イタリア・ロンバルディア州のフランチャコルタ地方で造られているDOCGワインはスパークリングワインです。名前は「フランチャコルタ」(Franciacorta)です。1967年にDOCを取得、1995年にDOCGに格上げされました。

イタリアではスパークリング・ワインをスプマンテと呼びます。ほとんどのスプマンテはシャルマー方式(タンク内二次発酵)で造ります。スプマンテを造っていたベルルッキ(Berlucchi)という生産者が、1961年に瓶内二次発酵の本格的なスパークリング・ワインを造ったのが、フランチャコルタの始まりとされています。

フランチャコルタ地方では非発泡性のワインも造られています。非発泡性のDOCワインは「テッレ・ディ・フランチャコルタ」(Terre di Franciacorta)という名がついています。赤と白があります。

赤はカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロー、ネッビオーロなどで造ります。1995年にDOCのルールが改訂され、以前よりもネッビオーロの割合が減りました。白はシャルドネとピノ・ビアンコなどで造ります。

 

 

 

 

 

 

 

ロンバルディア州の州都はミラノです。私は6年ほど前にミラノを観光しました。小さなエレベータで大聖堂の屋上に登り、街を眺望したのを覚えています。

  ミラノ大聖堂の屋上から通りを撮りました

 

ロンバルディア州では数多くのDOCワインが造られていますが、その上のDOCGクラスのワインを生産しているのは、次の4つの地方です。
(1)ブレシア県フランチャコルタ地方
   州東部の地方。

(2)ソンドリオ県ヴァルテッリーナ地方
   州の最北部。スイスと接する地方。

(3)パヴィーア県オルトレポー・パヴェーゼ地方
   州南部の地方。

(4)ベルガモ県スカンツォロシャーテ地方
   州の中央部に位置する。

これら4つの地方は、ロンバルディア州の東部、北部、南部、中央部に分散しており、ワインの種類も赤、白、スパークリング、甘口と多様です。

 

 

 

 

 

 

地中海の一部、イタリア半島とコルシカ島に挟まれた海域はリグーリア海と呼ばれます。リグーリア海と面しているリグーリア州は細長い三日月に似た形をしています。州都はジェノヴァ、イタリアで最も大きい貿易港です。

リグーリア州で最も多く栽培されているぶどうはアルバローラ(Albarola)という名の白ぶどうです。ほかに、ボスコ(Bosco)、ヴェルメンティーノ(Vermentino)という白ぶどうも栽培されています。

リグーリア州にチンクエ・テッレ(Cinque Terre)というユネスコの世界遺産に登録されている地域があります。チンクエ・テッレはイタリア語で「5つの土地」という意味で、アペニン(Apennines)山脈がリグーリア海に迫っている険しい場所にある5つの村を指しています。

チンクエ・テッレのぶどう畑は、けわしい段丘になっています。辛口の白ワインのほか、収穫したぶどうを乾燥させた後に発酵させて造るシャケトラ(Sciacchetra)という甘口のワインが知られています。

 

 

 

 

 

ヴァッレ・ダオスタ(Velle d'Aosta)州はイタリアで最も面積の小さい州です。州の名前は「アオスタの渓谷」という意味です。州内を北西から東南にドーラ・バルテア(Dora Baltea)川が流れており、川に沿う急こう配の斜面で、ぶどうが栽培されています。
 
ヴァッレ・ダオスタ州の北はスイス、西はフランスです。フランスとの国境にはモンブラン、スイスとの国境にはマッターホルンがそびえています。

州内にはかつて複数のDOC(原産地呼称)が存在していましたが、1985年に州名と同じ名のDOC一つに統合されました。小さなDOCですが、栽培されているぶどうの品種は多様です。

プティ・ルージュ(PetitRouge)、フメン(Fumin)などの土着品種、イタリア系のネッビオーロのほか、フランス系のピノノ・ワール、ガメイ、シラー、シャルドネ、ピノ・グリ、ピノ・ブラン、スイス系のプティ・アルヴィンヌ(Pettie Arvine)などが栽培されています。

 

 

 

 

 

 

 

伝統的なバローロ・ワインはマセラシオン(醸し)と発酵に2カ月もの長い時間をかけて、色や香り、タンニンを十分に抽出します。タンニンは舌や口内の粘膜のタンパク質と結合し、これが飲む人には渋みとして感じられます。

多量のタンニンを含む発酵させた直後のバローロは渋みが強すぎるため、大樽で長期熟成させます。熟成中にタンニンはゆっくりと酸化し、その渋みを和らげていきます。大樽を使う長期熟成で造られたバローロは、酸と苦みのしっかりした味わいのワインになります。

アメリカがワインの主要な消費国になり始めた1970年代、市場の好みをいち早くとらえて変化を見せたイタリア・ワインが出始めました。

バローロもその一つです。フルーティで飲みやすいワインを目指すバローロの造り手が現れたのです。マセラシオンと発酵にかける時間を2週間内に短縮し、大樽ではなくブルゴーニュに習って子樽(バリック)で熟成します。1980年代に入り、経営に余裕が出てくると、量よりも質を求めることができるようになり、夏の間にぶどうの房を間引きすることも始めました。さらに、90年代になると、回転式発酵タンクを使うようになりました。回転式発酵タンクは発酵の初期段階にタンクを回転させて、色と香りを抽出し、発酵の途中で圧搾してしうまうことで、フルーティなワインを造ることができる設備です。

バローロに限らず、ワインの造り方は、市場における好みの変化や技術の進歩によって、多様な方向に発展してきました。これからも、インパクトのあるワインもあれば、フルーティなワインもあり続けることと思われます。

なお、渋みの少ないバローロの造り手を、いまでもバローロ・ボーイズと呼ぶことがあります。フルーティなバローロを造り始めた当時、若手だった彼らをボーイズと呼んだのでしょう。