1973年12月7日 (%1) リリースのアルバム 『 Tales From Topographic Oceans(海洋地形学の物語) 』.
(%1) 当初 1973年10月26日にリリースされると告知されたが,メンバー間の不和の影響で,リリースが12月7日(11月央とも言われている)に延伸された.
アルバム 『 Tales From Topographic Oceans(海洋地形学の物語) 』 は,アルバム全体がテーマを持っており,楽曲 4つを交響曲の構成のように収録した,ある意味実験的でもあるアルバムになりました.
そして,このアルバムのプロモーションを兼ねて行われた 「 Tales From Topographic Oceans Tour 」 は,1973年11月16日ボーンマスのウィンター・ガーデン公演を皮切りに、12月10日エディンバラのエンパイア・シアター公演まで行われた英国ツアー,年が明けて1974年2月7日フロリダ州ゲインズビルのユニバーシティ・オーディトリウム公演を皮切りに,3月25日テキサス州ダラスのダラス・コンベンション・センター公演まで行われた北米ツアー,4月11日ドイツはフランクフルトのメッセージランデ・ハレ公演を皮切りに,4月23日イタリアはローマのパラッツォ・デロ・スポーツ公演まで行われた欧州ツアーに大別されます.
このツアーでは 『 Tales From Topographic Oceans(海洋地形学の物語) 』 収録曲は,以下に示すようにセット・リストの中盤(4.-7.)で演奏されているのですが,何故か "The Remembering"("追憶")は北米ツアー途中の 1974年3月1日以降,セット・リスト落ちしています.
[Set List]
1. Siberian Khatru
2. And You and I
3. Close To The Edge
4. The Revealing Science Of God
5. The Remembering (#1)
6. The Ancient
7. Ritual
8. Heart Of The Sunrise (#2)
9. Roundabout
10. Starship Trooper (#3)
11. Yours Is No Disgrace (#4)
(#1) : 1974年3月1日以降,セット・リスト落ち
(#2) : 1973年11月30日以降,セット・リスト落ち
(#3) : 1974年2月27日 に演奏
(#4) : 1973年12月1日,3日,1974年2月14日, 16日, 25日 に演奏
本CDは,2月ー3月に行われた北米ツアーに次いで,4月11日ドイツはフランクフルトのメッセージランデ・ハレ公演を皮切りに行われた欧州ツアーから,ツアー終盤の 4月19日フランスはパリのパレ・デ・スポーツ・ド・パリ公演のオーディエンス録音を収録し Amityレーベルから 2011年04月にリリースされた 『 Legendes des Oceans Topographiques (Amity 234) 』 です.
今回,再紹介に伴って便宜上サブ・タイトル 「 Paris 1974 」 が付与されていますが,ジャケット含めてリリース当初の状態であり,その文言は入っていません.
既発では,メーカー情報にも記載があるように Highlandレーベルから 1998年に 『 Paris '74 (HL132/33#Y26) 』 としてリリースされているようですが,所有していないので比較はできません.但し,メーカー情報の記載を見ると今回の 『 Legendes des Oceans Topographiques (Amity 234) 』 の方が,元のマスターの世代の違いなのかクリアなようです.
音像は若干遠目で,独億の音の質感を感じるオーディエンス録音で,各パートの音の輪郭がややハッキリしては箇所も存在するものの,高音質と言えます.
それ以上にパフォーマンスが素晴らしく必聴の価値があります.
