数多の美人女優の中から数十人だけ選ぶという困難さは予想以上に大変なことでした。はっきり言ってキリがありません。したがって、なるべく多くの美人女優を挙げたつもりではありますが、「今、私が思い出す中で」という注釈をつけさせていただきます。これを機会に出演作を観ていただけたなら幸いです

 

「ワンダの選ぶ史上最も美しい女優ベスト30」のいよいよラストのベスト10の発表です!

 

<第10位>

マレーネ・ディートリヒ(ドイツ)

/1901年生まれ

1920年代~50年代までドイツ、ハリウッドの代表的な女優さんです。ドイツのトーキー映画出身でゲイリー・クーパーの「モロッコ」(30)でハリウッド進出を果たします。当時人気絶頂のグレタ・ガルボに対抗して売り出され「上海特急」(32)「砂塵」(39)などで瞬く間にスターの階段を駆け上がりました。58年に50代半ばで出演した「情婦」でもその美しさは健在でした。「美人女優投票」では内田也子さん、jimmy35さん、ワンダの3人のみランクインでわずか3点で遠く圏外という残念な結果でした。名前そのものを知らない、映画を観たことがないという人が多いのでしょうね。余談ですが、亡くなったオヤジがかなりの洋画通で、なかでも「べっぴんさん」(美人女優)が大好きで「美人っていうのはまず欠点がないことだな、それから長所に目が行く。普通の女性っていうのはまず長所に目が行く、その違いだな」と熱弁しておりました。生前、そのオヤジが美人女優の筆頭に挙げたのがマレーネ・ディートリヒ(オヤジはデートリッヒと呼んでおりました)でした。ただ、親父とこの話しをしたのは40年くらい前ですからその後の美人女優を見たらどう思ったでしょう(笑)。彼女の若い頃の映画は3本しか観ておりませんが確かに美しい!オヤジにも敬意を表してベスト10入りです。ただし、この順位を知ったらオヤジは憤慨したでしょうね(笑)

 

 

<第9位>

オードリー・ヘプバーン(イギリス)

/1929年生まれ

今もなお多くの女性の憧れの的になっているオードリー・ヘプバーン。初主演映画「ローマの休日」(53)で一躍トップスターになり、今でも数多くのファンを持つ20世紀を代表する女優のひとりです。当初「ローマの休日」はエリザベス・テイラーなど多くの有名女優が候補になっていましたが、彼女のカメラテストを見た監督のウイリアム・ワイラーが「彼女こそ、アン王女だ!」と言って決まったといわれています。「麗しのサブリナ」(54)「昼下りの情事」(57)「ティファニーで朝食を」(61)「暗くなるまで待って」(67)などヒット作も多数。ヘプバーンの映像は今もなお世界中で広告媒体として使われています。彼女の美しさは長きにわたる良き理解者でデザイナーのジバンシーの衣装によってさらに磨きがかかった印象です。彼女が生涯で一番の美人にはエリザベス・テイラーを挙げており、自身についても「自分を綺麗だとは思っていない。鼻筋は曲がっているしエラが張りすぎてる」とコンプレックスがあったことを語っています。彼女は美しいには違いありませんが、むしろキュートで映画の中での仕草や表情は飛びぬけていると思います。美人という判断基準によって個々で違ってくるでしょうね。先の「美人女優投票」では堂々の1位。すべての年代でも上位にランクされている納得の美人ですが、逆に半数以上の人がベスト10すら入れておりません。個人的には”魅力的な女優”さらに”好きな女優”では文句なくナンバーワンです。しかもぶっちぎりのナンバーワンで、これは多分永遠に変らないでしょう。拙ブログの中でも「オードリー・ヘプバーン特集」として過去8本の主演映画をレビューしています

 

 

<第8位>

ヴィヴィアン・リー(イギリス)

