ピンク・フロイド(Pink Floyd)は,1970年1月10日英国ノッティンガムのノッティンガム大学公演を皮切りに,3月21日デンマークはコペンハーゲンのチボリコンサートホール公演まで,英国/欧州/北欧ツアーを行い,3月30日フランスはパリ郊外セーヌ=サン=ドニのル・ブルジェ空港での音楽祭(Le Festival Musique Evolution)出演後,4月9日ニューヨークのフィルモア・イースト公演を皮切りに北米ツアーを開始します.
 前年に何度か演奏されていた組曲 "The Man And The Journey" が色々な形で別の曲の一部で構成されたのに対して,1月10日から開始されたこのツアーでは "Atom Heart Mother" のプロト・タイプに当たる "The Amazing Pudding" が披露される等,時期的にもステージ自体が実験的で重要な意味を持ったツアーでした.

 本CDは,上述のツアー中盤に当たる 2月28日英国ウェスト・ヨークシャー州はリーズのリーズ大学公演のオーディエンス録音を収録し Sigmaレーベルより 2008年2月にリリースされた 『 Dying Of Boredom (Sigma 8) 』 です.

 今回,再入荷に伴ってサブ・タイトル 「 Leeds University 1970 」 が付与され 『 Dying Of Boredom : Leeds University 1970 (Sigma 8) 』 となっていますが,ジャケット含めて 2008年2月のリリース当時のままであり,便宜上判り易くする関係で付与したものでしょう.

 既発では Ayanamiシリーズから 『 Leeds 1970 (Ayanami-243) 』 としてリリースされているようですが,こちらも所有していないので,比較はできません.
 そういう意味では Ayanamiレーベルも,Siréne(Sirene)レーベルも殆ど所有しておらず,Sigmaレーベルの初期(若番)も所有していないで,再入荷は有難いですし,また Siréneレーベルが過去リリースしたもので,Sigmaレーベルとしてリリースされていないものがあれば,是非とも Sigmaレーベルとしてリリースして欲しいところです.

 音質的には若干歪みを感じる部分もありますが,この年代の録音であることを考えると,非常に高音質なオーディエンス録音と言えます.

 特にステージ後半で ロジャー・ウォーターズの 「 … A New Piece And It’s As Yet Untitled. And It’s Quite Long So Get Comfortable. 」 の MC後に始まる ”The Amazing Pudding”,続く ”A Saucerful Of Secrets”,そしてアンコールで演奏された ”Interstellar Overdrive” の流れは絶品だと思いますし,特に 「 There’s Only About Seven Or Eight Minutes Of Time Left. 」 との前置きで演奏された ”Interstellar Overdrive” は導入部のアレンジが若干変わっていたり,何時もよりスロー・テンポでの演奏ではあるものの迫力があります.

 メーカー情報では
 『サントラ「More」「Zabrieski Point」、組曲「The Man & The Jounrney」、変則的2枚組み「Umagumma」と試行錯誤を繰り返したフロイドが新たな大曲Atom Heart Motherに着手、ライブで実験的な披露演奏を試みた1970年初頭のUKツアーより2月28日のリーズ大学公演を高音質オーディエンス録音で完全収録。
 近年、出現したマスター・ダイレクトと言われる決定的ヴァージョンを収録。既発盤「Leeds 1972」(Ayanami)未収のイントロの録音ボタンのガチャ音から収録。未加工ゆえヒスノイズがうっすら聴こえますが、イコライズ前のナチュラルで自然で太くマイルドなサウンドで収録されており、遂に出現したマスター・テイクを、ピッチを正確にアジャストした最良のヴァージョンで楽しむことができます。
 既発同様に1曲目のEmbryoの2:30~2:55付近でヒスノイズが大きくなるという欠点はそのままですが、それ以外は、全ての曲において、楽曲のカットも無く、非常に優秀な録音内容になっています。鮮度抜群の極上音質で収録されたこの時期のレアなライブ音源が、最も正確な形でデジタル化されたのは非常に意義深いことです。奥行きのある自然で迫力満点のドラムサウンドとダイレクト感いっぱいのオルガンとベースサウンド、そして空間を埋め尽くすギターが、この時期としては別格のサウンドで収録されています。
 Embryoでは後のエコーズでおなじみのカモメのようなギターサウンドエフェクトを6~7分台で聴く事ができます。
 この時期のEugeneはギミックやこけおどしとは無縁の、真の意味での魔的な迫力に満ちています。
 Set The Controls の地響きを立てて迫ってくるような迫力は圧巻!
 「新曲だ。非常に長い曲だ。楽にして聴いてくれ」というロジャーのMCに続いては、本盤の最大の聴き所である23分に及ぶ、Amazing Puddingと題された初期型Atom Heart Motherを聴く事ができます。この翌月にスタジオでベーシック・トラックが録音されるわけですが、基礎となる部分の方向性はおおよそ出来上がってきつつあるものの、全体のアレンジはまだまだ未完成で、ゆえに、まだまだ混沌としたイメージが支配する、未整理状態・誕生前のAtom Heart Motherの姿を聴く事ができます。この時期のAtom Heart Motherをここまで素晴らしい音質で聴く事ができるのは本当に素晴らしいことです。
 16分におよぶこの時期のA Saucerful Of Secretsは圧倒的な説得力に満ちています。まさにフロイドが最も素晴らしかった時期のサンプルと言えるでしょう。
 ラストは11分のInterstellar Overdriveも真の力強さと創造性に満ちた最高の名演が楽しめます。時期、演奏内容、音質、価値、その全てに最高ポイントがあげられる大推薦の一枚。フロイドのライブCDとしてベストな一枚と断言できる最優秀タイトル。限定プレスCDで登場です。