メーカー情報では
『1974年「Tales from Topographic Oceans」ヨーロッパ・ツアー末期、4月19日のパリ公演を高音質オーディエンス録音で完全収録。長いツアーを経て、バンドとしてのまとまり、コンビネーションの素晴らしさはその頂点に達したと言え、聴きごたえ満点の質の高い演奏を、優雅なサウンドで楽しむことができます。ジェネレーションの違いか、妙に音やせした既発盤「Paris '74」(HL)との音質の差は歴然としており、「本当にこれが同じ音源か?」と感じるほど音質の向上を容易に確認することができます。本盤はより音が近く、サウンドも明瞭です。音のスケールもパンチも増しており、ドラマチックな音楽に相応しい、豊かで広がりのあるクリアーなサウンドで、圧巻のショウを堪能することができます。演奏の力強さも増しており、同じ公演でも、音の録り方ひとつで、ここまでイメージが変わってしまうものか、と思えるほどです。ジョンのボーカルも非常に調子が良いようで、高域の伸びも理想的であり、その見事なバンドアンサンブルと共に最良のそれを聴くことができます。アランとクリスのリズムセクションは勿論、スティーブとリックのリード楽器が複雑に絡み合う様は、どの曲も圧巻。本ツアーを最後に脱退してしまうリックも、メロトロン、ムーグシンセ、オルガンと複雑な音色を駆使しながら、ソロ、バッキングともに、随所で安定した聴きごたえ満点の演奏を披露してくれます。勿論、不要な過度なイコライズは施していないので、ストレス無く、正しい音色を基調とした、ヴィンテージなサウンドに浸ることができます。ピッチも正確に補正済み。シンフォニックロックの一つの頂点を迎えたイエス1974年ツアーの集大成とも言えるパリ公演を過去最高のサウンドで楽しめるファン必聴の1枚。
★beatleg誌 vol.131(2011年6月号)のレビュー要約です。ご参考まで。
イエスの『海洋地形学の物語』ツアーから、1974年4月19日のフランス、パリ公演を完全収録した2枚組。70本以上も続いたワールド・ツアーの終盤、楽日から3日前であり、パリの異常なほど熱狂的な盛り上がりに後押しされたのか、演奏の方も初っぱなからかなり熱のこもったパフォーマンスがくり広げられていく。以前、この日を完全収録した『Paris '74』という作品があったが、明らかに異なるマスターからの音源だと思われる。ステレオ感はあまりないものの、『Paris '74』ではテープ回転数が速くてケロケロになっていたが、本作ではピッチも正常になっているし、中域から低域にかけてのバランスがかなり改善されていて聴きやすくなっている。コンサート冒頭に『危機』収録の3曲が一気に演奏されるのだが、ここでの「危機」タイトル曲は圧巻である。まずアラン・ホワイトのドラムがタイトであり、リック・ウェイクマンのオルガンがいつになく「やる気マンマン」なのだ。当然スティーヴ・ハウのギター・プレイは汗が飛び散る様が想像できるほどの熱演であり、キメでのミスは全くナシ。ジョン・アンダーソンのヴォーカルは伸びやかで、まるで『イエスソングス』の再演の様相である。本来ならばそれだけでもお腹いっぱいになるのだが、本番はこれから。LP2枚組で全4曲で構成された『海洋地形学の物語』から、2曲目の「追憶」を除く3曲が演奏される。なかでも3曲目となる「古代文明」では、イントロが始まった途端「あれっ?この曲こんなにスリリングだったっけ?」と聴き入ってしまうほどのダイナミクスで迫ってくる。このヴァージョンでライヴ録音していたら、本家『海洋地形学の物語』より数段パワーアップしたアルバムが聴けたことだろう。そして終曲「儀式」で聴衆の盛り上がりは最高潮に達する。なんといってもタイトルがフランス語なので、当然フランス人は盛り上がるはず。その声援に押されて、通常より2割増しのスピード感によるパワフルな演奏が展開されていく。イエスの最高傑作は「危機」はなく「儀式」だという証拠を突きつけられた感じだ。歴代のイエスのライヴ・パフォーマンスの中でも5本指に入る出来だと言わざるを得ないだろう。』
Legendes des Oceans Topographiques (Amity 234)
Live At Palais Des Sports De Paris,Paris,France 19th April 1974
Disc 1
1. Firebird Suite
2. Siberian Khatru
3. And You And I
4. Close To The Edge
5. The Revealing Science Of God
Disc 2
1. The Ancient
2. Ritual
3. Roundabout
4. Starship Trooper
Jon Anderson : Vocal
Steve Howe : Guitar
Chris Squire : Bass
Rick Wakeman : Keyboards
Alan White : Drums
The Revealing Science Of God
The Ancient
Starship Trooper
[参考]
Paris '74 (HL132/33#Y26)
Tales From Topographic Oceans Tour Dates
1973
November
01 BBC Studios,London,UK
⇒ [Broadcasted 25th Feburary 1974]
[UK Tour]
16 Winter Garden,Bournemouth,UK
17 Winter Garden,Bournemouth,UK
18 Bristol Hippodrome,Bristol,UK
19 Portsmouth Guildhall,Portsmouth,UK
20 Rainbow Theatre,London,UK
21 Rainbow Theatre,London,UK
22 Rainbow Theatre,London,UK
23 Rainbow Theatre,London,UK
24 Rainbow Theatre,London,UK
25 New Theatre,Oxford,UK
26 De Montfort Hall,Leicester,UK
27 Sheffield City Hall,Sheffield,UK
28 Free Trade Hall,Manchester,UK
29 Free Trade Hall,Manchester,UK
30 Empire Theatre,Liverpool,UK
December
01 Capitol Theatre,Cardiff,UK
02 Trentham Gardens,Stoke-on-Trent,UK
