わたとか -4ページ目

わたとか

わたとか のブログ

学生時代からの友人に『絵柄も内容も多分好みだから読んでみろ』とおすすめされてその場で一気読みして… 帰ってすぐに買った漫画です。友人の読みの通り絵柄も内容もバッチリ僕の好みでした。

基本的なコマ割りはシンプルな4コマ漫画、内容はある日世界から主人公の女の子以外が消えて… ただ自分以外の存在の影もあって…? と、いうような一歩間違えたら内容が大惨事になりそうな物語の始まりですが(実際に読み始める前にこのあらすじを聞いて「アイアムレジェンド的な?」とか勘違いしてなかなか読まなかった)そんなありがちな話になりそうなネタで過度にいい話を押し付けたり絶望感を押し付けたりしない適度に突き放した視線で最後にちょっと希望があるような漫画です。

>あと施川ユウキ先生自身が自身のことを「画力が無い」とネタにされていますが表紙と対になってる内表紙や幅の広いギャグの展開、意外なコマ間の複線の張り方(長期連載作品なのに!)と、漫画作りが上手い!面白い!(と、少なくともこういう画風は僕の好きな画風なのでいわゆる上手いだけの無個性な凡百の絵になるよりは今の路線のままでいてほしいと思っています。)

この作品をきっかけに施川ユウキ先生を知ることができたので友人には感謝ですね。

そしてこの作品電子書籍版(KINDLE版)が出ているのですが、100円にも満たない価格差なので個人的には紙媒体版をお勧めします。その理由は終盤に絶対に読み返しをしたくなるコマがあるのですが電子書籍版だとパッとその読み返したいページに飛べないからです。初見時「え?使い捨てかと思ったあのコマ伏線だったの!?」となってパラパラと本をめくって目的のページにたどり着けないのが勿体ないので。作品によって電子化に向き不向きがあると思うのですが今作に関しては断然紙媒体で読むのをお勧めします。

オンノジ (ヤングチャンピオン・コミックス) (ヤングチャンピオンコミックス)


鬱ごはんも作中に出てきたホットケーキ焼ける時の描写に作者の才能を感じました。

鬱ごはん(1) (ヤングチャンピオン烈コミックス)
大学入学直後に本屋で見かけてくら☆りっさ先生を知るきっかけになった本です。定価819円が高いと感じるかもしれませんがこの本260ページと結構ボリュームがあります。この漫画に出会ったのがきっかけでくら☆りっさ先生やその周辺の漫画作家さんの本を読むためにコミックマーケットとかに通うようになりました。この前のクロとマルコもそうですが手の届く本棚に置いてます。

この漫画出てくるキャラクターの結構な割合が人間でなかったり絵柄や世界観が非常に僕好みです。作中の主人公3人組のうち普通の人間はミララという女の子だけで共に旅をするラパララ(ラパデラドラドララ)はイエティのような外見だしトテポは半人半鳥で手のりサイズだし、アイテムをくれるオロチョンさんは半人半蛇だし。そもそもこの作品でフックになった部分って途中から旅に参加するトテポという名前の半人半鳥の少年(表紙の右上に映ってるキャラクター)がえらくかわいいという点でした。

くら☆りっさ先生は最近別名義で成年向け漫画とか描かれてたり、全年齢向けの新作は主に同人誌だったりでやや入手難易度が高いのですが僕の大好きな漫画家さんです。いきなりコミックマーケットに足を運んだりがハードル高いなという方ミララとラパララあたりがくら☆りっさ先生の入り口におススメです。


ミララとラパララ (ミッシィコミックス)
学術的な三面写真や点描ではなく魅力的な被写体としての縄文時代の遺物の写真集のような本です。解説もあえて専門用語や詳細を省いて参考図書を勧めるという姿勢の割り切りにも好感が持てます。内容は縄文時代の遺物としてまず思いつく遮光器土偶はもちろんの事表紙の石偶や裏表紙のユーモラスな造形の人型土偶他さまざまな種類を載せてくれていますが見終わった後もっと見たいと思えるくらい縄文遺物への愛を感じます。以前から土偶には興味があっていろいろ資料を調べたりもしていましたが土器や石器も魅力的な遺物が多く初見のものもいくつかありましたし、見覚えのある土偶でもカラーで高精細の写真で見るとこんなところまで作りこまれていたのかという発見もあって楽しめます。

