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1日 王外相、ロシア安保書記と会談◇ダライ・ラマに米グラミー賞
2日 中国駐韓大使─「中韓は日本の新型軍国主義警戒を」
4日★米中首脳電話会談─習主席「米側は台湾への武器売却問題を慎重に処理しなければならない」◇★中ロ首脳オンライン会談◇ロシア補佐官─プーチン大統領、今年前半に訪中する見通し◇習主席、越書記長特使と会談◇兵器業界の全人代代表3人罷免発表◇政協主席、国民党副主席と会談
6日 米国務次官─中国が2020年6月に秘密核実験◇FT─中国、米に「台湾への武器売却はトランプ大統領訪中を台無しにしかねない」と警告◇SMCP─中国、東南アジア諸国大使らを集めた会議で反日支持呼び掛け─賛同ほとんどなし◇中国最高法院、カナダ人の死刑判決取り消し◇豪インドネシア安保条約署名
9日★香港紙リンゴ日報創業者に禁錮20年◇習主席、春節前に北京市内を視察(~10日)◇ポリティコ─米大統領、4月第1週の訪中で調整
10日★習主席、オンラインで各地の部隊慰問─「軍の反腐敗で革命的鍛造」◇中央規律委─浙江省の前書記を調査◇中国駐大阪総領事、公の場に
11日★張昇民軍事委副主席─「部隊は高度な集中統一と安全安定を」◇SCMP─米中首脳会談で貿易休戦1年延長も
12日 AFP─台湾総統「台湾併合の次は日比などに脅威」
13日★米中外相会談(ミュンヘン)◇中国・ウクライナ外相会談(ミュンヘン)
14日 王外相、ミュンヘン安保会議で「日本軍国主義の亡霊」批判
24日 张又侠、刘振立涉嫌严重违纪违法被立案审查调查
张又侠、刘振立涉嫌严重违纪违法被立案审查调查 - 中华人民共和国国防部
解放军报社论:坚决打赢军队反腐败斗争攻坚战持久战总体战 - 中华人民共和国国防部
解放军报评论员:坚定反腐必胜、强军必成的信念信心 - 中华人民共和国国防部
29日 习近平会见英国首相斯塔默
米軍のベネズエラ攻撃は、同国のマドゥロ政権の後ろ盾となっていた中国のメンツをつぶし、習近平政権にとって大きな打撃となった。また、トランプ政権が中国の立場に全く配慮せず、堂々と武力を行使したことは、台湾有事に米国が介入する事態を恐れる中国側の懸念を増したとみられる。
■直前に中国高官と会談
マドゥロ大統領は1月2日、首都カラカスを訪れた中国政府の邱小琪中南米事務特別代表と会談した。邱氏は外務省中南米局長や駐スペイン、駐ブラジル、駐メキシコの各大使を歴任したベテラン外交官で、中国政府有数の中南米通。マドゥロ氏がSNSで発信した映像によると、旧知の両者はくつろいだ雰囲気の中で歓談し、中国とベネズエラの緊密な関係を確認した。その数時間後の3日未明、カラカスは米軍に急襲され、習近平国家主席の盟友であるマドゥロ氏は米国に連れ去られた。
米国がこのタイミングでベネズエラに侵攻し、マドゥロ氏を拘束しようとしていたことを中国が全く察知できなかったのは明らかだった。
中国とベネズエラは2023年の首脳会談を機に、「筋金入りの友情」を結んだとして、共同声明で「全天候型の戦略的パートナーシップ」の樹立を宣言し、「いかなる政治的いじめ行為にも反対し、軍事的干渉もしくは武力による威嚇に反対する」と強調。中国は政治、軍事、経済の各分野でベネズエラを大々的に支援した。
昨年も、国家副主席と副大統領、首脳同士、外相同士が会談し、12月には外相電話会談で王毅外相が「中国側はあらゆる一方的いじめ行為に反対し、各国が自身の主権と民族の尊厳を守るのを支持する」とアピールしていた。しかし、実際には、中国は米軍のベネズエラ攻撃を止められず、マドゥロ氏に避難を勧告することすらできなかった。
米軍は150機以上の航空機でカラカスを空爆したのに、ベネズエラ軍が中国から導入した防空用レーダーは役に立たなかったという説も広まった。中国のSNSでは「ベネズエラ軍の指揮が駄目だった」「防空部隊兵士の練度が低いからだ」といった説も出ているが、もしそうだとすると、中国はベネズエラに大量の武器・装備を売り付けておきながら、それをきちんと使えるようにする訓練面の支援を怠ったということになる。