03 Birmingham Hippodrome,Birmingham,UK
04 Birmingham Hippodrome,Birmingham,UK
06 Apollo Theatre,Glasgow,UK
07 Apollo Theatre,Glasgow,UK
08 Newcastle City Hall,Newcastle,UK
09 Newcastle City Hall,Newcastle,UK
10 Empire Theatre,Edinburgh,UK
Feburary
[North American Tour]
07 University Auditorium,Gainesville,FL,USA
08 Miami Baseball Stadium,Miami,FL,USA
09 Tampa Stadium,Tampa,FL,USA
10 Carolina Coliseum,Columbia,MD,USA
11 Alexander Memorial Coliseum,Atlanta,GA,USA
12 Roanoke Civic Center,Roanoke,VA,USA
13 Baltimore Civic Center,Baltimore,MD,USA
14 Nassau Coliseum,Uniondale,NY,USA
15 New Haven Coliseum,New Haven,CT,USA
16 The Spectrum,Philadelphia,PA,USA
⇒ [Two Shows]
18 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
20 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
21 Civic Arena,Pittsburgh,PA,USA
22 Maple Leaf Gardens,Toronto,ON,CANADA
23 Broome County Veterans Memorial Arena,Binghamton,NY,USA
24 Barton Hall,Ithaca,NY,USA
25 Montreal Forum,Montreal,QC,CANADA
26 Boston Garden,Boston,MA,USA
27 Cobo Arena,Detroit,MI,USA
28 Cobo Arena,Detroit,MI,USA
March
01 Hersheypark Arena,Hershey,PA,USA
02 Louisville Gardens,Louisville,KY,USA
03 Cincinnati Gardens,Cincinnati,OH,USA
05 Metropolitan Sports Center,Bloomington,IN,USA
06 International Amphitheatre,Chicago,IL,USA
07 International Amphitheatre,Chicago,IL,USA
08 Kiel Auditorium,St. Louis,MO,USA
10 Cook Convention Center,Memphis,TN,USA
11 Fairgrounds Arena,Oklahoma City,OK,USA
12 Century II Convention Hall,Wichita,KS,USA
13 Denver Coliseum,Denver,CO,USA
14 The Pit,Albuquerque,NM,USA
15 Winterland,San Francisco,CA,USA
16 Winterland,San Francisco,CA,USA
17 Memorial Auditorium,Sacramento,CA,USA
18 Los Angeles Forum,Inglewood,CA,USA
19 Long Beach Arena,Long Beach,CA,USA
20 Selland Arena,Fresno,CA,USA
21 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
23 San Antonio Civic Center,San Antonio,TX,USA
24 LSU Assembly Center,Baton Rouge,LA,USA
25 Dallas Convention Center,Dallas,TX,USA
April
[European Tour]
11 Messegelande Halle,Frankfurt,GERMANY
12 Olympiahalle,Munich,GERMANY
13 Olympiahalle,Munich,GERMANY
14 Friedrich-Ebert-Halle,Ludwigshafen,GERMANY
15 Neue Messhalle,Stuttgart,GERMANY
16 Westfalenhalle,Dortmund,GERMANY
17 Ahoy Rotterdam,Rotterdam,NETHERLANDS
19 Palais Des Sports De Paris,Paris,FRANCE
21 Hallenstadion,Zürich,SWITZERLAND
23 Palazzo dello Sport,Rome,ITALY
[関連記事]
「Toronto 1974 (Amity 622)」
「L.A. Forum 1974 : Mike Millard Master Tapes (Virtuoso 439/440)」
「Definitive Boston 1974 (Virtuoso 365/366)」
「Ritual At Spectrum (Windmill 031)」
「Four Tales From Detroit (Amity 170)」
「Oceans Of Valentine (Siréne-234)」
「Tales From Great Western(Virtuoso 038/039)」
「Topographic Session : BBC 1973 (Special Bonus CDR)」
※) 「L.A. Forum 1974 : Mike Millard Master Tapes (Virtuoso 439/440)」 付属の Bonus CDR
「Bristol 1973 (Gift CDR)」
#2011‐04 #名盤・名音源・再紹介
(%1) 当初 1973年10月26日にリリースされると告知されたが,メンバー間の不和の影響で,リリースが12月7日(11月央とも言われている)に延伸された.
