先日リリースされた 『 Santa Monica 1971 (Wardour-376) 』 の公演(1971年1月)から約 3ヵ月を経過して初来日を果たした フリー(Free).

 1971年の初来日公演は,4月30日東京は一ツ橋の神田共立講堂公演,5月1日同じく東京は大手町のサンケイ・ホールと,東京 2公演のみでした.
 因みに翌年の1972年も初来日の エマーソン・レイク・アンド・パーマー(Emerson, Lake & Palmer)のオープニング・アクト(前座)として 7月22日東京は後楽園球場,7月24日兵庫は阪神甲子園球場の 2公演という少ない公演数.

 本ギフト・アイテムは初来日初日に当たる 4月30日神田共立講堂公演のオーディエンス録音を収録した 『 Kanda Kyoritsu Kodo 1971 (Gift CDR) 』 です.
 来日公演後のオーストラリア公演(5月6日-9日)を最後に一度 空中分解してしまうので,本当に貴重な録音だと思います.

 当日のセット・リストは

  [Set List]
   1. Fire and Water
   2. The Stealer
   3. I'm a Mover
   4. Be My Friend
   5. All Right Now
   6. Heavy Load
   7. The Highway Song
   8. My Brother Jake
   9. Soon I Will Be Gone
   10. Mr. Big
   11. Ride On A Pony
      [Encore]
   12. Crossroads

 だったようですが,残念ながら本オーディエンス録音には 8曲目の ”My Brother Jake” までしか収録されておらず,”Soon I Will Be Gone”,”Mr. Big”,”Ride On A Pony”,アンコールで演奏された ”Crossroads” の 4曲は未収録です.ただ別オーディエンス録音では全曲収録されているものもあります.

  初来日となる日本のファンの為に素晴らしいライヴ・パフォーマンスを披露しようと考えたのか,1週間後のオーストラリア公演を最後に空中分解するとは思えない,熱い演奏が繰り広げられています.

 因みに,この日は既発ではアナログ時代に,翌年の後楽園球場公演(1972年7月22日)のオーディエンスを 4曲追加収録した 『 LIVE! 』 や,それをデジタル・トランスファーしたギフト・アイテム 『 LIVE! (Gift CDR) 』 があります.

 ヴィンテージ感のたっぴりのオーディエンス録音で,歪みもありますが,各パートの輪郭は相応にはっきりしている関係もあり,充分楽しむことができます.

 メーカー情報では
 『PINK FLOYDやLED ZEPPELINに先駆けて実現した、FREE伝説の初来日。その現場に立ち会える貴重なライヴアルバムがギフト・リリース決定です。
 そんな本作に記録されているのは「1971年4月30日:神田共立講堂」公演。そのヴィンテージ・オーディエンス録音です。
 初来日では東京2公演(4月30日・5月1日)だけが行われ、本作はその初日にあたります。まさに日本とFREEが初対面を果たした夜なのですが、その現場を真空パックした本作は素晴らしい聴き応え。あくまでもヴィンテージ録音ではあるものの、ボケボケでもなければ轟音の類でもない。力強い芯がグイグイと手元まで届き、輪郭もクッキリ。
 鳴りに深みや美しさは望めないものの、演奏の機微や歌声の若々しさはシッカリと分かる。伝説の”現場”と“音楽”を知るには十分なドキュメント録音なのです。
 そのサウンドで描かれるのは、呼吸も止まる奇跡のブルースロック。ショウの終盤4曲のない不完全録音なものの、開演時の「FREE!」コール(伝説に名高い糸○五郎氏の声でしょうか)で幕を開け、歴史に名高い名曲群が次々と繰り出されていく。記録の意味も込め、当時のセットリストを整理しておきましょう。

 ●FIRE AND WATER(3曲)
  ・Fire And Water/All Right Now/Heavy Load
  ・本作未収録:Mr. Big
 ●HIGHWAY(3曲)
  ・The Stealer/Be My Friend/The Highway Song
  ・本作未収録:Soon I Will Be Gone/Ride On Pony
 ●その他(3曲)
  ・I’m A Mover『Tons of Sobs』/My Brother Jake
  ・本作未収録:Crossroads(ロバート・ジョンソン)