学校の日本史の教科書に載ってる縄文遺物というと土偶、釣針、矢じり、土器のさらに有名なものが少量だけですが当然それ以外にも魅力的な遺物がいくらでもあることを実感させられます。そりゃそうです、現代の遺物が1万年後に掘られたとしてたった数点の遺物で語りつくせるはずはありませんから。

本書でも語られていることですが縄文時代と呼ばれる時代は1万年以上の長さがありますので当然時代による造型の流行の変遷もあり造型師の腕の良しあしや類型の土偶でもディフォルメの趣味も結構個性があります。弥生時代に入ってしばらくも土偶が作られた時代があった(埴輪ではなく)とかサイズもいろいろあったとか精度は現代の作品に劣らないものもあると語り始めたら話題は尽きないのではないでしょうか。

一番お気に入りの話題は明らかに実用品ではない装飾過多の土器にも煮炊きに使用した痕跡があり実用に供されていたものだった、という記載でした。そのほかにもかなりの精度での造型や道具の加工や網や籠などの道具が遺物として残っていたり物流の証拠となるような装飾品が出土したりしているので縄文人は決して野蛮人ではなく文化や生活の余裕もある生活を送っていた文明人であったのは確かなようです。

縄文美術館


もっとこういう土偶の世界を楽しみたかったらこちら

土偶・コスモス


埴輪の世界はこちら

埴輪 (日本陶磁大系)

もっと知りたいはにわの世界―古代社会からのメッセージ (アート・ビギナーズ・コレクションプラス)
僕は土曜深夜にやっている夢★夢エンジンというラジオ番組が大好きで毎週聞いているのですがその2013年1月19日の回(こちらのバックナンバーで聞くことができます)のゲスト研究者の>武村 政春先生が書いて話題にしていた本です。妖怪大好きで落書きといえば一つ目小僧、生物学大好きで分子生物学専攻だったので当然読んでみました。

本書で話題にされている妖怪は 河童、付喪神、抜け首、ろくろ首、輪入道、のっぺらぼう、人面瘡 の7種類です。 妖怪やUMAを現役科学者に語ってもらうという感じの話は割と好きなのですが本書の場合著者さんがどうも本当に生物学者なのだか怪しいというか… それとも分子生物学者だと解剖学や妖怪に関する知識はそんなにないのかな? ところどころ妖怪の解説や生物学的知識の記述が怪しいところがあります。

付喪神のその発想おかしくないかとか河童ってそういうもんじゃなくない?…などという疑問もわきましたが一番違和感を感じたのはラジオの中でも語られている話題なのですがのっぺらぼうの食事がエンドサイトーシスなのではないかという説です。エンドサイトーシスのような食事は細胞でないと成立しない事ですし、まさかのっぺらぼうが単細胞生物というお話なのか…?そんなわけないですよね?

妖怪を科学する!(ナレッジエンタ読本21)

と、余談なのですが同じ先生がUMAネタで未確認生物学!という本も出されています。本書で話題にされているUMAはネッシー、モーケレンベンベ、イエティ、アルマス、ツチノコ、スカイフィッシュ、チュパカブラ。あと最後に人間は新たな生物を作れるかという話題もありました。この本も続けて読んで確信したのですがどうも事前リサーチというか自分の専門ジャンル以外に関してあまりリサーチをされていないのではないでしょうか。ネッシーに関して未知の哺乳類という説や首の長いアザラシ説を2008年に本にして出すのはちょっと恥ずかしいような気がします。今までのUMA関係の本で語られた話題ですし。

とにかくどのUMAに関しても先生の考察が薄い気がします。たまに分子生物学っぽい話題になると話の内容がちょっと濃くなるのは分子生物学者ゆえでしょうか。UMAの紹介本としてもUMAの検証本としても肩すかしの感が否めません。こういう本はUMAの肯定否定は別においておいて『まじめに』論じないと面白いつまらないに届く前に薄くなっちゃうと思うのですが。(それこそ1種類で1冊以上本が書けるくらいのUMA界のトップスターをこの薄さに7種類は紹介本にしては数が少なすぎだし、考察本としては少ない絶妙な数です。)

まぁ、スカイフィッシュの正体も小型の羽虫とモーションブラーのいたずらの生み出したカメラにしか映らない現象ということが分かった今あえて読んでみるわびさびは2014年の今に1999年人類滅亡説を読むわびさびに通じるかもしれませんので本屋で見かけたら供養のために読んでみたらわびさびを感じるかもしれません。