いずれもせよ、ベネズエラ軍が米軍機を迎撃できなかったのは事実で、中国の対外軍事援助の有効性を疑う見方が増えるのは避けられないだろう。
■米軍事介入への憂慮
「米国がベネズエラを攻撃したので、中国も台湾を攻撃しやすくなった」との説があるが、現実問題としては、そのような影響はないと思われる。中国にとって、台湾併合による国家統一は自国の「内政」なので、米国がどの国を攻めようが関係ない。
平和統一が可能なら、それで良いし、その望みがなくなれば、武力を行使するという中国共産党の理屈は、それなりに完成されたものであり、他国の軍事行動の例を持ち出して補強する必要はない。そのような言説は、台湾侵攻を外国侵攻と同一視して、「台湾は中国の一部」という建前を崩すことになりかねない。
しかし、台湾有事への米軍事介入を恐れる中国にとって、第2次トランプ政権が相次いで外国に軍事介入して、武力行使のハードルが下がっているのは、憂慮すべき事態だ。しかも、介入対象がベネズエラのように中国と関係が深い国であっても、中国への配慮や遠慮は全くなかった。
中国共産党機関紙・人民日報は1月8日、「米国の覇権と干渉主義が世界の動揺・衝突の重大な根源だ」と題する論評を掲載。第2次トランプ政権が1年未満の間にベネズエラ、イエメン、シリア、イラン、イラク、ソマリア、ナイジェリアの7カ国を攻撃したと批判した。
トランプ大統領が「ドンロー主義」とかいう理屈に基づいて、西半球支配に集中し、それ以外の地域に強い関心を持たなくなれば、中国の台湾政策や東半球での影響力拡大には都合が良い。だが、人民日報が攻撃被害国として挙げた7カ国のうち、ベネズエラ以外の6カ国は西半球の国ではない。
■苦渋の対米融和路線
また、トランプ政権は昨年12月17日、台湾向けに総額111億ドル(約1兆7500億円)相当の武器を売却すると発表した。米台間の武器取引としては史上最大級の規模であり、米国の台湾問題に対する関心が薄れたとは、とても言えない状況だ。
このような巨額の武器輸出は高市早苗首相の台湾有事発言より、中国の台湾政策への悪影響がはるかに大きいにもかかわらず、中国政府は「断固反対し、強く非難する」と表明しただけで、高官交流停止や貿易制限などの実質的な報復措置を取らなかった。
習氏は今年1月5日、北京を訪れたアイルランドのマーティン首相、韓国の李在明大統領と相次いで会談。李氏との会談で「日本軍国主義」に言及したが、マーティン氏に対して「一方的いじめ行為が国際秩序に重大な衝撃を与えている」と批判した際は名指しの米国批判を避けた。
習政権は台湾有事発言を理由に高市氏を罵倒し、日本軍国主義復活論を盛んに宣伝しているので、中国の友好国を攻撃して元首をさらった米国に対しては米帝国主義復活論を展開するのかと思いきや、そのようなことはなく、トランプ氏への個人攻撃も控えている。
中国としては本来、米国の台湾向け武器大量売却とベネズエラ攻撃で態度を硬化させるべきところなのに、事実上の泣き寝入り。4月のトランプ氏訪中で米中関係を安定させたいからだと思われるが、この苦渋の対米融和路線に勝算はあるのだろうか。(2026年1月12日)
4日★韓国大統領訪中─6年ぶり
5日★中韓首脳会談─「日本軍国主義」言及
6日★中国商務省─軍民両用品の対日輸出禁止
7日 中国商務省─日本産ジクロロシランのダンピング調査開始
8日 中国軍縮協会などの報告書、「日本右翼の核野心」批判◇木原官房長官─東シナ海の日中中間線付近で中国による新たなガス田掘削の動き確認─中国側に抗議した◇香港立法会主席に民建連の李慧琼氏当選
9日 25年の中国消費者物価上昇率ゼロ─24年は0.2%
12日★中央規律委総会(~14日)─軍人委員22人のうち前軍規律委副書記ら10人欠席
13日★韓国大統領来日(~14日)
14日 カナダ首相訪中(~17日)─8年ぶり◇25年の中国貿易黒字、初の1兆ドル超◇比沿岸警備隊報道官、習主席風刺画像を投稿
