年末年始休暇の初日に当たる，12月29日（木）は，相鉄本線（相模鉄道）の 希望ヶ丘駅から徒歩1分の Jazz Live House CASK にて行われた，ユーフォニアム（Euphonium）奏者：海野百合香さんのリーダー・ライヴ 『 Yurika Umino Quartet Guest Eiji Taniguchi 』 のライヴへ．
Yurika Umino Quartet は，リーダーでユーフォニアムの 海野百合香さんを筆頭に，ギターに 野内遼介さん，ベースに 入船裕次さん，ドラムに 森永哲則さんを配しており，今回は，このカルテットにゲストとしてクラリネットの 谷口英治さんを迎えてのクインテット編成のライヴ．
この日は年末年始休暇の関係もあって，昼過ぎから野毛で飲んでいて，その後，希望ヶ丘に移動．
会場となる Jazz Live House CASK に到着したのは，粗々，開場予定時間の18時30分（開演時間は19時30分）．
未だ入口には 「 CLOSED 」 とありましたが，既に開場時間を過ぎていたので，そのまま中へ．
アルコール消毒，検温，受付をして，案内された席へ．
土日は開場／開演の間が，30分のケースが多いのですが，平日の場合は，1時間なので，早めに行くと開演までが長いですね（苦笑）
ドリンクとフードを注文し，開演時間を待ちます．
流石に野毛で飲んできた後なので，ワイン・ボトルは止めて，ハートランド樽生ビールとミックスピザを注文．
定刻になり演者がステージに登場．
開演予定時間ぴったりなので，ある意味気持ち良いです．
1st Set のオープニングを飾ったのは，ジョウゼフ・マイロウ（Josef Myrow）作で，映画 「 Three Little Girls in Blue （スリー・リトル・ガール・ブルー） 」 の劇中歌でもある，”You Make Me Feel So Young”．
8月28日（日）にトロンボーン奏者の 駒野逸美さんがゲストに入った時もそうでしたが，フロント 2菅は，やはりアンサンブル的にやられてしまいますね．
「 このカルテットで色々なところでライヴをさせてもらっているが，私的に，仕事納めは，CASK でというのもあって，結構，早い段階からブッキングさせて貰い，その段階から，谷口英治さんには来て貰いたいと想っていて，連絡して良いのかなと思いつつ連絡してみたら，快く引く受けて頂いた 」 との事を MC で言っていましたが，そもそも過去の MC でも 海野百合香さんがジャズの世界に入る切っ掛けは，谷口英治さんのライヴを，六本木駅から程近い All Of Me Club に聴きに行き，自身も，これをやってみたいと想ったことだそうです．
「 今まで，客席で観ていて，聴いていたのに，ここで同じ言葉で会話できるのが，すごく嬉しいので，今日は楽しんでやりたいと思います 」 的なことも言っていました．
2曲目は，ヴィンセント・ローズ（Vincent Rose）作の ”Whispering” を スコット・ハミルトン（Scott hamilton）のボサノヴァ調アレンジでの演奏．
シームレスでは無いものの，続けて マット・デニス（Matt Dennis）作の ”Everything Happens To Me” を演奏．
この ”Everything Happens To Me” も，このカルテットのライヴでは時々演奏される曲．
ここで，谷口英治さんが言っていましたが，クラリネットを中学生で始めて，30年前にプロとしてやり始めた頃は，スイングやディキシーランドのような古いジャズの楽器のイメージがあり，当時はクラリネットでジャズをやりますというと 「 うそだろ！ 」，「 悪い冗談だろ！ 」 的なことを言われる世界だったようです．
「 昔，クラリネットでジャズやりますというのが，今のユーフォニアムでジャズやりますと同じくらい珍しいこと．海野さんは難しいことをやろうとしているが，No.1になれる可能性が大きいし，きっと No.1 になれるだろうから，歯を食いしばってやって頂くしかない 」
そして，谷口英治さんが，バス・クラリネットに持ち替え，このカルテットでは時々セット・リストに加えられる，サックス奏者の ジェリー・マリガン（Gerry Mulligan）作の ”Festive Minor” を演奏．
演奏終了後，海野百合香さんが 「 隣で吹けているのが嬉しい 」 と言っていたのが，印象的でした．
1st Set 最後は，軽快に刻む，森永哲則さんのドラムのリズムから，ニール・へフティ（Neal Hefti）作の ”Cute” を演奏．
ここで暫しのブレイク（30分前後）へ突入．
この日のライヴの少し前に，大阪，倉敷，八代，博多と，アルバム・リリース・ツアーがあったので，その時のお土産（博多 通りもん）を頂きました．
ブレイク後の 2nd Set も，ぴたっと21時00分に演者がステージに登場しスタート．