 ……と、このようになっていました。
 「Crossroads」が未収録なのは残念至極ですが、それでも大名盤『FIRE AND WATER』『HIGHWAY』を軸とした濃厚ぶりがよく分かる。特に「Heavy Load」や「The Highway Song」は後のBAD COMPANYやポール・ロジャースのソロでも演奏されていないFREEならではの名曲。それを現場体験できるのです。
 そして、演奏以上にドキュメントなのが観客の息吹。開演時には盛大に盛り上がるものの、演奏が始まるやサッと静まり返り、1曲1曲が終わると演奏中の静寂が嘘のように再び拍手が噴火。いつの時代も変わらないようにも思えますが、曲間の噴火が妙に短い。ワァ!と盛り上がったかと思うと数秒で鎮まり、大人しく次の曲を待っている。ちょっとしたサウンドチェックもMCも静寂の中に響き、次の演奏が始まるまで待つ。
 これこそ「日本の観客は大人しい」と言われる所以でもありますが、本作はそんな外タレの評判が定着する以前のノリなのです。
 そんなノリが変わるのが「All Right Now」。ヒット曲だけあって観客の浸透度も高く、盛大な喝采に続いて手拍子が延々と鳴り響くのです。そして、その手拍子がメトロノームのように超正確。まるでズレたら恥ずかしいとでも思っているかのようにビシッと揃っていて、どこまで続けられるか競うかのようにストイック。ここにはロックを気楽に楽しむムードはなく、どこまでも生真面目。ヒット曲への素直な反応も、繰り返される静寂も、真剣な手拍子も、すべてが新しい文化「ロック」との出会いの場だからこその香り立つドキュメントなのです。

 本作の3ヶ月後にはPINK FLOYDが、5ヶ月後にはLED ZEPPELINが伝説となる初来日を果たしました。その前に本物のブルースロックを日本に伝えたFREE。本作から流れ出るのは、そんな異文化の初対面なのです。その現場に素晴らしいサウンドで居合わせられる1枚。まさに新しい時代の幕開けとなった一夜。どうぞ、この機会にじっくりとご体験ください。』

Kanda Kyoritsu Kodo 1971 (Gift CDR)
 
 Live At Kanda Kyoritsu Kodo,Tokyo,JAPAN 30th April 1971

   1. Fire And Water
   2. The Stealer
   3. I'm A Mover
   4. Be My Friend
   5. All Right Now
   6. Heavy Load
   7. The Highway Song
   8. My Brother Jake
   TOTAL TIME (41:02)

 Fire And Water
 
 All Right Now
 

[参考]
1971 Tour Dates
 January
  09 Eastown Theatre,Detroit,MI,USA
  16 Fillmore West,San Francisco,CA,USA
  19 Pirates World,Dania Beach,FL,USA
  20 The Syndrome,Chicago,IL,USA
  22 Santa Monica Civic Auditorium,Santa Monica, CA,USA
  26 Fillmore North,Toronto,ON,CANADA
 
 February
  06 University Of Liverpool,Liverpool,UK
  11 Plymouth Guildhall,Plymouth,UK
  19 Colston Hall,Bristol,UK
  22 Big Apple, Brighton,UK
  26 Sheffield City Hall,Sheffield,UK
  27 Newcastle City Hall,Newcastle,UK
 
 April
  30 Kanda Kyoritsu Kodo,Tokyo,JAPAN
 
 May
  01 Otemachi Sankei Hall,Tokyo,JAPAN
  06 Subiaco Oval,Perth,AUSTRALIA
  07 Festival Hall,Melbourne,AUSTRALIA
  08 Apollo Entertainment Centre,Adelaide,AUSTRALIA
  09 Royal Randwick Racecourse,Sydney,AUSTRALIA
    [US Tour?]
  22 Cincinnati Gardens,Cincinnati,OH,USA ?
  30 Public Auditorium,Cleveland,OH,USA ?

5 Classic Albums



Tons Of Sobs



Fire And Water



Highway + 6



Free At Last + 6
(紙ジャケット仕様)



Heartbreaker + 6



FREE LIVE!



Live At BBC



The Free Story




[関連記事]
Santa Monica 1971 (Wardour-376)
 
LIVE! (Gift CDR)
 
Summer 1970 (Gift DVDR)
 
Young Jockey - Paul Rodger Story (Bonus CDR)
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-Free Young Jockey
Rock Explosion 1972 (Bonus DVDR)
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-Free Rock Explosion 1972
Kourakuen 1972 (No Label)
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-Free Kurakuen 1972









#2019-10-15