先ごろ開催された第96回アカデミー賞において「ゴジラ-1.0」が視覚効果賞を受賞しました。日本並びにアジア映画初の快挙です。山崎監督は、用意していた英語のスピーチを読み上げ「40年以上前に”スターウォーズ”と”未知との遭遇”を見たショックからキャリアをスタートさせた私にとって、この場所は望む事すら想像しなかった場所でした。強大なライバルたちの前でリングに立たせてもらえた事はすでに奇跡でした。しかし、しかし私たちは今ここに居ます!!」と喜びを爆発させていました。視覚効果賞は、その年の最も優れた視覚効果(VFX)を使った映画に与えられる賞です。古くは「スターウォーズ」「スーパーマン」「エイリアン」そして「タイタニック」「アバター」などが受賞しており、アメリカの独断場の感がありました。そんな中で「ゴジラ-1.0」の受賞はまさに快挙といってもいいでしょう。海外でのゴジラの認知度の高さもありますが、他の候補作と比較して1/10以下の低予算で作られていることと、少ないスタッフであのクオリティーを出したところが評価されたようです。実際に「アバター」には1.000人くらいのスタッフに対し「ゴジラ-1.0」は30人程度のスタッフだったと聞きます。いすれにしても素晴らしいですね。アメリカ本土でも全米一の興行収入を記録し、記録づくめで快進撃を続けています。ハリウッド版「GODZILLA」もいいですが、ゴジラはやはり日本版がいいですね

 

~映画を支える脇役たち~PART4

 

映画と言えば、その作品の主役ばかりが注目されがちですが、そんな主役を際立たせてくれるのが脇役たちです。脇役のおかげで映画はより面白くなると言っても過言ではありません。そこでこのコーナーでは数々の名作、傑作を支えた脇役にスポットライトを当ててみました

 

▲アラン・リックマン~ヘレナ・ボナム=カーター~ジョン・カザール

▲リー・J・コップ~セルマ・リッター~マイケル・ビーン

▲サミュエル・L・ジャクソン~ウィレム・デフォー~デヴィッド・モース

 

第4回目はこの3人!

 

 ショーン・ビーン

/1959年~

イングランドノヨークシャー州の生まれ。「パトリオット・ゲーム」「RONIN」「トロイ」「ナショナル・トレジャー」「ロード・オブ・ザ・リング」「フライトプラン」など数々の映画に出演しています。個人的には大好きなのですが、悪役としての印象が強く、以前米サイトが選出した”よく死ぬ映画俳優”の1位に選出されています。ちなみに2位はジョン・ハート、3位はゲイリー・オールドマンでした。この選出には明確な選出基準があるわけではなく、死んだ役の回数と印象度だそうです。回数だけならジョン・ハートの方がダントツだったようで、そういえば「エイリアン」の彼の死に様はすごかったですね

 

ショーン・ビーンは多くの映画に脇役として出演していますが、個人的には若い頃の作品で、弟の仇として執拗にジャック・ライアンをつけ狙うテロリストの役の「パトリオット・ゲーム」が印象に残ってます。やっぱり最後は殺されてしまいました。鋭い眼光のワイルド系の美男でファンの方も多いと思います。そういえば”銀の三角”さんの推しのひとりでもありましたね。美声としても知られ、本国ではテレビやラジオでナレーターをよく務めているそうです

 

▲「パトリオット・ゲーム」

▲「ナショナル・トレジャー」

 

 グレン・クローズ

/1947年~

舞台女優として活躍している中、82年に35才で「カープの世界」で映画デビュー。その後、ロバート・レッドフォードの「ナチュラル」、マイケル・ダグラスの「危険な情事」さらに「運命の逆転」「エアフォースワン」「マーズ・アタック」など数多くの映画に出演しています。アカデミー賞ノミネート8回、エミー賞3回、トニー賞3回受賞の演技派女優として知られています。ディズニーの「101」でのクルエラ役や「危険な情事」のアレックス役での怪演も話題になりました。「天才作家の妻40年目の真実」「アルバート氏の人生」などの主演作品も素晴らしく何でもこなせる女優さんです。現在76才、まだまだ元気な姿をスクリーンで見たいです

 

▲「白と黒のナイフ」

▲「101」

 

▲若き天才野球青年が十数年ぶりにメジャーに挑戦していく物語。ファッションも見ものです!

▲なんといってもグレン・クローズに尽きます!マイケル・ダグラス主演のサイコホラー!

 

 リチャード・クレンナ

/1926~2003

テレビで大活躍したあと映画界デビュー。オードリー・ヘプバーン主演のサスペンスの傑作「暗くなるまで待って」を始め「砲艦サンパブロ」「宇宙からの脱出」、さらにアラン・ドロンとの「リスボン特急」ユリ・ブリンナーとの「マーベリックの黄金」などに出演しています。知的な悪役のイメージが強いようですが、個人的には脇役というより準主役というイメージが強いですですね。「ランボー」シリーズのトラウトマン大佐がカッコよかったです。彼が映画の中でよく着ていたのは米軍仕様のトレンチコートで、これは「ターミネーター」でカイル・リース(マイケル・ビーン)がタイムスリップしてきてスーパーから盗んでしばらく着ていたのと同じモデルです。彼が出演した映画では、アラン・ドロンと対峙した「リスボン特急」も好きですが、詐欺師なのにワルになりきれない「暗くなるまで待って」が印象深いですね。若い頃のリチャード・クレンナは驚くほどの美男子で、晩年は寡黙なダンディでした。以前この企画のコメントでマドモワゼル姐さんのリクエストのひとりでもあります。2003年77才で亡くなっています

 

▲「暗くなるまで待って」

▲「ランボー」シリーズのトラウトマン大佐

 

▲アラン・ドロン、リチャード・クレンナ、カトリーヌ・ドヌーヴの豪華共演。メルヴィルブルーが素晴らしい!

▲盲目役のヘプバーンの体当たり演技が見もののサスペンス映画!

 

映画において主役に目がいくのは当たり前ですが、こうしてみると実に多く脇役のおかげで映画が成り立っているのがわかります。よく見る馴染みの脇役さん、名前は知らないけど妙に印象に残っている脇役さんなどちょっと気に掛けるだけで新しい映画の発見があります

 

このコーナーはもちろん継続予定ですが、みなさんのおススメの脇役俳優さんは誰でしょう?また掲載リクエストなどがあれば是非どうぞ!