犬にとっては本来楽しくてしようがないはずの散歩。

それなのに、なぜか急に立ち止まって動かなくなることがあります。

例えば、その場所付近で飼われている犬に以前ひどく吠えられた

ことがあるとか、犬嫌いの人の住む家の前で、何もせずただ歩いて

いるだけなのに怒られた経験があったとか。

また、クルマとぶつかりそうになった交差点へは向かわないことも。


立ち止まる理由に思い当たるときは、優しくなだめてあげないと、

後ずさりして首輪を抜こうとしたりします。

このとき、飼い主は犬を体の左側につけて、首を抱えるようにすると、

たいていの犬は落ち着きを取り戻し、歩きだします。

このように、自分や飼い主が不快な思いをした経験があると、その場所に

近寄るのを嫌がる賢い犬がいます。

ただし、そんな理由もなく立ち止まるのは、単に犬のわがままです。

「そっちに行きたくない、こっちの方がいいよ」といった気まぐれも

起こすのが犬なのです。


そんなときは、「イケナイ」とはっきり叱って、無理にでも歩かせます。

強くリードを引いて犬を体の左側につけさせ、普段の散歩の基本姿勢を

とらせれば、わがままを諦めて歩きだすはずです。


犬の散歩でごく当たり前に見かける光景が、リードを引っ張って犬が先を行き、

人間が後ろから歩く姿。

しかし、これでは、まるで犬に引かれて人間が散歩させられているようなもの。

犬の散歩 は、人間が先導して、犬がそれに従う形が理想で、

飼い主より前に出て歩いてはいけないというしつけが欠かせません。

人間がボスで、序列は犬より上にあるということを、歩きながらリードで伝えて

いかなければなりません。


散歩の基本姿勢は、犬が飼い主の左側を歩き、首輪につながるリードは

右手で握り、犬に近い側を左手で軽くつかんでおくのがポイントです。

犬を左側につけて歩いていて、飼い主より前に出ようとしたら、左手のリードを

引いて後ろに下がらせます。「アトへ」と号令をかけ、飼い主より後ろに下がったら

「ヨシヨシ」とほめてあげましょう。


また、犬が先に立って歩こうとしたら、急に回れ右をして反対の方向に

歩き始め、犬の意思のままには進めないことを教え込みます。

犬が根負けするまで、何度でも方向転換を繰り返しましょう。

最初から道路での散歩でしつけるのではなく、子犬が生後6か月くらいに

なってから、公園や広場などで訓練するのがいいですね。



太陽を浴びたり、吹き抜ける風に乗ってくるさまざまなニオイを嗅いだり・・・。

また、電柱や植え込みにかけられた他の犬のオシッコから犬同士だけに分かる

情報を仕入れられる散歩は、犬の大好きなことのひとつです。

いつも決まった時間に散歩に出る習慣があると、飼い主が立ち上がっただけでも、

散歩の時間だと喜んで玄関に向かったりするようになります。

ときには、いつもの時間がきても散歩に連れ出してもらえる気配がないと、吠えて

催促することもあります。これはちゃんと時間が分かっている、賢い行動のように

思いがちですが、実は飼い主と犬の関係から考えると、決していいことではありません。

というのは、散歩に出ることの主導権を犬に移ってしまっていて「早く連れて行け」と

催促されていることになるからです。ですから、犬が吠えたからと、それに従っていると、

少しでも早く散歩に出たい犬は、次第に時間を早めて吠えるようになります。

たとえいつもの時間であっても、犬から催促されたときは「イケナイ」と注意を与える

だけで無視しましょう。それでも吠え続けるようなら、丸めた新聞紙で床を叩くとか、

ペットボトルを投げるなどで大きな音を立てて叱ります。その後、30分くらい待たせてから

散歩に連れていくようにしましゅ。常に飼い主主導の生活を送ることが大切です。


「ツケ」は、歩くときに飼い主に寄り添うようにするしつけです。

散歩をするとき、犬ははしゃいで勝手な方向に方向に歩いて行こうとするが、

「ツケ」を覚えさせることで、飼い主の動きに注意した歩きかたをさせることができる。

犬と一緒に歩いてときに、名前を呼んで「ツケ」と声をかけ、リードを引いて

犬を飼い主の脇に寄せる。

犬が勝手な方向へ歩き出すなど、犬が飼い主に注意を払わずに動いた場合、

反対方向にリードを強く引くなどして、飼い主に注目しないと歩きにくいことを

教えます。こうして常に飼い主の脇につくことを徹底させるのです。

ちゃんと脇につけたら、もちろんほめてやろう。

しかし。好奇心旺盛な犬にとって散歩は楽しくてしかたのないものです。

「ツケ」を覚えさせるには、短い練習ながらも根気が必要なことを覚悟しておこう。

特に、子犬の場合は、ツケの練習をしても遊んでもらっていると勘違いして

はしゃいでしまったりするので、しつけが困難です。そんな子犬はいま練習

させても効果は期待できません。落ち着く月齢になってから、じっくり練習する

ようにしたい。散歩中、まわりに他の犬やネコ、鳥が現れるなど、犬が興奮する

状況になっても、ちゃんと落ち着いて、「ツケ」をして飼い主に注目できるように

なれば合格です。

動物病院に連れて行ったり、一緒に遠くまでお出かけするため、

車に乗れる犬に育てておきたいものです。

先ずは、子犬を車に慣れさせることから始めましょう。

止まっている車に一緒に乗ったら、遊んであげたり、フードをやって、

車に乗ることは楽しいことなんだと覚えさせます。

車に慣れるまでは、エンジンはかけないでおきます。

どんなに行儀のいい犬でも、助手席に乗せるのはとても危険です。

突然、思わぬ動きをして、運転の妨げになることがあるのです。

車に乗せるときは、後部座席でケージかクレートに入れるのが

犬と飼い主の安全のためです。

これは子供をチャイルドシートに座らせるようなものだと思ってください。

また、犬は車の中で吐いたり粗相をすることもありますが、叱ってはいけません。

後始末のために、古タオルや新聞紙を用意しておきましょう。

換気をまめにし、適宜休憩をとることで犬もリラックスできますし、

車酔いや粗相を防ぐ効果もあります。

犬のしつけ