2nd Set は，コール・ポーター（Cole Porter）作の ”You Do Something To Me” が，オープニングを飾ります．
そして，何と，入船裕次さんが，高校1年～3年迄吹奏楽部でやっていたというクラリネットを披露．
実は，この会場での，2022年5月のこのカルテットのライヴでも披露したことがあるので，私的に，聴くのは 2度目！
曲は，チャーリー・パーカー（Charlie Parker）作の ”Billie's Bounce”．
当然，ベース・パートが無い訳で，野内遼介さんがギターの低音部でベース・パートを，ギター・ソロの時には，谷口英治さんが，バス・クラリネットでベース・パートを演奏．
入船裕次さんのクラリネット演奏は，”Billie's Bounce” の 1曲のみで，再度ベースに持ち替え，ケニー・ドーハム（Kenny Dorham）作の ”Blue Bossa”．
続けて 谷口英治さんのクラリネットを全面にフューチャーした ユービー・ブレイク（Eubie Blake）作の ”Memories Of You”．
演奏終了後の MC で，映画 『 ベニイ・グッドマン物語 （The Benny Goodman Story） 』 の 1シーンに心打たれ，想い出深い曲なので，是非ともクラリネットで聴きたかった曲とも言っていました．
ここで，お客さんとして来ていたサックス奏者の 奥野裕太さんをステージ上に呼び込み，ビリー・リード（Billy Reid）作の ”I’ll Close My Eyes” をセクステット編成にて演奏．
この曲は，レッスンで最初に吹いた曲なので，今回，演ろうと思ったとも言っていました．
2nd Set 最後は，ボブ・ブルックマイヤー（Bob Brookmeyer）と アル・コーン（Al Cohn）のアレンジで，「 谷口英治さんと演るなら，この曲は最後に演奏したいと思っていた 」 との MC から，フォード・T・ダブニィ（Ford Thompson Dabney）作の ”S.H.I.N.E.” を演奏し，本編を締め括りました．
当然，粗々，満席の会場からは素晴らしい演奏に対する大きな拍手と，それがアンコールを望む手拍子に変わり，演者はそのままステージ上に．
アンコールに応えて，「 アンコールは吹き納めということもあり，ジャズで一番好きな曲 」との MC から ジェローム・カーン（Jerome Kern）作で，10月22日にリリースされた，自身の 1st アルバム 『 I Want To Be Like That 』 にも収録されている ”All The Things You Are” を，客席に戻っていた 奥野裕太さんをフューチャリングして演奏し，この日のライヴを締め括りました．
クラリネット，バス・クラリネットを使用した，谷口 英治さんの演奏を聴くのも，1年半振り，2nd Set では，入船裕次さんのクラリネットの演奏，そして 奥野裕太さんがシットインしたりと，サプライズ有りの豪華なライヴとなりました．
何と言っても，海野百合香さんが，終始，楽しそうに，幸せそうに演奏していたのが非常に印象的なライヴでした．
[Member]
海野 百合香 : Baritone Horn
野内 遼介 : Guitar
入船 裕次 : Bass, Clarinet
森永 哲則 : Drums
Special Guest / 谷口 英治 : Clarinet, Bass Clarinet
Sit In / 奥野 裕太 : Saxophone
[Set List]
1st Set
01. You Make Me Feel So Young
02. Whispering
03. Everything Happens To Me
04. Festive Minor
05. Cute
2nd Set
01. You Do Something To Me
02. Billie's Bounce
03. Blue Bossa
04. Memories Of You
05. I’ll Close My Eyes
06. S.H.I.N.E.
[Encore]
07. All The Things You Are
おまけ
[参考]
Yurika Umino Quartet 「I Want To Be Like That」PV
I Want To Be Like That
[収録曲]
01. Social Call
02. O Gato
03. 春の雨
04. All The Things You Are
05. Coffee Break
06. I Want To Be Like That
07. Skating In Central Park
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#2022-12-29