私たちを取り巻く自然と言うものは、実に理に適った動きをしているものです。なのに私たちはそれを無視して、ひどく反自然的に物事を考えてしまう癖があります。自然と言うのは、現実と置き換えることもできますね。つまり、現実を否定し、非現実的な思考にとらわれてしまうところから問題は発生するのです。
学校でうちの娘に何か起こるのではないか? と、一日中心配している母親。アイドルの事を空想して、仕事をおろそかにしているお父さん。もっと自分の顔が小さければ、恋人なんかすぐできるのに、と思っている大学生。このような人たちはみな非現実の世界に住んでいます。
現実には、床がほこりにまみれているかもしれません。こなさなければならない書類が山積みになっているかもしれません。読まなくてはならない参考書が散らかっているかもしれません。つまり、このような現実から目をそらしているのです。
現実を変えるための第一歩は、まずその現実をありのままに認識することです。「こうなったらいいなぁ」と願う必要はありません。現実はあなたがどう思おうが、ただそこにあるのです。
たとえそれが気持ちの良いものでなかったとしても、現実は現実です。正しい現実の認識からのみ、適切な行動が生まれてくるのです。
確かに思考の世界で、「こうなってほしい」と思うことはあります。そういう「夢」を見ることは精神衛生上も必要でしょう。しかし、その「夢」自体に直接未来を変える力はありません。現実や未来を変えていくのは、「空想」でも「夢」でもなく、「行動」しかないのです。
例え何千キロの旅でも、最初の一歩を踏み出さなければ始まらないのです。
『自分の目前に道が沢山に分かれている。しかも選ぶ基準がなければ、その道を一つ一つ試していくしかない。』
森田先生の言葉です。分かれ道に立ち、「この道はどこに行くのかな」と空想ばかりしていても、どこにも行けません。
一つの道を選択して、その道が到達するところまで歩いていくことを繰り返すしかありません。
道がどこに続くのか教えてくれるのは、地図でもカーナビでもありません。「歩く」と言う「行動」しかないのです。
参考・・・「悩みを活かす」、「建設的な生き方」