法隆寺伽藍は本当に美しいか? | 民営文化センター

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民営の文化センターを開設するのが夢。このブログを書いているうちに何かヒントが掴めると思ってやっています。不器用で華やかさに欠ける画面ですが、少しでも世の為人の為になればとwrite everything forever

 

 

 「BRUTUS」2月1日号 「建築を楽しむ教科書

伝統建築編」を書店で見て驚きました。

 

 “ここまでやるか ! ”ですね。

 

 法隆寺に関してコメントする藤森照信氏は伽藍のプロポーションの良さ、その独自の美意識を強調しているのですが“伽藍が醜悪な造形である”と述べる多摩美術大出身の故原田治氏と同様の意見の人は他にも居ます。

 

 各自意見が異なることをひとまず認めたとしても、本誌では伽藍を南側から見たスケッチを改竄した上「美しい」旨述べているのは問題だと思うのです。

 

 平面配置図では中門と五重塔、金堂と五重塔がともに南側から見るとオーバーラップしている部分があるのですが、

 

 見取り図では意図的に中門を縮小して描き、全体の印象が良くなるように書き換えられています。

 

 

 米田良三氏の 『法隆寺は移築された』 に見るように、五重塔、金堂、中門が重なり合って“気分が悪くなるような醜悪な景色”が本当の姿なのです。

 

 フェイク・ニュースに気をとられているうちに、他の分野でもフェイクがはびこりだしたようです。

 

 法隆寺が移築される前の美しい姿を知らない人は現在の姿に満足しているのでしょう。『続 法隆寺は移築されたYONEDA’S 建築士学入門』を読んだほうが“ためになる”と保証します。

 

 藤森氏は以下のように言いますが、“最古の木造建築は法隆寺ではなく大和長谷寺の大悲閣”なのです。国民的レベルでの謎解きはこれから始まります。