1月7日バーミンガムのタウン・ホール公演を皮切りに 2月17日エジンバラのアッシャー・ホールで幕を閉じた英国ツアーに続き,約一週間を空けて 2月23日フィンランドはヘルシンキのクルトゥウリタロ公演を皮切りに,3月12日ドイツはデュッセルドルフのラインハレ公演まで行われた レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)の欧州ツアー.

 今回,商品としてリリースされたのは,欧州ツアー初日に当たる 2月23日フィンランドはヘルシンキのクルトゥウリタロ公演のオーディエンス録音を収録した 『 Toccata And Fugue : Helsinki 1970 (No Label) 』 で,Krw_coが発掘・編集したファースト・ジェネレーション・コピーを,マスタリングでは定評のある,話題の Graf Zeppelinレーベルが担当したものです.

 この公演日は,ブート収集をし始めた初期に購入した Mandala Recordsレーベルの 『 Vahalla I Am Coming (MA2112-1,2) 』 が,家の中を探せば出てくると思います.
 ただ既発盤は,当時購入したものの,正直かなり厳しい音質で,購入後暫くしてからは聴かなくなり,この公演日自体,余り良いイメージが無かったのですが,今回の商品はロウ・ジェネレーションの音源を使用している関係で,かなりクリアになっています.ただそもそものマスターに起因しているようにヴォーカル・パートの出音が引っ込んでしまっているのが,残念ではあります.

 メーカー情報では
 『ブリストルと同時にリリースされるのは、これまた70年のライブ音源であるヘルシンキ。ブリストルと同様、何度も公演が行われた土地ではないので、ZEPマニアであればヘルシンキと言えば「ああ70年ね」と通じてしまうほどかと。
 実際ヘルシンキはロイヤル・アルバート・ホールやブリストルが行われた1月のツアーに次いで行われたZEP初のヨーロッパ・ツアーの幕開けとなった日。このツアーからは永遠の定番であるモントルー、さらには『COPENHAGEN 1970』や『HAMBURG 1970 2ND NIGHT』そして『DUSSELDORF 1970』といった名演&名音源の宝庫となっています。まだ71年以降と比べてライブ・アクトとして未完成な部分は少なくないのですが、それを補って余りある躍動感ある演奏が圧倒的な時期。
 もっともLP時代はマニアに大人気のレア盤『LIFE』(またの名を『LIVE』)と、そこからコピーして更にポピュラーな存在となった我が国が誇るMARC製『WHITE SUMMER』のデュッセルドルフ、あるいは『FEEL ALRIGHT』を始めとしたモントルー各種に選択肢が絞られており、このツアーの全貌が明らかとなったのはCD時代を迎えてからでした。

 そんな時期のCD化第一号は意外にもデュッセルドルフやモントルーではなく、ツアー初日のヘルシンキだったのです。これがリリースされた当時はまだサウンドボードや極上オーディエンスのみリリースが許されるような時代でしたので、絵に描いたようなビンテージ・オーディエンスをCD化してみせたのは勇猛果敢以外の何物でもなかったという。おまけに同時にリリースされたのが数か月後のアメリカはローリー公演という、当時ですら相当にマニアックな音源をメタリックなシルバーのジャケに包んでリリースしたことは本当に驚きでした。
 それがシルバー・ジャケの『VAHALLA I AM COMING』でして、その後も旧タラから(今回のタイトルのオマージュでもある)『TOCCATA AND FUGUE』、あるいはスコルピオがGold Standard名義で出した『FIXIN' TO DIE』といった具合に計三タイトルがリリースされたものの正確なピッチで収録されたものはどれ一つとしてなく、それどころかジェネ落ち感も相当、といった具合に何かしら問題を抱えたままリリースされてしまいました。
 
 そのせいでハード・マニア向けオーディエンスの烙印を押されてしまい、以降ヘルシンキはまともなアイテムがリリースされないという状況に陥ってしまいます。元の録音状態はそこまで悪くなかっただけに文字通り不遇をかこってしまったヘルシンキなのですが、近年になってかのKrw_coがファースト・ジェネレーション・コピーを発掘。
 ロウジェネレーションな状態ゆえ、過去のアイテムなどまるで問題にならない見事なアッパー感だったのですが、当時はヘルシンキが完全に見過ごされてしまっていた時勢を反映し、驚きのアッパー音源だったにもかかわらずギフトCD-Rとしてのリリースという慎重な扱い(笑)となってしまいました。考えてみれば、これほど明確なアッパー感のある音源を今までリリースしなかったとは。
 そこで今回はこちらも「GRAF ZEPPELIN」がオーバーホールを担当。Krw_coによって発掘された1st Genバージョンは同時リリースのブリストルほど手を焼くこともなく、彼をしても過去のアイテムより「圧倒的に音がイイ」とのお墨付き。確かにジミーのギターが大きめなバランスで捉えられているのですが、それが飽和することなく絶妙なバランスで捉えてくれていたのだとを今回のリリースで再認識してもらえるでしょう。そこへ「GRAF ZEPPELIN」ならではのアジャストによってピッチも初めて正確に収録されたとくれば鬼に金棒。