15日 台湾総統、加藤前財務相と会談
19日★25年の中国成長率5%─10~12月期は4.5%/通年の固定資産投資、36年ぶりマイナス◇25年末の中国人口、4年連続マイナス ─出生数・出生率は過去最低◇カブールの中華料理店で爆弾テロ、中国人1人含む7人死亡
20日★閣僚級幹部研修班の始業式、張又侠軍事委副主席・中央組織部長・前新疆書記の3政治局員と軍事委連合参謀長が欠席(何副首相はスイス訪問)─張昇民軍事委副主席は出席◇英政府、中国の巨大大使館新設を承認
21日 独バイエルン州首相─中国パンダ2頭、ミュンヘンの動物園に貸与へ
22日★米大統領─習主席、年末ごろ訪米の見通し◇木原官房長官─駐重慶総領事の空席続く
23日 閣僚級幹部研修班の終業式、中央組織部長が出席◇中国ブラジル首脳が電話会談◇SCMP─26年の中国成長率目標4.5~5%
24日★中央規律委─張又侠軍事委副主席と連合参謀長を調査
25日 解放軍報─張又侠氏らを「軍事委主席制を踏みにじり破壊」と非難
26日 中越首脳が電話会談◇中国外務省、春節中の日本渡航自粛呼び掛け
27日★米駐中国大使─トランプ大統領が習主席の8~9月訪中を招請◇中ロ国防相がオンライン会談◇日本のパンダ、ゼロに
28日★英首相、8年ぶり訪中(~31日)
29日★中英首脳会談◇中央規律委─内モンゴル自治区の前書記を調査◇米大統領、英の対中接近を「非常に危険」と批判
31日 中央規律委─応急管理相を調査
中国の習近平政権は「日本軍国主義が復活しつつある」と断定する認識を明確にした。高市早苗首相の台湾有事発言だけではなく、日本が全体として過去の侵略をきちんと反省していないことが問題だとしており、日中関係の修復は長期的に難しいとみられる。(時事通信解説委員 西村哲也)
■日本の「反省」否定
「ドイツと異なり、日本は戦後80年たっても、いまだに侵略の歴史を徹底的に反省していない」。中国の王毅外相は12月8日、北京を訪れたワーデフール独外相との会談でこう述べて、日本を批判した。中国高官が歴史問題に関する日本の「反省」をここまではっきりと対外的に否定するのは異例だ。
王氏は、高市氏の台湾有事発言を「中国に対する武力の脅し」だと決め付け、中国人民と世界中の平和を愛する人民には「軍国主義復活を企てる日本の野心」を阻止する義務があると訴えた。
中国側が問題視する高市氏の発言は11月7日の国会答弁だったが、中国外務省はすぐに反応を示さず、同10日にようやく同省報道官が「断固たる反対」を表明。さらに13日、コメントを出し直す形で発言撤回を要求し、「軍国主義の失敗を繰り返そうとしているのか」と問い掛けた。
報道官はその後の記者会見でも「われわれは日本軍国主義の復活を絶対に許さない」「軍国主義復活のいかなる企ても断固阻止する」と警戒感をあらわにした。
習近平国家主席も11月24日、トランプ米大統領との電話会談で台湾問題に関する中国の原則的立場を説明。中国外務省の発表によると、「中米はかつて、肩を並べてファシズム・軍国主義に立ち向かった。今も第2次世界大戦勝利の成果を共にしっかりと守らねばならない」と呼び掛け、同じ戦勝国としての連帯をアピールした。
習氏が外国指導者との会談で「軍国主義」に触れるのは珍しい。10月30日に韓国でトランプ氏とじかに会った時、台湾問題を持ち出さなかったこともあり、高市氏の発言を受けて、トランプ氏に対し、歴史的経緯を含めて中国側の言い分を詳しく説明したようだ。「敗戦国・日本を擁護するな」ということだろう。
台湾有事で日本に「存立危機事態」が生じれば、集団的自衛権を行使する可能性があるとの見解がなぜ、日本軍国主義復活につながるのか。
共産党機関紙・人民日報の論評(11月28日)は高市氏の発言について、戦後日本の指導者が(1)初めて「台湾有事は日本有事」論を公式の場で鼓吹し、集団的自衛権と関連付けた(2)初めて台湾問題に武力介入しようという野心をあらわにした(3)初めて武力で中国を脅した─と解説した。