アルバム 『 Tales From Topographic Oceans(海洋地形学の物語) 』 は,アルバム全体がテーマを持っており,楽曲 4つを交響曲の構成のように収録した,ある意味実験的でもあるアルバムになりました.
そして,このアルバムのプロモーションを兼ねて行われた 「 Tales From Topographic Oceans Tour 」 は,1973年11月16日ボーンマスのウィンター・ガーデン公演を皮切りに、12月10日エディンバラのエンパイア・シアター公演まで行われた英国ツアー,年が明けて1974年2月7日フロリダ州ゲインズビルのユニバーシティ・オーディトリウム公演を皮切りに,3月25日テキサス州ダラスのダラス・コンベンション・センター公演まで行われた北米ツアー,4月11日ドイツはフランクフルトのメッセージランデ・ハレ公演を皮切りに,4月23日イタリアはローマのパラッツォ・デロ・スポーツ公演まで行われた欧州ツアーに大別されます.
このツアーでは 『 Tales From Topographic Oceans(海洋地形学の物語) 』 収録曲は,以下に示すようにセット・リストの中盤(4.-7.)で演奏されているのですが,何故か "The Remembering"("追憶")は北米ツアー途中の 1974年3月1日以降,セット・リスト落ちしています.
[Set List]
1. Siberian Khatru
2. And You and I
3. Close To The Edge
4. The Revealing Science Of God
5. The Remembering (#1)
6. The Ancient
7. Ritual
8. Heart Of The Sunrise (#2)
9. Roundabout
10. Starship Trooper (#3)
11. Yours Is No Disgrace (#4)
(#1) : 1974年3月1日以降,セット・リスト落ち
(#2) : 1973年11月30日以降,セット・リスト落ち
(#3) : 1974年2月27日 に演奏
(#4) : 1973年12月1日,3日,1974年2月14日, 16日, 25日 に演奏
本CDは,2月ー3月に行われた北米ツアーに次いで,4月11日ドイツはフランクフルトのメッセージランデ・ハレ公演を皮切りに行われた欧州ツアーから,ツアー終盤の 4月19日フランスはパリのパレ・デ・スポーツ・ド・パリ公演のオーディエンス録音を収録し Amityレーベルから 2011年04月にリリースされた 『 Legendes des Oceans Topographiques (Amity 234) 』 です.
今回,再紹介に伴って便宜上サブ・タイトル 「 Paris 1974 」 が付与されていますが,ジャケット含めてリリース当初の状態であり,その文言は入っていません.
既発では,メーカー情報にも記載があるように Highlandレーベルから 1998年に 『 Paris '74 (HL132/33#Y26) 』 としてリリースされているようですが,所有していないので比較はできません.但し,メーカー情報の記載を見ると今回の 『 Legendes des Oceans Topographiques (Amity 234) 』 の方が,元のマスターの世代の違いなのかクリアなようです.
音像は若干遠目で,独億の音の質感を感じるオーディエンス録音で,各パートの音の輪郭がややハッキリしては箇所も存在するものの,高音質と言えます.
それ以上にパフォーマンスが素晴らしく必聴の価値があります.