 そしてツアー初日、さらにはジョンジーの弾くオルガンが空港で一時足止めを食らってしまったせいでショウの開演が遅れるなどのハプニングがあったとは思えないほど激しい演奏ぶりは正確なピッチと1st Genだからこそ。
 ブリストルで思う存分に弾き倒していたジミーでしたが、ここでも彼は絶好調。もう序盤からしてキレッキレ。おまけに「Dazed And Confused」ではジミーのギターの音が出なくなるハプニングに見舞われてしまうのですが、その様子が手に取るように解る。
 またこのツアーの「Heartbreaker」と言えばジミーが開始前にジェフ・ベック・グループ「Rice Pudding」のリフを弾いたモントルーの名場面が思い出されますが、この日はギターソロから戻る最中に「Plynth」のリフを弾くという珍しい場面が捉えられていて貴重。この時期の彼はJBG#1がマイブームだったのでしょうか。そんなキレッキレのジミーと拮抗したロバートの見事なスクリームが会場に響き渡る様子も本音源の魅力であり、70年ならではの光景かと。
 何より最初に申し上げた理由から長い間マニアに忘れ去られてしまったも同然のヘルシンキが1st Genと「GRAF ZEPPELIN」の緻密なオーバーホールによって生まれ変わりました!

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REMASTERED BY GRAF ZEPPELIN
(リマスター・メモ)

 ★ギフトと同じKrw_co版からの新規マスタリング
ボーカルが遠目ですが、ギターが非常にオンで全体的にはかなりクリアで良好なサウンド
これだけ良好な音質にもかかわらず、過去にGold Standard盤('94)、旧タラ盤('95)などが'90年代に登場以降は全く更新もなく、今回約30年ぶりのプレス盤化!

 ★音質は既発に比べ断然良く、鮮度の良さ、ヒスの少なさ、帯域の癖のなさなど、いずれも一聴して判別できるほど。カットの少なさも特筆すべき点で、曲中カットがMobyである以外は曲間カットもなく、ほぼ完璧

 ★位相修正と帯域を調整
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Toccata And Fugue : Helsinki 1970 (No Label)
 
 Live At Kulttuuritalo, Helsinki, Finland
 23rd February 1970
 [UPGRADE]

  Disc 1
   01. We're Gonna Groove
   02. I Can't Quit You Baby
   03. Dazed And Confused
   04. Heartbreaker
   05. White Summer incl. Black Mountain Side
   06. Since I've Been Loving You
   07. Organ Solo
   08. Thank You
   TOTAL TIME (61:35)

  Disc 2
   01. MC
   02. Moby Dick
   03. How Many More Times
   04. Whole Lotta Love
   TOTAL TIME (50:59)

 We're Gonna Groove
 
 Thank You
 
 Whole Lotta Love
 

[参考]
 詳細情報(メーカー情報より)
  Disc 1
   01. We're Gonna Groove
       ::::
   06. Since I've Been Loving You
   07. Organ Solo
       ⇒ ★イントロでバッハの Toccata And Fugue さわり
   08. Thank You

  Disc 2
   01. MC
   02. Moby Dick
       ⇒ ★1:13、 1:23 カット
   03. How Many More Times
   04. Whole Lotta Love

 1970 UK & European Tour Dates
 [UK Tour]
 January
  07 Birmingham Town Hall,Birmingham,UK
  08 Colston Hall,Bristol,UK
  09 Royal Albert Hall,London,UK
  13 Guild Hall,Portsmouth,UK
  15 Newcastle City Hall,Newcastle upon Tyne,UK
  16 Sheffield City Hall,Sheffield,UK
  24 University Refectory,Leeds,UK

 Vahalla I Am Coming (MA2112-1,2)
 


 February
  17 Usher Hall,Edinburgh,UK
     ⇒ Rescheduled Date:Originally Scheduled For February 07
 
 [European Tour]
  23 Kulttuuritalo,Helsinki,FINLAND
  25 Konserthuset,Gothenburg,SWEDEN
  26 Konserthuset,Stockholm,SWEDEN
  27 Concertgebouw,Amsterdam,NETHERLANDS
  28 K.B. Hallen,Copenhagen,DENMARK

 March
  02 Un-Known,Brussels,BELGIUM
  03 Un-Known,Cologne,GERMANY
  04 Un-Known,Hanover,GERMANY
  05 Un-Known,Frankfurt,GERMANY
  06 Un-Known,Nuremberg,GERMANY
  07 Montreux Casino,Montreux,SWITZERLAND
  08 Circus Krone Building,Munich,GERMANY
  09 Wiener Konzerthaus,Vienna,AUSTRIA
  10 Musikhalle,Frankfurt,GERMANY
       ⇒ Cancelled
  10 Musikhalle,Hamburg,GERMANY
  11 Musikhalle,Hamburg,GERMANY
  12 Rheinhalle,Düsseldorf,GERMANY


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Hamburg 1970 2nd Night (No Label)
 
Hamburg 1970 1st Night (No Label)
  
Royal Albert Hall 1970 (No Label)
 


#2023‐05‐23