(2)と(3)はかなりの拡大解釈だが、中国側の日本軍国主義復活論はこれらの見方に基づいていると思われる。
■公式メディアが大々的に非難
中国側は「日本軍国主義」の現状を具体的にどう捉えているのか。共産党の指導下にある主要公式メディアは次のような見解を示している。原文は以下の通り。
一、高市早苗は、日本の戦後経済・社会の発展が第2次世界大戦の歴史の教訓への反省に基づいて得られた事実を無視し、軍国主義を受け継ぎ、ポピュリズムの勢いを利用する歴史的に古い道を歩もうとしている。(人民日報=11月18日)
一、高市は、完全に中国内政に属する台湾問題を日本の「存立危機事態」の枠組みに入れて、中国内政に粗暴に干渉し、中国の核心的利益に挑戦して、中国の主権を著しく侵犯している。軍国主義による侵略拡張というでたらめな理屈の継続である。(軍機関紙・解放軍報=11月20日)
一、高市は再び(「存立危機」を口実に侵略戦争を行うという)この危険な考えを具現化しようとたくらんでおり、軍国主義を復活させようとする陰険な魂胆は誰の目にも明らかだ。(国営通信社・新華社=11月27日)
以上の見解から、中国側は、日本軍国主義が復活のプロセスに入るのを警戒しているのではなく、高市氏の首相就任で軍国主義が既に復活のプロセスに入ったと判断していることが分かる。
■「個人的言動ではない」
中国側の批判対象は以下のように、高市氏だけではない。
一、今日まで日本は一貫して戦争の犯罪行為を深く反省せず、軍国主義を徹底的に清算せず、その右翼勢力はさらに侵略を粉飾し、戦後体制からの離脱を妄想している。高市の台湾に関するでたらめな理屈は、つい口に出てしまった個人的言動ではなく、日本国内で軍国主義のあしき影響が消えず、勢いを取り戻している現実の表れである。(解放軍報=11月21日)
一、高市早苗の頑固な立場は、日本右翼勢力が引き続き台頭し、軍国主義思想のあしき影響が消えていないことを暴露した。(人民日報=11月22日)
一、日本学術界、文芸界、教育界、報道界などの分野には、大量の歴史修正主義の論調が存在し、侵略と植民の歴史をみだりに歪曲(わいきょく)、否定し、さらには美化する言論がよくあり、珍しくもない。一部の日本国民はその言論(高市首相の台湾有事発言)をよく考えもせずに支持しており、日本軍国主義の復活には相当な土壌があることを示している。これは、歴史修正主義が長年はびこってきたことのあしき結果である。(解放軍報=12月13日)
情報機関である国家安全省のシンクタンク・中国現代国際関係研究院も11月25日、「高市の誤った言論の背後にある極右思想を暴く」と題する大論文を発表。「日本の戦後処理は不十分で、その戦争犯罪行為と軍国主義思想は完全に清算されなかった」と断定した。
つまり、中国側にとって、日本軍国主義復活は高市氏個人の問題ではないということだ。日本という国の政治的土壌の問題なのであるから、仮に高市氏が台湾有事発言を撤回したり、退陣したりしても、根本的解決にはならない。
日中国交正常化は日本の侵略戦争反省を前提としていた。日本軍国主義復活論は、その前提が崩れたと中国側が判断したことを意味する。
台湾の民進党や香港民主派を独立派として敵視する宣伝攻勢からも分かるように、中国共産党が対立勢力に一度貼ったレッテルをすぐ剥がすことはない。日中関係は今の険悪な状態が相当長く続き、いずれそれが常態化する可能性もあると考えるべきだろう。
中国側は、日本国内の高市氏批判や対中譲歩論を後押しするとともに、国際機関や米欧など関係各国に日本軍国主義復活論を吹聴し続けて、日本側を揺さぶってくるとみられる。(2025年12月22日)
中国の習近平政権要人が重要行事を欠席したり、しばらく動静が不明になったりするケースが目立つ。共産党最高幹部である政治局常務委員や政治局員の動きに異変があり、軍内の習派有力者を一掃した「反腐敗闘争」やその影響が政権上層部で拡大している可能性がある。
■兵器メーカーから抜てき
