1977年3月の 『 Works Volume 1 (四部作) 』,および1977年11月の 『 Works Volume 2 (作品第2番) 』 リリースに伴い,1977年5月24日ケンタッキー州はルイビルのフリーダム・ホール公演を皮切りに1978年3月13日ロードアイランド州はプロビデンスのシビック・センター公演まで北米中心に行われたワークス・ツアー.

 このツアーは,当初は65人編成のオーケストラと帯同した大規模なツアーが企画され,かなり大規模な開場が選定されたものの,「 予算が無くなったので、途中からオーケストラが使えなくなってしまった 」 とキース・エマーソンが語っているように,途中から バンド 3人だけのコンサートに切り替わっています.

 本CDは,このツアー序盤に当たる1977年7月14日ロードアイランド州はプロヴィデンスのシビック・センター公演をオーディエンス録音で収録したもので,Amityレーベルから 2009年暮れにリリースされた 『 Fanfare For Providence 1977 (Amity 156) 』 で,3年程度前にギフト・アイテムとして登場した 4枚組の 『 Fanfare For The U.S.A. (Gift 4CDR) 』 の Disc 1,2 にも収録されていますが,テーパーは,あの ダン・ランピンスキー(:Dan Lampinski)氏です.

 ダン・ランピンスキー氏 は,この翌年の1978年 2月4日にも,マサチューセッツ州はボストンのボストン・ガーデン公演を収録しており,その音源は Virtuosoレーベルから 『 Legacy (Virtuoso 099/100) 』 としてリリースされ,脅威の高音質であるが故,かなり売れました.
 エマーソン・レイク&パーマーで,ランピンスキー氏と言うと,こちらの 『 Legacy (Virtuoso 099/100) 』 の音質を期待してしまうかも知れませんが,流石に本CDはそこまでは及びません.
 しかし他の音源に比較すれば充分に高音質である事は言うまでもありません.

 因みに本公演日:1977年7月14日はオーケストラ帯同日では無く,トリオ編成での公演です.

 メーカー情報では
 『1977年「Works」リリースに伴う北米ツアーより7月14日のプロビデンス公演を、極上レベルの超高音質オーディエンス録音で完全収録。
 話題騒然のダン・ランピンスキー録音テイクからのもので、これまで出回っていなかった奇跡的なレベルの超高音質盤です。
 ツアー前半、そしてニューヨークMSG3公演をオーケストラとの共演ツアーを敢行し、大きな話題を呼びましたが、本公演は従来の3人だけでの演奏です。
 既にオケ無しのライブは15公演以上こなしており、オーケストラに頼らずとも、壮大なスケールで聴き手を圧倒する、ソリッドで研ぎ澄まされたような超高品質なトリオ演奏でのパフォーマンスを最高音質で堪能することができます。
 本盤においても、ランピンスキーの録音の技術は群を抜いており、当時の録音テクニックからは考えられない程のクオリティでショウの全編を収録しています。普通に聴いていれば、放送音源と聴き間違えるような、信じ難いレベルのウルトラ・クリアーなサウンドで収録されており、70年代前半期の暴力的な演奏からクリーンにスケールアップした端正で高度なコントロールの効いた素晴らしいパフォーマンスを楽しむことができます。
 当時の最先鋭機ヤマハGX-1を駆使した独特の音色を駆使し、高品質なキーボード演奏を聴かせるエマーソンのプレイはどの曲も聴き応え満点。
 Hoedown, Tarkus、ピアノ協奏曲を組み込んだTake A Pebble, スリリングなTank, 壮絶な盛り上がりを最高音質で体感できるラストPiratesとFanfareと、全ての楽曲で深い音楽的満足感をたっぷりと味わえる名演の数々を堪能できます。
 テープチェンジのカットはKnife Edgeのエンディングとそれに続くPromenadeの冒頭、Piratesの9:06、Fanfareの冒頭の3箇所にあり、Piratesはスピーディに盛り上がる部分でここのパートの未収は残念です。演奏自体はノリにのっており、これとRondoを後半に組み込んだFanfareは本当に圧巻の演奏が楽しめます。
 ラストはエンディングSE入り。初期とは違ったもうひとつの音楽的ピークを感じさせるWorksツアーの最高音質版。今後、定番化間違いなしの、全てのELPファン必聴の決定盤が登場です。

 ★beatleg誌 vol.116(2010年3月号)のレビュー要約です。ご参考まで。
 Dan Lampinski音源から、遂にELPの音源が放出された。
 「Works Vol.1」ツアー後半のプロヴィデンス公演を完全収録した高音質のオーディエンス録音である。
 なお、プロヴィデンス公演は、これまで一切音源が流通していなかったため、今回のLampinski音源の登場が、ELPのライヴ史にもたらした功績は非常に高いと言える。
 さて、この「Works Vol.1」ツアーはオーケストラとの共演で話題となったが、7月9日のニューヨーク公演をもって共演はいったん終了し、8月末のフィルム撮影用にモントリオールで再共演するまでは3人でのツアーとなっている。
 彼等のピークだった1974年のライヴと比較して、精悍さが欠如しているのは、ハモンド主体だった楽器編成から、ヤマハのシンセサイザー「GX-1」を導入したこと、そして最も大きな要因は、オーヴァードライブさせていたハモンドを、歪みのないクリアな音色にしたことだろう。
 とは言え、公式ライヴ盤「Works Live」では聴けない「Rondo」における観客の狂乱は、「オーディエンス録音」ならではの迫力だ。』

Fanfare For Providence 1977 (Amity 156)
 
 Live At Civic Center,Providence,RI,USA 14th July 1977

  Disc 1
   1. Karn Evil 9 1st Impression (Part 2)
   2. Hoedown
   3. Tarkus
   4. Take a Pebble
   5. Piano Concerto No.1 1st Movement
   6. Still... You Turn Me On
   7. Knife Edge
   8. Pictures at an Exhibition
   9. C'est La Vie

  Disc 2
   1. Lucky Man
   2. Tank
   3. Drum Solo
   4. Nutrocker
   5. Pirates
   6. Fanfare For The Common Man (incl. Rondo)

 Still... You Turn Me On
 
 Pirates
 
 Fanfare For The Common Man (incl. Rondo)
 

[参考]
 Fanfare For The U.S.A. (Gift 4CDR)
 
 Legacy (Virtuoso 099/100)
 

 

Fanfare
Emerson Lake & Palmer Box



ELP四部作+3
(K2HD HQCD)



Works Volume 1



作品第2番+3
(紙ジャケット仕様)



Works Volume 2



ワークス・ライヴ
(K2HD HQCD)



Works Live





 Works Orchestral Tour 1977 Restored
 

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