1977年3月 『Works Volume 1 (四部作)』,および1977年11月 『<Works Volume 2 (作品第2番)』 リリースに伴い,1977年5月から1978年3月まで北米中心に行われたワークス・ツアーから,11月20日テネシー州メンフィスのミッド・サウス・コロシアム公演をサウンド・ボード収録,およびプロショット映像収録した 『Memphis 1977 Definitive Edition (Virtuoso 284/285)』が,Virtuosoレーベルからリリースされました.

 音源自体は,オフィシャル 『King Biscuit Flower Hour:Greatest Hits Live (キング・ビスケット・ライヴ)』 や 『Time & A Place Live,Box set(タイム・アンド・ア・プレイス)』 にも一部収録されているように,後期エマーソン・レイク・アンド・パーマーの定番音源であり,過去に 同Virtuosoレーベルからも,11月18日ウェストバージニア州ホイーリングのホイーリング・シビック・センター公演とのカップリングで 『Definitive Works Live 1977 (Virtuoso 191-194)』 としてリリースされています.

 今回は新たに発掘されたプロ・ショット映像とのカップリングであり,この日の決定盤で,サウンド・ボード収録なので,オフィシャル級であり,コアなコレクター以外でも楽しめます.
 セットリスト等もあまり変動がなく,演奏も変わり映えしないのは致し方無いところですが,ジャジーな導入部からの "Nut Rocker" や,少し早いテンポの "Rondo" を含んだ "Fanfare For The Common Man" 等,聴き所は充分あり.一公演全てを曲順の編集無しで聴く事ができる点は,オフィシャルとのアドヴァンテージでしょう.

 なお,このツアーは,当初は65人編成のオーケストラと帯同した大規模なツアーが企画され,かなり大規模な開場が選定されたものの,途中で「予算が無くなったので、途中からオーケストラが使えなくなってしまった」とキース・エマーソンが語っているように,途中から バンド 3人だけのコンサートに切り替わっており,本音源もオーケストラ帯同なしのものです.

 メーカー情報では
 『“WORKS TOUR 1977の最高峰”と名高いメンフィス公演が発掘プロショットと共に決定盤として蘇りました! 本作に収められているのは「1977年11月20日メンフィル公演」。かねてよりELP全史においても最高級とされるフル・サウンドボードが有名で、ウィーリング公演とのカップリング盤『DEFINITIVE WORKS LIVE 1977(Virtuoso 191-194)』も大ヒットいたしました。
 今回、そのメンフィス公演の秘蔵プロショットがまさかの発掘。ステレオ・サウンドボードのリマスター盤と共に登場する運びとなりました。

 【ディスク1・2:ステレオ・サウンドボード2CD】
 伝説的なメンフィス公演の総てを収めた本作は、豪華3枚組プレス。
 ディスク1・2には2枚組サウンドボード・アルバムを、ディスク3には新発掘のプロショットを配しています。
 まず、ディスク1・2ですが、これは2014年にリリースされ、新時代の超決定盤とも評された名盤『DEFINITIVE WORKS LIVE 1977』のディスク3・4と同じサウンドボード録音。もちろん、まったく同じものではなく、今回新たに大元からリマスタリング。『DEFINITIVE WORKS LIVE 1977』の時点で“頂点的な超・高音質”と謳われていた最高級サウンドボードだけに、いかな最新マスタリングと言えどもピュア・オーディオ的な優劣は付けられませんが、今回はより一層迫力のある現代的なサウンドを指向。実際、このメンフィス公演はオフィシャル盤『A TIME AND A PLACE』にも3曲「Pictures At An Exhibition」「Pirates」「Show Me The Way To Go Home」が採用されるほど公式ライクな収録だったわけですが、その全長版を目指したわけです。もちろん、大元マスターの自然さを損なわないギリギリの線で、オフィシャル作品のような迫力を実現しました。素晴らしき“原音のリアルな姿”という意味では『DEFINITIVE WORKS LIVE 1977』こそが頂点ですが、本作は日常的にオフィシャル作品と並べて楽しめるサウンドに仕上がっています。