中国共産党の指導部である政治局は11月28日、定例会議を開いたほか、インターネット管理に関する集団学習を行った。政治局会議の出欠は不明だが、国営中央テレビが流した集団学習のニュース映像には、党中央規律検査委員会の李希書記(政治局常務委員)と前新疆ウイグル自治区党委書記の馬興瑞氏(政治局員)の姿がなかった。
党総書記(習近平国家主席)が主宰する会合で複数の政治局メンバーが欠席するのは珍しい。政治局員は現在23人で、うち習氏ら7人が常務委員として最高レベルの指導者とされている。
12月10~11日には、経済政策の基本方針を決める中央経済工作会議が開かれ、李氏は出席したが、馬氏の姿はなかった。
馬氏は7月に突然、新疆自治区書記解任が発表された。「別のポストで任用する」とされたのに、新ポストは不明。失脚説が流れる中、11月の政治局集団学習までは重要行事に参加していた。
馬氏は、習氏が重用してきた兵器メーカー出身者の代表格。理系の名門校・ハルビン工業大学で航空関係の力学を学び、30代で副学長、40代でミサイルやロケットを製造する国有大企業、中国航天(宇宙)科技の総経理(社長)となった。
その後、工業情報化次官や広東省の深圳市党委書記などを経て、省長(閣僚級)に就任。同省で地元幹部以外からの省長起用は異例の人事だった。2021年、新疆自治区書記へ転じ、翌22年の第20回党大会で政治局入りした。広東省長経験者の政治局員は、習近平氏の父である習仲勲氏(故人)以後初めてで、約40年ぶり。習近平政権で馬氏がいかに重視されていたかが分かる。
■習派の政治局員、また失脚?
しかし、23年以後、反腐敗を口実とする軍内の大粛清に関連して、中国航天科技の関係者が相次いで失脚。ミサイル調達を巡る汚職が摘発されたとみられ、同社出身の馬氏も影響を受けるのではないかとの説が流れていた。
また、新疆自治区では11月初め、政治諮問機関である人民政治協商会議(政協)副主席に対する不正調査が発表され、新疆生産建設兵団の党規律検査委書記が「急病」で死亡。同兵団は、馬氏が新疆時代に第1政治委員を務めていた。さらに、中央規律検査委は同月30日、新疆自治区政府の陳偉俊常務副主席(次官級)を規律・法律違反の疑いで調べていると発表した。陳氏は、馬氏が新疆自治区書記だった頃の主な部下の一人だ。
馬氏が失脚したとすれば、先に中央軍事委副主席を解任されて党籍・軍籍も剥奪された何衛東氏に続いて、今期の政治局員粛清としては2人目となる。何氏も習氏の側近で、軍内福建閥の有力者だった。
12月8日にも政治局会議が開かれたが、過去数年の12月の同会議と異なり、その公式報道には(1)事前に政治局常務委の会議が開かれ、中央規律検査委から過去1年間の状況報告を受けた(2)翌年1月に中央規律検査委の総会を開くことが決まった─という反腐敗関係の記述が全くなかった。また、習氏に対する個人崇拝スローガン「二つの確立」「二つの擁護」も消えた。
中央規律検査委の報告や総会日程の決定はあったが、公表しなかったのか、それとも、反腐敗は別の会議で取り上げることになったのか。中央規律検査委が報告を行えず、総会日程も決められなかったとすれば、通常の活動に支障が生じるほど忙しいということなのだろう。
中央規律検査委を率いる李氏は11月の政治局集団学習を欠席したが、その後の中央経済工作会議には出ており、集団学習欠席は多忙のためだったと思われる。
李氏は習近平氏の西北地方人脈の代表格。前職は広東省党委書記(省指導部トップ)で、その時の省長(同ナンバー2)が馬氏だった。
■習氏最側近の存在感薄く
党内福建閥の筆頭である党中央書記局の蔡奇筆頭書記(幹事長に相当、政治局常務委員)も行事欠席が多くなっている。習氏の最側近といわれる蔡氏は、総書記の首席秘書官のような役割を担う党中央弁公庁主任も兼ねているので、習氏の活動には常に同行するはずだが、11月9日から18日にかけて、全国運動会開幕式、スペイン国王との会談、タイ国王との会談、中央全面依法治国(法による国家統治)工作会議をすべて欠席した。同会議は、習氏も参加せず、指示を伝えただけだった。