メーカー情報では
『1974年「Tales from Topographic Oceans」ヨーロッパ・ツアー末期、4月19日のパリ公演を高音質オーディエンス録音で完全収録。長いツアーを経て、バンドとしてのまとまり、コンビネーションの素晴らしさはその頂点に達したと言え、聴きごたえ満点の質の高い演奏を、優雅なサウンドで楽しむことができます。ジェネレーションの違いか、妙に音やせした既発盤「Paris '74」(HL)との音質の差は歴然としており、「本当にこれが同じ音源か?」と感じるほど音質の向上を容易に確認することができます。本盤はより音が近く、サウンドも明瞭です。音のスケールもパンチも増しており、ドラマチックな音楽に相応しい、豊かで広がりのあるクリアーなサウンドで、圧巻のショウを堪能することができます。演奏の力強さも増しており、同じ公演でも、音の録り方ひとつで、ここまでイメージが変わってしまうものか、と思えるほどです。ジョンのボーカルも非常に調子が良いようで、高域の伸びも理想的であり、その見事なバンドアンサンブルと共に最良のそれを聴くことができます。アランとクリスのリズムセクションは勿論、スティーブとリックのリード楽器が複雑に絡み合う様は、どの曲も圧巻。本ツアーを最後に脱退してしまうリックも、メロトロン、ムーグシンセ、オルガンと複雑な音色を駆使しながら、ソロ、バッキングともに、随所で安定した聴きごたえ満点の演奏を披露してくれます。勿論、不要な過度なイコライズは施していないので、ストレス無く、正しい音色を基調とした、ヴィンテージなサウンドに浸ることができます。ピッチも正確に補正済み。シンフォニックロックの一つの頂点を迎えたイエス1974年ツアーの集大成とも言えるパリ公演を過去最高のサウンドで楽しめるファン必聴の1枚。
★beatleg誌 vol.131(2011年6月号)のレビュー要約です。ご参考まで。
イエスの『海洋地形学の物語』ツアーから、1974年4月19日のフランス、パリ公演を完全収録した2枚組。70本以上も続いたワールド・ツアーの終盤、楽日から3日前であり、パリの異常なほど熱狂的な盛り上がりに後押しされたのか、演奏の方も初っぱなからかなり熱のこもったパフォーマンスがくり広げられていく。以前、この日を完全収録した『Paris '74』という作品があったが、明らかに異なるマスターからの音源だと思われる。ステレオ感はあまりないものの、『Paris '74』ではテープ回転数が速くてケロケロになっていたが、本作ではピッチも正常になっているし、中域から低域にかけてのバランスがかなり改善されていて聴きやすくなっている。コンサート冒頭に『危機』収録の3曲が一気に演奏されるのだが、ここでの「危機」タイトル曲は圧巻である。まずアラン・ホワイトのドラムがタイトであり、リック・ウェイクマンのオルガンがいつになく「やる気マンマン」なのだ。当然スティーヴ・ハウのギター・プレイは汗が飛び散る様が想像できるほどの熱演であり、キメでのミスは全くナシ。ジョン・アンダーソンのヴォーカルは伸びやかで、まるで『イエスソングス』の再演の様相である。本来ならばそれだけでもお腹いっぱいになるのだが、本番はこれから。LP2枚組で全4曲で構成された『海洋地形学の物語』から、2曲目の「追憶」を除く3曲が演奏される。なかでも3曲目となる「古代文明」では、イントロが始まった途端「あれっ?この曲こんなにスリリングだったっけ?」と聴き入ってしまうほどのダイナミクスで迫ってくる。このヴァージョンでライヴ録音していたら、本家『海洋地形学の物語』より数段パワーアップしたアルバムが聴けたことだろう。そして終曲「儀式」で聴衆の盛り上がりは最高潮に達する。なんといってもタイトルがフランス語なので、当然フランス人は盛り上がるはず。その声援に押されて、通常より2割増しのスピード感によるパワフルな演奏が展開されていく。イエスの最高傑作は「危機」はなく「儀式」だという証拠を突きつけられた感じだ。歴代のイエスのライヴ・パフォーマンスの中でも5本指に入る出来だと言わざるを得ないだろう。』
Legendes des Oceans Topographiques (Amity 234)
Live At Palais Des Sports De Paris,Paris,France 19th April 1974
Disc 1
1. Firebird Suite
2. Siberian Khatru
3. And You And I
4. Close To The Edge
5. The Revealing Science Of God
Disc 2
1. The Ancient
2. Ritual
3. Roundabout
4. Starship Trooper
Jon Anderson : Vocal
Steve Howe : Guitar
Chris Squire : Bass
Rick Wakeman : Keyboards
Alan White : Drums
The Revealing Science Of God
The Ancient
Starship Trooper
[参考]
Paris '74 (HL132/33#Y26)
Tales From Topographic Oceans Tour Dates
1973
November
01 BBC Studios,London,UK
⇒ [Broadcasted 25th Feburary 1974]
[UK Tour]
16 Winter Garden,Bournemouth,UK
17 Winter Garden,Bournemouth,UK
18 Bristol Hippodrome,Bristol,UK
19 Portsmouth Guildhall,Portsmouth,UK
20 Rainbow Theatre,London,UK
21 Rainbow Theatre,London,UK
22 Rainbow Theatre,London,UK
23 Rainbow Theatre,London,UK
24 Rainbow Theatre,London,UK
25 New Theatre,Oxford,UK
26 De Montfort Hall,Leicester,UK
27 Sheffield City Hall,Sheffield,UK
28 Free Trade Hall,Manchester,UK
29 Free Trade Hall,Manchester,UK
30 Empire Theatre,Liverpool,UK
December
01 Capitol Theatre,Cardiff,UK