未確認生物学! (ナレッジエンタ読本13)


なぜかパシフィックリムの上映期間に被って『ロシアのパシフィックリム』みたいな宣伝の仕方で宣伝して映画館がガラガラだった映画です。映画の内容は全然パシフィックリムっぽい描写出てきません、というかロボットとかは全然主題じゃなくロシア軍全面協力で重い銃弾と軽い命が全面展開します。エンジェルウォーズ(サッカーパンチ)やパンズラビリンス的なロボットの出方といえばわかる人は分かってくれるのではないでしょうか。

電車男にかすりもしないナポレオンダイナマイトをバス男という邦題で売ったり、20世紀少年にかすりもしないイデオクラシーを26世紀青年の邦題で売るのに近いもったいなさを感じてしまいます。せっかく面白いのにクソ邦画のさらにパクリタイトルとか失礼すぎるし売り上げにも貢献しないし悪評もたつんじゃないでしょうか。そもそも主題というか言いたいことがほぼ逆といえなくもないイデオクラシー(26世紀青年の原題)を面白いと感じる層が20世紀少年を面白いとは感じないでしょうから。

なので今作オーガストウォーズも名作だと僕は思うのですがパシフィックリムを見に行くメンタルで見に行ったら「糞映画じゃねーか!」ってなって当然だと思います、当然DVDのパッケージを見て買った層も「詐欺じゃねーか!」という感想を持つと思います。戦争映画が大っ嫌いな僕は戦争映画と知っていたら見に行ってなかったと思うのである意味この宣伝方法のおかげで知れたわけなのですが。

で、肝心な本作の内容ですが北京オリンピックの頃おこった南オセチア紛争(グルジア紛争)が題材の映画です。思いっきり戦争映画です。同じ南オセチア紛争を描いた映画に5デイズという作品がありますが5デイズがいわゆるアメリカ側の作った南オセチア紛争の映画であるのに対してオーガストウォーズはロシア側の作った映画です、なのでずいぶんグルジアとロシアの描き方が違います。映画そのものの出来としては圧倒的に5デイズよりもオーガストウォーズのほうが良いと思いますが「ロシア側の視点」という点でアレルギー反応を起こす人はかなり多いと思います。

ここが戦争映画を僕が嫌いなところというか話題にしたくない理由でもあるんですが戦争をどっち側の視点で見るか、どっち側の視点で作られた映画なのか、どっちの肩を持つのか、お前の政治的な意見はどうなのか、お前の宗教的立場はどうなのかというのが邪魔をして感想を話すのもめんどくさい、作品の出来が良くても自分の根底にある思想が邪魔をしてどうしても褒められないなどという事がまま起こるのです。プロバガンダ的な要素や思想誘導の要素を一切排した映画とかは戦争映画の時点で難しいのです、それがついこの間おきた戦争ともなれば尚更です。


…ただ、ただそれでも僕にとってこの映画は大事な映画になってしまいました。映画館で複数回見たし、メディアも入手しました。映画を見た直後に勢いに任せてトゥギャッターでまとめたりもしました。とにかく2013年に見た映画の中ではトップの作品です。トゥギャった中でも言っていますがロシア版パシフィックリムを指さして笑うつもりで見に行ったら予期せず生涯ベストクラスの映画にぶち当たってしまいました。この映画の2回目を映画館に見にいくためにロシア語の勉強を始めて南オセチア戦争についてネットで調べる程度のエレルギーがある映画でした。

この映画を受け付けない人、知らない人が結構な数存在するのも理解できます。が、僕にとっては生涯ベストクラスの映画になりました。あえておススメはしませんが機会があれば見てみても良いのではないでしょうか。


オーガストウォーズ [Blu-ray]

オーガストウォーズ [DVD]
まずこの本ですが僕の読んだバージョンは昭和63年に発行されたもので同タイトルの本が同じ作者で3冊出ています。1998年版、1988年版 1985年版の3種類です。

僕は精神的に障碍を抱えていたり何か事件を起こしたりといった子供の描いた絵を興味本位でのぞきたかったというか、いやらしい話自分の描くイラストのヒントにでもしようかと思って読んだ本です。

肝心の本の内容ですが本を開いてまず事故で死んだ児童の絵が出てきます。そして絵を描いた数日後に死に、奇妙なことに事故で損傷した個所と絵に描かれた紫の部分がなんと一致…!そのほかにもこんな絵を描く子はこんな感じの子です(ただし証拠は提出されない

