「人(社員)を大切にする経営」
のお手伝いをする、
未来会計・経営計画コンサルタント&
税理士の米森です。
最初に、当事務所では、
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昨日、3年ぶり?かの
「決算法人説明会」の講師をしてきました。
新型コロナの影響で、昨年も担当が決まっていましたが
急遽取り止めになる などが続き
本当に久しぶりでしたので 緊張した~~~
一応、抗体検査もしてから望みました
私の分担は
「会社の決算と申告の実務」として
基礎的な考えと注意点の話です
この続きは、ブログの最後で紹介しますね
さて先日、
「報酬・料金等」の質問を受けました
質問・回答内容は
以前にもブログで紹介した内容ですが
改めて紹介します。
(少し加工しています)
質問
当社では、
ウクライナの支援に繋げるため、
ヨーロッパとロシア、周辺地域の歴史に関して
講演会を主催することにしました。
講演は、著名な専門家の方に依頼しましたが
「ウクライナ支援」ということで
交通費相当額
(当社の旅費規程に基づき3万円)で
講演を引き受けてくださいました。
当日、講師の方にお渡しいたします。
なお、社内では
「旅費規程による交通費相当額であるから
非課税になる」という意見と
「5万円以下のため課税ではあるが
源泉徴収は必要ない」という意見があります。
この交通費相当額は、
源泉徴収の対象となるのでしょうか
回答
講演の報酬として
10.21%の源泉徴収が必要となります。
解説
【旅費交通費の非課税】
旅費交通費が非課税となるのは
給与所得者等にかかる非課税の取扱いとなります。
今回の質問では、会社の旅費規程に基づいた
交通費相当であったとしても
外部の方への報酬として支払うものになりますので
当該報酬は、その講師の方の「収入」となり、
実際にかかった交通費
は、
その講師の方の「必要経費」になります。
源泉徴収の対象となっている
「報酬・料金等」の支払いをする場合
その名目が、謝礼、車賃
、酒肴代
等の
名義であったとしても
源泉徴収を行わなければなりません。
ただし、報酬の支払者が、
公共交通機関やホテルなどの宿泊先に
その代金を直接支払った場合等は
「源泉徴収の対象としなくともよい」とされています。
今回のご質問の場合は、
講師の方に「交通費」を直接支払いますので
源泉徴収をする必要があります。
【5万円以下の源泉徴収不要】
所得税法第204条第1項第1号にかかげる
報酬・料金等(講演料・原稿料・デザイン料など)に
限り、少額(おおむね5万円以下)のものは
「源泉徴収は不要」とされている
「報酬・料金等」がありますが、
源泉徴収を不要とする「報酬・料金等」の特徴は
① 偶発的な、懸賞などの賞金や謝金であること
② 依頼されて行った報酬等ではないこと
となります。
今回のご質問の場合は、
① 懸賞金等のようなものではないこと
② 依頼された講演であること から
源泉徴収をする必要があります。
追加解説
【非課税となる旅費交通費】
非課税となる「旅費交通費」は
どのような金品かといいますと、
4/1のブログでも紹介しましたが
次のようなものとなります。
使用者又は使用者であった者から、
次にあげる旅費で
その旅行に必要な運賃、宿泊料
移転等の支出に充てられるために
支給された金品で、
「通常必要とされると認められるもの」は
非課税とされます。
1 給与所得者が勤務する場所を離れて
その職務遂行するため旅行をする場合
2 給与所得者が転任に伴う
転居のための旅行をする場合
3 就職した人がその就職に伴う
転居のための旅行をする場合
4 退職した人がその退職に伴う
転居のための旅行をする場合
5 死亡退職者の遺族がその死亡退職に伴い
転居のための旅行をする場合
【5万円以下の源泉徴収不要】
源泉徴収の不要な「報酬・料金等」とは
次のようなものです。
所得税204条第1項第1号に該当する
「報酬・料金等」で、
次のいずれかに該当するもので、
同一人に対して1回に支払うべき金額が
少額(おおむね5万円以下)のものは
源泉徴収をしなくても差し支えありません。
1 懸賞応募作品等の入選者に支払う賞金等
2 新聞、雑誌等の読者投稿欄への投稿者又は
ニュース写真等の提供者に支払う謝金
(あらかじめその投稿又は提供を委嘱した人に
その対価と支払うものを除く)
3 ラジオやテレビ放送の視聴者番組への投稿者
又はニュース写真等の提供者に支払う謝金
(あらかじめその投稿又は提供を委嘱した人に
その対価と支払うものを除く)
なお、5万円以下、源泉不要の規定は、
『所得税法第204条第1項第1号に該当する
「報酬・料金等」に限られています。』 が
所得税法第204条第1項第1号とは
『原稿、写真、挿絵、レコードの吹込み、
デザイン、放送謝金、著作権、著作隣接権、
工業所有権、講演、技芸・スポーツ教授、
脚本、脚色、翻訳、通訳、校正、書籍の装丁
速記、版下、投資助言』 となります。
他の、報酬・料金等には上記の規定がありません。
例えば税理士報酬などの支払に対して、
5万円以下だから源泉しなかった、
なんてことにはなりません。
説明会の話の続き
決算法人説明会
今回は6月決算法人の方を対象に行いました。
そういえば、前回も前々回も
6月決算法人だったような
見知った方がいらっしゃり
その方(2名ほど)は、うなずいたり
反応が良いもので、
ついその方の方に目をやったりしました
さて、私が説明会で何度も話したことは
『「会計」をしっかり行うこと』です
税務会計・・・
法人税の課税所得金額は
益金 - 損金 =法人の所得金額 で計算されます。
一方
企業会計では、ざっくり説明すると
収入 ー 必要経費 = 当期利益金額 となります。
益金 ≠ 収入
損金 ≠ 必要経費 ではありますが
「税務会計」が独立して
法人の所得金額を算出するのではなく
「企業会計」をベースに、
税法の網をかけて
当期の利益金額に加算・減算することによって
法人の所得金額を算出することとなっています。
法人税では「確定した決算」を基に
所得金額を算出し、税額を計算しますので
その基礎となる「会計」が最も重要になります。
期末の「締め後の売上」や
売掛金・買掛金のチェック 等々
キチンとした決算書を作ることが、
法人税の申告書を作成することになりますので
『「会計」をしっかり行うこと』
の一言につきます。
ついでに昨日は
令和4年版の「源泉徴収のあらまし」も
入手できたのでラッキーでした
参考
所得税法第9条
所得税法第36条
所得税法第204条
所得税法第205条
所得税施行令第320条
所得税基本通達 9-3
〃 9-4
〃 28-3
〃 204-10
〃 205-9
国税庁HP
タックスアンサー
「報酬・料金などの源泉徴収」
No.2792 「源泉徴収が必要な報酬・料金とは」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2792.htm
No.2792 「源泉徴収が必要な報酬・料金とは」の「手取契約の場合の計算方法」
No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは|国税庁 (nta.go.jp)
No.2798 「弁護士・税理士等に支払う報酬・料金」
No.2798 弁護士や税理士等に支払う報酬・料金|国税庁 (nta.go.jp)
No.2801 「司法書士に支払う必要な報酬・料金」
No.2801 司法書士等に支払う報酬・料金|国税庁 (nta.go.jp)
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