02 Trentham Gardens,Stoke-on-Trent,UK
03 Birmingham Hippodrome,Birmingham,UK
04 Birmingham Hippodrome,Birmingham,UK
06 Apollo Theatre,Glasgow,UK
07 Apollo Theatre,Glasgow,UK
08 Newcastle City Hall,Newcastle,UK
09 Newcastle City Hall,Newcastle,UK
10 Empire Theatre,Edinburgh,UK
Feburary
[North American Tour]
07 University Auditorium,Gainesville,FL,USA
08 Miami Baseball Stadium,Miami,FL,USA
09 Tampa Stadium,Tampa,FL,USA
10 Carolina Coliseum,Columbia,MD,USA
11 Alexander Memorial Coliseum,Atlanta,GA,USA
12 Roanoke Civic Center,Roanoke,VA,USA
13 Baltimore Civic Center,Baltimore,MD,USA
14 Nassau Coliseum,Uniondale,NY,USA
15 New Haven Coliseum,New Haven,CT,USA
16 The Spectrum,Philadelphia,PA,USA
⇒ [Two Shows]
18 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
20 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
21 Civic Arena,Pittsburgh,PA,USA
22 Maple Leaf Gardens,Toronto,ON,CANADA
23 Broome County Veterans Memorial Arena,Binghamton,NY,USA
24 Barton Hall,Ithaca,NY,USA
25 Montreal Forum,Montreal,QC,CANADA
26 Boston Garden,Boston,MA,USA
27 Cobo Arena,Detroit,MI,USA
28 Cobo Arena,Detroit,MI,USA
March
01 Hersheypark Arena,Hershey,PA,USA
02 Louisville Gardens,Louisville,KY,USA
03 Cincinnati Gardens,Cincinnati,OH,USA
05 Metropolitan Sports Center,Bloomington,IN,USA
06 International Amphitheatre,Chicago,IL,USA
07 International Amphitheatre,Chicago,IL,USA
08 Kiel Auditorium,St. Louis,MO,USA
10 Cook Convention Center,Memphis,TN,USA
11 Fairgrounds Arena,Oklahoma City,OK,USA
12 Century II Convention Hall,Wichita,KS,USA
13 Denver Coliseum,Denver,CO,USA
14 The Pit,Albuquerque,NM,USA
15 Winterland,San Francisco,CA,USA
16 Winterland,San Francisco,CA,USA
17 Memorial Auditorium,Sacramento,CA,USA
18 Los Angeles Forum,Inglewood,CA,USA
19 Long Beach Arena,Long Beach,CA,USA
20 Selland Arena,Fresno,CA,USA
21 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
23 San Antonio Civic Center,San Antonio,TX,USA
24 LSU Assembly Center,Baton Rouge,LA,USA
25 Dallas Convention Center,Dallas,TX,USA
April
[European Tour]
11 Messegelande Halle,Frankfurt,GERMANY
12 Olympiahalle,Munich,GERMANY
13 Olympiahalle,Munich,GERMANY
14 Friedrich-Ebert-Halle,Ludwigshafen,GERMANY
15 Neue Messhalle,Stuttgart,GERMANY
16 Westfalenhalle,Dortmund,GERMANY
17 Ahoy Rotterdam,Rotterdam,NETHERLANDS
19 Palais Des Sports De Paris,Paris,FRANCE
21 Hallenstadion,Zürich,SWITZERLAND
23 Palazzo dello Sport,Rome,ITALY
[関連記事]
「Toronto 1974 (Amity 622)」
「L.A. Forum 1974 : Mike Millard Master Tapes (Virtuoso 439/440)」
「Definitive Boston 1974 (Virtuoso 365/366)」
「Ritual At Spectrum (Windmill 031)」
「Four Tales From Detroit (Amity 170)」
「Oceans Of Valentine (Siréne-234)」
「Tales From Great Western(Virtuoso 038/039)」
「Topographic Session : BBC 1973 (Special Bonus CDR)」
※) 「L.A. Forum 1974 : Mike Millard Master Tapes (Virtuoso 439/440)」 付属の Bonus CDR
「Bristol 1973 (Gift CDR)」
#2011‐04 #名盤・名音源・再紹介