と、いう感じのトンデモ本でした。いかにも心理学的な内容を扱っているような本の装丁ですがどう見ても書いてある内容が科学的見地からのものでないというか… オカルトっぽい… ような…。 語り口は断定口調なのですが素人目に見てもどうにも眉唾物の内容といいますかはっきりと嘘くさい。冒頭の死んだ子の絵にしろファッション誌の模写っぽいというか女の子がバッグ持って立ってる絵にしか見えないんですが作者は自分の死を予見した絵と言い張ります。大丈夫かしらこの作者。

で、読み進めていくと作者には奇怪に映る絵だったり不安定に映る絵だったりするのでしょうけれどどう見ても失敗した部分を塗りつぶした絵を「不安定な精神が…」みたいな語り口で語っていたり塗りつぶそうと思ってはみ出したんじゃないかなという絵を「助けを求める子供の声が聞こえるようでしょう」といった語り口で一方的に語っていきます。どうもこの人答えありきで都合の絵を選んで自分の型に当てはめていっているような気がします。

そう、この論法どっかで見たことあると思ったら陰謀論の本やネットの陰謀論サイトなんです。自分の中で何かがひらめくとそれに都合のいい証拠ばっかり探して「やっぱり俺の思った通り世界は陰謀で動かされている」と自分でも信じ始めちゃう感じの語りです。そして厄介なのがこのタイプの人たちは自分の説に都合が悪かったり整合性を崩す資料は『例外』『陰謀論者の隠蔽工作』みたいに解釈してどんな証拠でも自説を強める材料にしちゃうんですよね。

本を読み終わった後僕は正直本の内容よりも作者さんの方がどういう人なのかの方に興味がわいてしまったので作者さんの名前をGoogleで検索してみました

google検索「浅利 篤」

どうも1999年に亡くなられているようですね。日本児童画研究会会長と色盲矯正教育会会長… 児童画研究は分かるんですが色盲矯正とはどういうことなのか。僕自身軽度の色弱で分からない色があるんですが式盲色弱の類は遺伝で治らないと聞いてました。なので日本児童画研究会と色盲矯正教育会もGoogleで検索してみました

google検索「日本児童画研究会」
google検索「色盲矯正教育会」

この2014年のご時世にホームページも所在地も出てきません。まともな組織なのでしょうか。よくある地方の名士気取りが一人でやってる系の「組織名っぽい個人の活動」なのではないかと思えてきます。
どっちにしろ「絵に描かれている内容でその子供が事故に巻き込まれて損傷する場所が分かる」という論は到底信じる気にはなれませんし先天的な色覚異常も「教育で治る」という話は現実的でないように思えます。むしろ精神論的というかオカルト的という表現がぴったりくるのではないでしょうか。


僕個人としてははやし浩司さんやアメノウズメ塾や飛鳥昭雄さんのトンデモ説を「わかっててあえて楽しみに行く層」にお勧めです。活字にされてたり動画にされてたりするものをすぐ信じちゃう人にはかなり危険な本ではないでしょうか。



原色子どもの絵診断事典 (描画心理学双書)
買ったのはもう5年くらい前の漫画だけれどもずーっと手の届く本棚に入れててちょくちょく読む作品。表題作「クロとマルコ」以外にも何本か読み切り作品が入っている。 友人にお勧めの漫画ないかと聞かれるとよく話題に出すのだけれど画風を見て拒否感を示されたり作者(掘骨砕三先生)の名前を言うと拒否感を示されたり… 

作者名で拒否感を示されるのは掘骨先生の描く漫画がほとんど成人指定かつ内容に奇形やら虫やらとにかく異形が出てくるのでその印象が強いのかもしれません(僕自身一部の排泄物ネタとかきついと感じることもあるので理解できます)。ただ、掘骨先生の描く男も女も人間も動物も幻獣もなにもかもごった煮になってなおかつ愛にあふれてる世界観は僕の大好きな世界観なのです。漫画を描く能力としては天と地ほども差があるけれど見てる世界は近いんじゃないかなと思ったりもします。

で、このクロとマルコは成年向けではなく一般向けの雑誌で連載されていた作品のため極端な異形表現や人によっては極端な嫌悪感を抱きがちなネタは控えめなので掘骨先生の漫画の入門用にどうかなと思います。おススメです。


クロとマルコ (ヤングチャンピオン烈コミックス)