィナー20頭
芝重賞ウィナー 12頭
ダート重賞ウィナー 8頭
母母父:ティンバーカントリー ミスタープロスペクター系
① 競争成績
米国ダート12戦5勝
1 1995 プリークネスS GI USA ダ 9.5F
1 1994 BCジュヴェナイル GI USA ダ 8.5F
1 1994 米シャンペインS GI USA ダ 8.0F
② 産駒成績:重賞ウィナー14頭
芝重賞ウィナー 6頭
ダート重賞ウィナー 8頭
父系分析
父、母父共に日本の芝で活躍した名馬ですが、産駒成績は芝ダート兼用で、父からはサクセスブロッケンが、母父からはグレツェント、AW時代のDWCを制したヴィクトワールピサが出ました。
この組み合わせの活躍馬はルヴァンスレーヴしかいませんが、他の馬を見てもほとんどダートで使われており、基本的にはダート血統と言ってよさそうです。
とはいえ、芝が全く無理なわけではなく、繁殖牝馬の良さを引き出すことが出来れば、芝でもやれるでしょう。
シンボリクリスエスもネオユニヴァースも決して種牡馬として成功した馬ではないので、その点は不安要素です。エピファネイアの種牡馬としての成功は父シンボリクリスエスというよりかは母シーザリオによるところが大きいでしょうし。
牝系分析
ダート牝系で、母母からの派生でチュウワウィザード、アイアンテーラーが出ています。
母、母母の競争能力自体は特筆すべき点はありませんが、一族から2頭のダートGⅠ馬が出ているのは注目点でしょう。
総合評価
父系も牝系も、血統的に強く強調できる材料はありません。
本馬はとにかく競争能力勝負でだと思います。
こういう血統的な裏付けがない馬は伸るか反るかが極端で、からっきしダメな可能性は十分あります。
しかし、全盛期の輝きは本物だったと思っているので、エピファネイアとは別ルートでもってシンボリクリスエスの血をつないでほしいと期待しています。
関連記事