党中央の筆頭書記と弁公庁主任という二つの要職兼務は前例がない。仕事量があまりに多くなったことから、行事参加を減らした可能性もあるが、マクロン仏大統領という極めて重要な外国首脳との会談(12月4日)も欠席しており、蔡氏の存在感が薄くなっていることは否定できない。
蔡氏と同じ福建閥に属する王小洪公安相も11月に約1週間、公の場に現れなかった。警察を管轄する公安相は首相や外相のように頻繁に表に出てくるわけではないので、不自然と言うほどのことではないが、その間にかつて王氏の秘書役だった北京市公安局副局長が「急病のため不幸にも亡くなった」と発表された。死去から1カ月近くたっていた。このような形で明らかにされる「不幸な急死」は、反腐敗の調査で追い詰められて自殺したケースが多い。
また、12月3日には党中央が党外人士座談会を開いて、経済政策に関する意見を聴取。習氏ら政治局常務委員4人が出席したが、翼賛政党指導者ら党外人士関連の政策を担う政協全国委の王滬寧主席(政治局常務委員)はなぜか参加しなかった。政治局常務委員が自分の担当分野の重要会議を欠席するのは非常に珍しい。
■軍人トップへの影響が焦点
反腐敗を巡っては、中央軍事委が12月1日、機関紙の解放軍報を通じて、「中国共産党規律処分条例を軍隊が貫徹執行することに関する補充規定」を公表した。新規定は2026年1月1日から施行される。
この規定は「政治規律」の重要性を強調した上で、(1)中央軍事委主席責任制の貫徹が不十分(2)誤った政治的観点や不適切な言論を発表する(3)中央軍事委による決定の貫徹が不十分─といった問題を指摘した。(1)は、中央軍事委主席である習氏の権威が揺らいでいることを認めたかのような表現で、この種の公式文書としては極めて異例だ。
軍関係では、国防省が11月20日、中央軍事委の張又侠筆頭副主席(制服組トップ)がロシアを訪れ、ベロウソフ国防相と会談したと発表したが、中国公式メディアはほとんど報道しなかった。張氏のこれまでの外遊は普通に報じられていた。また、12月1~2日の王毅外相(政治局員)訪ロは党機関紙・人民日報などが詳報している。
張氏は現在、軍人で唯一の政治局員。軍内の習派粛清を主導し、影響力を拡大したといわれるが、党の宣伝部門からは冷遇されているようだ。
また、前述のミサイル調達絡みの反腐敗闘争では、武器調達を担う軍装備発展部長を経て国防相に就任した李尚福氏が既に失脚。同部長の前任者である張氏には波及しないとの見方が多かったが、馬氏のような兵器メーカー出身の大物が粛清された場合でも、武器調達に深く関わってきた張氏は何の影響も受けないのか。反腐敗闘争の今後の展開はこれまで以上に政局を左右することになりそうだ。(2025年12月12日)
高市早苗首相の台湾有事発言に反発する中国は、日本に対する非難と報復をエスカレートさせている。高市首相に「毒の苗」などと罵詈(ばり)雑言を浴びせるだけでなく、日本に対する軍事行動の可能性も示唆して威嚇するなど全面対決の姿勢だ。
■「敵国条項」持ち出す
在日中国大使館は11月21日、SNSを通じて、第2次世界大戦の敗戦国として国連憲章の敵国条項の対象になっている日本が再び侵略政策に向けた動きをした場合、中国など国連創設国は安全保障理事会の承認なしに直接軍事行動を取る権利を持つと警告した。中国はこれまで、台湾、歴史問題を巡って何度も日本と対立してきたが、対日攻撃をちらつかせるのは極めて異例だ。
この主張によれば、対日軍事行動の条件は日本による「侵略」ではなく、「侵略政策に向けた動き」なので、台湾有事に日本が直接介入しなくても、中国に都合の悪い何らかの動きをすれば、中国は独自の判断で日本を攻撃できることになる。
台湾有事は「存立危機事態」に該当し得るとした高市首相の国会答弁(7日)に対し、中国外務省報道官は13日、「悪辣(あくらつ)な言論」の撤回を要求するとともに「もし日本が大胆にも台湾海峡情勢に武力介入すれば、それは侵略行為となり、中国は必ず正面から痛撃を与える。われわれは断固として、国連憲章と国際法が与えた自衛権を行使する」と強調した。国営中央テレビ系のSNSアカウント・玉淵譚天は、この「痛撃」には軍事的意味があると解説した。
