中国を中心とする東アジアとその周辺の主要な地形で,大学受験の世界史を学ぶうえで特に重要なものを取り上げます。
下に挙げたものは,ぜひ名前と地図上の位置を覚えてみてください。(今回の地図は広いうえに地形も多いので,描くのにずいぶん苦労しました(笑))
河川
黄河
青海地方を水源とし,華北などを流れて,渤海に注ぐ川。中国第2の長さの河川。
流域は中国文明の発祥の地で,政治・文化の中心となった。
重要な支流として渭水がある。
長江
チベット高原北東部を水源として,四川や江南を経て,東シナ海に注ぐ川。中国最長の河川。
中・下流域は江南と呼ばれ,中国の経済の中心になっていった。
淮河(ホワイ川)
黄河と長江の間を流れ,黄海に注ぐ川。
秦嶺山脈とともに,華北と江南,畑作地域と稲作地域を分ける境界線となっている。
遼河(リヤオ川)
中国の河北省や内モンゴル自治区を水源とし,遼寧省を流れて渤海北部へと注ぐ川。
紀元前6000年頃から黄河文明や長江文明とは別に遼河文明が生まれたとされている。
また契丹人が建国した契丹の発祥の地で,彼らが国号として使用した「遼」の由来にもなった。
黒竜江(アムール川)
中国とロシアの間を流れ,間宮海峡に注ぐ川。
19世紀後半のアイグン条約以降,中国とロシアの国境となっている。
重要な支流として,アルグン川やウスリー江がある。
山脈
秦嶺山脈(チンリン山脈)
中国中部,甘粛省と陝西省の南部を東西に走る山脈。
淮河とともに華北と江南,畑作地域と稲作地域を分ける境界となっている。
外興安嶺(スタノヴォイ山脈)
ロシアのシベリア東南部で,東西に走る山脈。
1689年の清とロシアの間のネルチンスク条約で両国の国境とされた。
大興安嶺
中国東北部,内モンゴルと満州の間を,南北に走る山脈。
モンゴル高原と満州を区分している。
天山山脈(テンシャン山脈)
パミール高原の北から北東にかけて走り,新疆の中央部を横断する山脈。
北の草原地帯と南の乾燥地帯の境界となる。
崑崙山脈(クンルン山脈)
パミール高原から東に走る山脈。
タリム盆地とチベット高原を分けている。
高原・盆地
モンゴル高原
アルタイ山脈と大興安嶺の間の草原地帯。
タリム盆地
天山山脈と崑崙山脈にはさまれた盆地。
チベット高原
崑崙山脈とヒマラヤ山脈にかこまれた高原。
海洋
渤海
中国の北東部,山東半島・遼東半島に囲まれた海域。
黄海
中国本土と朝鮮半島の間にあたる海。
東シナ海
中国・韓国・日本・台湾の間に位置する海。
南シナ海
中国南岸・台湾・フィリピン・ベトナムの間に位置する海。