/1913年生まれ

「風と共に去りぬ」(39)のスカーレット・オハラで名を馳せた名女優。「哀愁」(40)「美女ありき」(41)「欲望という名の電車」(51)「シーザーとクレオパトラ」(45)など多数出演し、演じることのできる美人女優で「風と共に去りぬ」「欲望という名の電車」で2度アカデミー主演女優賞を獲得しています。拙ブログの「美人女優列伝」の第一回目に取り上げた女優さんです。劇作家ガーソン・ケニンが彼女を評して「あまりにも美しい女性は女優として大成することは難しい。彼女はごく稀な例だ」と語っているほどで「絶世の美女」の名をほしいままにしています。表面的な美しさと言うより、身体の中から燃え上がるような美貌はただただため息しかでません。「美人女優投票」では堂々の第4位。個人的な予想ではベスト10には入らないだろうと思っていましたが「風と共に去りぬ」の印象のせいでしょうか。強い女のイメージですが「哀愁」の彼女の儚げな美しさも忘れられません

 

<第7位>

シャーリーズ・セロン(南アフリカ)

/1975年生まれ

フランス系の父親とドイツ系の母親を持ち、フランスやイタリアでモデルとして活躍したのちに女優になっています。「ミニミニ大作戦」(03)「モンスター」(03)「ハンコック」(08)「スノーホワイト」(12)「アトミック・ブロンド」(17)そして圧巻の「マッドマックス・怒りのデス・ロード」(15)など多数出演。ドラマ、サスペンス、アクションのなんでもこなす演技派女優です。華々しいキャリアと気品ある美しさは、今世紀でトップクラスの女優さんではないでしょうか。そして、40代になっても抜群のプロポーションと美貌は衰えることを知りません。「ワイルドスピード」シリーズ、「スノーホワイト」で見せた冷たい美しさはまだまだ健在です。「美人女優投票」でも総合で8位、10代~20代では3位に支持されました。納得の順位です!

 

<第6位>

マリサ・ベレンソン(アメリカ)

/1947年生まれ

「ベニスに死す」(71)ライザ・ミネリの「キャバレー」(72)にも出演していますが、何と言ってもスタンリー・キューブリックの「バリー・リンドン」(75)ではないでしょうか。あの完璧主義のキューブリック監督が彼女について「あの気品と美しさには文句の付けようがない」と絶賛したと言われています。この映画の彼女は、まるで油絵から抜け出したような高貴な美しさに目を奪われます。その後の映画にはあまり恵まれなかった印象ですが、70年代を駆け抜けた伝説の美貌で「70年代のグレタ・ガルボ」と称賛されました。ちなみに、妹も女優さんでしたが2001年のアメリカ同時多発テロでビルに突っ込んだ航空機に乗っており死亡しています。「美人女優投票」では番外にも入っておりませんがネームバリューの低さでしょうか。その中で本間早急さんがぶっちぎりの1位と語っていたのがこのマリア・ベレンソン。正直言って投票する人はいないだろうと思っておりましたので嬉しかったですね

 

<第5位>

イングリット・バーグマン(スウェーデン)

/1915年生まれ

40年代~50年代の世界的なトップ女優。「ジキル博士とハイド氏」(41)「カサブランカ」(42)「ガス燈」(44)「白い恐怖」(45)「追想」(56)など代表作だけでも多数あり、アカデミー賞ノミネート7回、受賞3回という美しさと演技力を兼ね添えた女優です。やはり世紀のラブロマンス映画「カサブランカ」でしょうか。ナチュラルビューティーと言われる通り透き通るような美しさは感嘆しかありません。個人的には「白い恐怖」で眼鏡を取るシーンがベストショット。同じ系統のクールビューティーでグレース・ケリーとの比較で若干順位は落としましたが好みの問題ですね(笑)恋多き女優としても有名で、それが「永遠の美女」と言われた美しさの根源だった気がします。皆さんの「美人女優投票」では納得の3位でした

 

 

<第4位>

イザベル・アジャーニ(フランス)