国防省報道官も翌14日、日本が台湾海峡情勢に武力介入した場合、「中国人民解放軍の鉄壁の守りにより頭を割られて血を流し、悲惨な代償を払うことになる」と強調した。
15日には、復旦大学(上海)の教授が中国共産党系の香港紙・文匯報への寄稿で、国連憲章に敵国条項があることを指摘。国連総会が1995年、同条項は時代遅れになったとする決議を採択したものの、いまだに廃止されていないのは、同条項はやはり必要とのコンセンサスが国際社会にあるからだと主張した。在日中国大使館の21日の投稿は文面がよく似ており、この論説を参考にしたと思われる。
しかし、敵国条項が死文化していることは国際社会の常識であり、同大使館の投稿に対しては批判が殺到している。在外中国人からも「国連創設国は中華民国(当時の国民党政権)であり、中国共産党に何の関係があるのか」と皮肉る声が出ている。日本外務省は23日、SNSを通じて反論し、この条項は死文化したとの認識を示した国連総会決議には「中国自身も賛成票を投じた」と指摘した。
日中戦争では主に国民党が日本軍と戦ったが、共産党は自らが抗戦を主導したと宣伝。さらに、中華民国は1949年、中華人民共和国(共産党政権)の成立で消滅したと主張している。実際には国民党政権は台湾へ逃れ、引き続き中華民国と称した。
中国側の脅しは口先だけではなく、中国海軍は22日、東シナ海や台湾海峡を管轄する東部戦区海軍が実弾射撃訓練を行ったと発表した。中国軍は引き続き、日本と台湾を威圧する演習を繰り返し実施していく可能性が高い。
■日本人「スパイ」取り締まり強化か
中国は軍事だけでなく、スパイ取り締まりの面でも日本を威嚇している。
スパイ防止を担当する国家安全省は19日、SNSを通じて発表した評論員論文で、日本には「軍国主義復活の危険な兆し」や「中国統一プロセスへの武力介入をたくらむ野心」があると非難。国家安全機関は近年、中国に浸透して機密を盗み出そうとする日本の情報機関による一連のスパイ事件を摘発し、容疑者を捕まえたとして、取り締まりの成果を誇示した。
日中関係が険悪になる中でこのような論文を発表したのは、中国国内で日本人の「スパイ」取り締まりを強化することを示唆して、対日圧力を強化する狙いがあるとみられる。
国家安全省のSNSアカウントは同日、日中戦争中の中国共産党員と日本人協力者の「国境を越えた友誼(ゆうぎ)」を紹介する短時間の番組も配信した。この協力者は戦後、日本共産党の参院議員となった中西功氏(故人)で、1941年に日本軍が北進(ソ連侵攻)ではなく、南進を決めたとする情報を中国共産党に提供し、同党がこれをソ連に伝えたという。
番組は中西氏を「日本反戦志士」と称賛。日本政府が中国と対立しても、日本には中国側に協力する人々がいるとアピールしたいようだ。
高市首相の台湾有事発言を巡る問題は国連にまで持ち込まれた。第2次大戦の戦勝国が創設した国連(中国語では「連合国」)の存在を中国は非常に重視しているからだ。
傅聡国連大使は18日、安保理改革に関する会合で、高市首相の台湾有事発言は「戦後の国際秩序を破壊する」とした上で「このような国に安保理常任理事国入りを求める資格は全くない」と主張した。
日本を安保理常任理事国とするかどうかの問題はかつて、中国で大規模な反日デモを引き起こし、中国当局も収拾に苦労したことがある。深刻な不況で社会不安が高まっている状況下で大きなデモが起こることは習近平政権も望んでいないはずだが、そのリスク回避よりも日本たたきを優先したということだろう。
傅大使はさらに21日、高市首相の台湾有事発言に対する中国政府の立場を説明する書簡をグテレス国連事務総長宛てに書簡を送り、この発言について(1)1945年の日本敗戦後、初めて日本の指導者が公式の場で「台湾有事は日本有事」を鼓吹し、それを集団的自衛権と結び付けた(2)初めて台湾問題に武力介入しようとする野心を表明した(3)初めて中国を武力で威嚇し、中国の核心的利益に公然と挑戦した─と決め付けた。