 【ディスク3:プロショットDVD】
 さて、そんな頂点超えのサウンドボード・アルバムさえ霞む衝撃なのが、新発掘のプロショットを収めたディスク3。
 同じメンフィス公演を収めたプロショットで、1979年にBBCの名物番組「OLD GREY WHISTLE TEST」で放送された(ハズの)もの。「ハズ」と書いたのは理由がありまして、放送されたことはコアマニアの間では知られていたのですが、その映像がさっぱり出てこなかった。かろうじて「Watching Over You」の1曲だけがオフィシャル作品『BEYOND THE BEGINNING』に採用された(公式クレジットは「1978年」となっていますが、1977年の間違い。1978年にメンフィス公演はありません)ものの、番組の全容も分からなかったのです。それが今回、番組全体と思われる形で発掘された。しかも、これがエアチェックではなく、画面左上にタイムコードも刻まれる放送の元マスターなのです。
 そのクオリティは驚異的。さすがにジェネレーションは公式DVD『BEYOND THE BEGINNING』には及びませんが、経年劣化もノイズもなく発色も極めてビビッド。1977年の3人の姿が鮮やかに浮かび上がるのです。
 演奏シーンはもちろんマルチカメラのプロショットで、「Karn Evil 9: 1st Impression, Pt. 2」「Watching Over You」「Tiger In The Spotlight」「Show Me The Way To Go Home」の4曲を収録。さらにインタビューシーン、もあり、その合間には「Tank」「Drum Solo」も登場します。今までオフィシャルの「Watching Over You」しかなく、半ば都市伝説化していた番組が約21分にわたってしっかりと観れるのです。GX-1とハモンドで彩られながら走り抜く「Karn Evil 9: 1st Impression, Pt. 2」に、『WORKS ORCHESTRAL TOUR』でも観られなかった「Tiger In The Spotlight」や「Show Me The Way To Go Home」……これほど凄い映像が、まさか本当に残っていたとは。まさに歴史的な大発掘です!
 さらにディスク3には、ボーナスとして70年代後期のプロショットを2種追加収録しました。1つはドイツの名物番組「ROCK POP」に出演した際の3曲「Fanfare For The Common Man」「Tiger In A Spotlight」「Show Me The Way To Go Home」で、もう1つは「TOP OF THE POPS」の「All I Want Is You」です。いずれもすでにお馴染みの映像ですが、画質は「OLD GREY WHISTLE TEST」さえも凌駕するオフィシャル級。どの曲もマイムとは言え、まるで本番さながらに滑らかに舞うキース・エマーソンの指先には惚れ惚れする。特に凄いのは「Tiger In A Spotlight」。なんと本物の虎を囲んで演奏する演出なのですが、最初は大人しく寝ていた虎がキースのソロ辺りですっくと立ち上がり、グレッグ・レイクの足下へ。鎖に繋がれているので安全なのでしょうが、グレッグは明らかにビビッており、演奏中もチラチラと虎に目をやり、歌が終わるや後ずさりする。グレッグの気持ちも分かりますが、こんな無茶な演出にも70年代の空気が漂う傑作映像です。

 磨き上げられた大定番と奇跡の新発掘で綴る“WORKS TOUR 1977の最高峰ライヴ”。オフィシャル作品では一部しか触れられなかった真実を伝えるサウンドボードとプロショットを結集した3枚組。今ここに、堂々の完成です!』

Memphis 1977 Definitive Edition (Virtuoso 284/285)
 
 Live At Mid South Coliseum,Memphis,TN,USA 20th November 1977
 STEREO SOUNDBOARD RECORDING / /PRO-SHOT
 

 Disc 1
  1. Peter Gunn Theme
  2. Hoedown
  3. Tarkus
  4. Take A Pebble
  5. Piano Concerto No 1
  6. Maple Leaf Rag
  7. Take A Pebble (Reprise)
  8. C'est La Vie
  9. Lucky Man
  10. Pictures At An Exhibition
  TOTAL TIME (61:47)

 Disc 2
  1. Karn Evil 9
  2. Tiger In The Spotlight
  3. Watching Over You
  4. Tank
  5. Drums Solo
  6. Enemy God
  7. Nut Rocker
  8. Pirates
  9. Fanfare For The Common Man
  10. Rondo
  11. Show Me The Way To Go Home
  12. Finale
  TOTAL TIME (65:53)

 Hoedown
 
 Karn Evil 9
 
 Nut Rocker
 
 Pirates
 
 Rondo
 

 Disc 3 [DVD]
    [Old Grey Whistle Test 1979 (1977/11/20)]
  1. Introduction by Bob Harris
  2. Karn Evil 9
  3. Watching Over You
  4. Keith Emerson Interview
  5. Tank / Greg Lake Interview
  6. Drum Solo / Carl Palmer Interview
  7. Keith Emerson Interview
  8. Tiger In The Spotlight
  9. Show Me The Way To Go Home
    [Rock Pop]
  10. Fanfare For The Common Man
  11. Tiger In A Spotlight
  12. Show Me The Way To Go Home
    [Top Of The Pops]
  13. All I Want Is You
  TOTAL TIME (32:44)

 収録の録されている映像の一部
 

[参考]

 

 

 

 

 

 

 

 



 Definitive Works Live 1977 (Virtuoso 191-194)
 

[関連記事]
Fanfare For The U.S.A. (Gift 4CDR)
 
Detroit 1977 (Virtuoso 239/240)
 
Definitive Works Live 1977 (Virtuoso 191-194)