/1955生まれ

フランスを代表するトップ女優のひとり。20才の時の「アデルの恋の物語」(75)で一躍トップ女優となり「ザ・ドライバー」(78)「ポゼッション」(81)などに出演。フランスにおける最も権威ある映画賞のセザール賞を最多の5度受賞しています。知らない人も多いかもしれませんが70年代~80年代にかけて忘れてはならない美人女優です。高校生の時に名画座で観た「アデルの恋の物語」の強烈な印象はいまでも忘れられません。若い頃の可愛さの中にある芯の強さと、30代~40代の妖しい美しさは言いかたが悪いですが男を狂わせる破壊型の美女と言う気がします。まさに年代と共に美しさが変化していく女優さんです。一枚の写真ではなかなか理解しにくい美しさで、いくつか映画を観ていただきたいです。「美人女優投票」ではわずか5票(ワンダは当然入れております)と人気がなかったのが残念です。大好きな女優さんのひとりでいつか必ずレビューします

 

<第3位>

グレースケリー(アメリカ)

/1929生まれ

同世代に活躍したセクシーさを売りにしたマリリン・モンローとは対照的な容姿が「クールビューティ」と称賛された伝説の女優です。「モガンボ」(53)ヒッチコックの「ダイヤルMを廻せ」(54)「裏窓」「泥棒成金」(55)そして「喝采」(54)でアカデミー主演女優賞を獲得しています。わずか5年余りの女優生活の人気絶頂の最中、モナコ大公と結婚し引退し、その後82年に交通事故死しています。エルメスの鞄ケリーバッグは彼女の名前から付けられたことは有名です(以前ブログに書いています)。わずか26才で女優引退ですが、その美しさは気品に満ち溢れたの追従を許しません。モノクロ、カラーの両方の映画がありますが特にモノクロでの美しさは際立っています。「美人女優投票」ではオードリー・ヘプバーンについで第2位、50代以上では堂々1位でした

 

 

<第2位>

グレタ・ガルボ(スウェーデン)

/1905年生まれ

20年代のトーキーからのスターで、映画の中で「ガルボが笑った」というだけで大ニュースになり、私生活はほとんど知られていないベールに包まれた美人女優です。「肉体の悪魔」(26)を筆頭に「グランド・ホテル」(32)「マタ・ハリ」(31)「ニノチカ」などヒット作も多数。人気絶頂の41年になんと36才の若さで引退しています。詩人ジャン・コクトーが「ガルボこそエレガントの美のきわみ」と絶賛したほどで、神秘的かつ妖艶さは比類なき存在でした。美人であることはもちろん、プラスアルファという点では特出しているのではないでしょうか。先の「美人女優投票」ではなんと12位で絶句です(笑)。個人的に1位のエリザベス・テイラーの差はほとんどありませんが、しいて言うなら好みと映画を見た本数でしょうか

 

 

▲「陽のあたる場所」のエリザベス・レイラー

<第1位>

エリザベス・テイラー

/1932生まれ

子役時代からのスターで1940年代から80年代まで活躍した超人気女優で。黄金期のハリウッドの最後のスターと言われており「花嫁の父」(50)「陽のあたる場所」(51)「クレオパトラ」(63)「熱いトタン屋根の猫」(58)「ジャイアンツ」(56)など多数主演のスーパースター。2度アカデミー主演女優賞を獲得しています。50年代の彼女の美しさは別格で、あのオードリー・ヘプバーンをして「私の生涯で会った一番美しい人」と語っているほどです。世紀の美女と言われたクレオパトラを演じた数少ない女優で、晩年も美しいですが50年代の彼女は、美人女優の多かったハリウッドの中でも別次元の美しさです。好きな女優さんのひとりで別コーナー「美人女優列伝」では、ヴィヴィアン・リーに次いで2人目に取り上げており、何本かの主演映画のレビューもしております。先の「美人女優投票」では残念ながら5位でしたが、個人的にはダントツの第1位でご存じの方は納得ではないでしょうか。もしまだ映画をみていない方はせめて上記の5本は見て欲しいですね。「美人女優投票」では総合5位、50代以上で4位、30代~40代で3位でした

 

 

 

 

「あなたが選ぶ史上最も美しい女優は?」の皆さんからの投票結果を2回、「ワンダが選ぶ史上最も美しい女優」で3回、合計5回にわたってレビューした「美人女優特集」も今回で終了します。ありがとうございました!