この書簡は国連総会の公式文書として全加盟国に送ると傅大使は述べた。中国の戦狼外交でも珍しい執拗(しつよう)な対外工作で、国連の権威も利用して日本側を完全に屈服させようと考えが読み取れる。
■経済・外交面で中国側に懸念
以上のように、中国の対日姿勢は尖閣諸島国有化(2012年)への反応よりも強硬だ。ただ、中国経済は低迷が続いており、実際の成長率は公式統計(7~9月期4.8%)をはるかに下回っているとの見方が多い。トランプ米大統領との貿易戦争も先行きは不透明。国内経済と対外経済環境の両方が良くない中、事実上の経済制裁で日本との経済関係を縮小していけば、中国国内の関連業界も打撃を受ける。中国経済にかつての高度成長時代のような余裕はなく、中国流の対日デカップリング(分断)を徹底的かつ長期的に実行するのは容易ではない。
また、外交で最大の課題であるトランプ氏対策のためには、本来、戦狼路線をやや修正して、米国以外の主要国との関係はなるべく良くしておきたい状況だが、自ら「核心的利益の核心」と言う台湾問題で強硬姿勢を崩すことはできず、習政権としては悩ましいところだ。(2025年11月24日)
2日 中俄举行战略安全磋商
4日 习近平同法国总统马克龙举行会谈
中央经济工作会议在北京举行 习近平发表重要讲话__中国政府网
8日 王毅同德国外长瓦德富尔会谈
11日 中央经济工作会议在北京举行 习近平发表重要讲话
中央经济工作会议在北京举行 习近平发表重要讲话__中国政府网
26日 中共中央政治局召开民主生活会 中共中央总书记习近平主持会议并发表重要讲话
中共中央政治局召开民主生活会 中共中央总书记习近平主持会议并发表重要讲话__中国政府网
1日 人民日報、高市首相の「台湾地位未定論」非難
2日 中ロ高官─「日本軍国主義の捲土重来に反撃」
3日★仏大統領訪中(~5日)─四川に習主席同行◇党外人士座談会─政協主席が欠席◇自民副総裁─「中国からいろいろ言われているが、言われるくらいでちょうどいい」「これによって大問題に発展するわけでもない」
4日★中仏首脳会談─蔡奇氏欠席
6日★中国空母艦載機、沖縄本島沖で空自戦闘機にレーダー照射
7日 香港立法会─民建連の得票率36%減
8日★政治局会議─1月の中央規律委総会の日程発表なし◇★中独外相会談─王毅氏「日本は侵略歴史の反省徹底せず」◇米大統領─エヌビディアAI半導体の対中輸出許可へ
9日★中ロ爆撃機、四国沖で初の共同飛行─中国空母が太平洋展開中
10日★中央経済工作会議(~11日)─馬興瑞氏欠席、李希氏は出席
12日 明報─軍装備発展部長が中央経済工作会議欠席◇星島日報─党中央政策研究室主任が交代◇台湾外交部長、米AIT本部を訪問
13日 南京事件88年式典─中央組織部長「軍国主義復活、容認せず」~新華社や人民日報「軍国主義」報道せず
15日 中国外務省─台湾顧問の元統合幕僚長を制裁◇香港リンゴ日報創業者に有罪判決
17日★米政府─台湾に111億ドル相当の武器売却へ/中国側、撤回要求・報復警告せず◇米上院で中国の対日圧力批判決議案◇高市首相─日中関係で「率直に対話を重ね、戦略的互恵関係を包括的に推進したい」
19日 米下院与野党議員、中国の対日威圧非難決議案を提出◇米国務長官、日中対立について「前から存在する」
22日★上将昇進式典─東部・中部戦区司令官の交代判明/台湾総統、自民党幹事長代行と会談
24日★星島─空軍2首脳が上将昇進式典欠席
25日★政治局、12月2回目の会議─反腐敗が議題◇★政治局民主生活会─「政治的忠誠を強化」◇人民日報、日本「新軍国主義」批判の大論文
26日 中国外務省─米軍需企業20社を制裁
27日★全人代常務委─軍事委政法委書記・武警政治委員・訓練管理部長の全人代代表職を罷免/対外貿易法改正案を可決
29日★中国軍東部戦区、台湾周辺で演習(~30日)◇米大統領─台湾周辺での中国軍演習「何も心配していない」
30日 王外相、外交全般に関する演説で日本だけ非難─対米批判せず
31日 日中経協─1月後半の訪中団派遣中止