 ★完売間近。SIGMA初期の名音源盤です。』

Dying Of Boredom (Sigma 8)
 
 Live At Refectory Hall,Leeds University,Yorkshire,UK 28th February 1970 

  Disc 1
   1. The Embryo
   2. Careful With That Axe, Eugene
   3. Set The Controls For The Heart Of The Sun
   TOTAL TIME (35:11)

  Disc 2
   1. The Amazing Pudding (Atom Heart Mother)
   2. A Saucerful Of Secrets
   3. Interstellar Overdrive
   TOTAL TIME (51:54)

 The Embryo
 
 The Amazing Pudding
 

[参考]
 Leeds 1970 (Ayanami-243)
 

Atom Heart Mother
原子心母



Atom Heart Mother
原子心母 [Analog]



Ummagumma
ウマグマ



Ummagumma
ウマグマ [Analog]



More
モア



More
モア [Analog]




1970 1st European Tour Dates
  January
   10 The Ballroom,University of Nottingham,Beeston,Nottingham,UK
   17 Lawns Centre,Cottingham,Hull,UK
   18 Fairfield Hall,Croydon,UK
   19 The Dome,Brighton,UK
   23 Civic Hall,Wolverhampton,UK
      [Cancelled]
   23 Theatre des Champs-Elysées,Elysée,Paris,FRANCE
      [Broadcast On Europe 1 Radio]
   24 Theatre des Champs-Elysées,Elysée,Paris,FRANCE

  February
   02 Palais des Sports,Lyon,FRANCE
   05 Cardiff Arts Centre Project Benefit Concert,Sophia Gardens Pavilion,Cardiff, UK
   07 Royal Albert Hall,Kensington,London,UK
   08 Opera House,Manchester,UK
   11 Town Hall,Birmingham,UK
   14 King's Hall,Town Hall,Stoke-On-Trent,UK
   15 Empire Theatre,Liverpool,UK
   17 City Hall,Newcastle-upon-Tyne,UK
   22 The Electric Garden,Glasgow,UK
   23 McEwan Hall,University of Edinburgh,Edinburgh,UK
   28 Endsville '70,Refectory Hall,University Union,Leeds University,Leeds,UK

  March
   05 Studio B, BBC TV Centre,White City,London,UK
      [Line Up, BBC1 TV, Broadcast 13 March]
   06 Great Hall,College Block,Imperial College,London,UK
   07 University of Bristol Arts Festival - Timespace,Colston Hall,Bristol,UK
   08 Mothers,Erdington,Birmingham,UK
   09 City (Oval) Hall,Sheffield,UK
   11 Stadthalle,Offenbach,GERMANY
   12 Kleiner Saal,Auditorium Maximum,Hamburg University,Hamburg,GERMANY
   13 Konzert Saal,Technische Universität,Berlin,GERMANY
      [Two Shows]
   14 Grosser Saal,Meistersinger Halle,Nuremberg,GERMANY
   15 Niedersachsenhalle,Hannover,GERMANY
   18 Gothenberg,SWEDEN
      [Cancelled]
   19 Stora Salen,Stockholm Konserthus,Stockholm,SWEDEN
   20 Akademiska Foreningens Stora Sal,Lund,SWEDEN
   21 Tivolis Koncertsal,Copenhagen,DENMARK
   30 Le Festival Musique Evolution,Le Bourget,Aeroport de Paris,Siene St Denis,FRANCE

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#2019-11-19