ヴェネト州のワイン生産地としてよく知られているのは、ヴァルポリチェッラ(Valpolicella)、 ソアーヴェ(Soave)、 バルドリーノ(Bardolino)などで、これらの地域名はDOC名に使われています。
 
 ヴェネト州ではぶどう畑が拡大され、昔は穀物畑だった場所がぶどう畑になったところもあります。DOCワインの中に、地名に「クラシコ」を加えて名乗るワインは、古くからのぶどう畑で収穫されたぶどうを使っていることを訴求しています。
 
 ヴァルポリチェッラにはコルヴィーナ種をメインにモリナーラ種やロンディネッラ種を混醸した赤ワインがあります。また、ぶどうをいったん陰干しした後に発酵させる、ヴァルポリチェッラの特徴的なワインとしてアマローネ(Amarone)があります。
 
 アマローネに使うぶどうは、昔はマットやわらの上に並べて陰干ししていました。現在は、収穫時に通気性の良い箱に入れて、温度と湿度を管理した乾燥室に運び込みます。水分の半分ほどを飛ばした後に発酵させます。昔は大樽で熟成させましたが、現在はバリック(容量が200mlほどの小樽)で熟成させます。
 
 アマローネを造るのに使ったぶどうの搾りかすは再利用されます。搾りかすに赤ワインを注いで、発酵させたワインはリパッソ(Ripasso)と呼ばれます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 氷河の動きによってできたと言われるガルダ(Garda)湖はイタリアで最も大きい面積の湖です。ヴェネト(Veneto)州はその東側に位置します。北はオーストリアとの国境です。
 
 ヴェネト州で生産されるワインの約7割は白ワインです。ヴェネト州のワイン生産量は90年代に大幅に伸びました。特にピノ・グリージョ(Pinot Grigio、ピノ・グリのイタリア名)の生産が増えました。
 
 ヴェネト州はシシリア州、プーリア州と生産量のトップを競っています。ヴェネト州で生産されるワインのうち、DOCまたはDOCGに格付けされているワインは、全体の4分の1以上を占めています。DOCとして認められるぶどう畑も拡大されました。
 
 ヴェネト州の特徴的なワインを造っているぶどう品種は3つあります。
 コルヴィナ・ヴェロネーゼ(Corvina Veronese)
 グレーラ(Glera)
 ガルガーネガ(Garganega)
コルヴィナ・ヴェロネーゼは黒ぶどう、グレーラとガルガーネガは白ぶどうです。
 

 トレンティーノ = アルト・アーディジェ(Trentino=Alto Adige)州はイタリア最北部の州です。南部はトレンティーノ地域、北部はアルト・アーディジェ地域と呼ばれます。


 トレンティーノ地域はイタリア語圏ですが、アルト・アーディジェ地域では一般にドイツ語が話され、イタリア語に加えドイツ語も公用語になっています。アルト・アーディジェ地域がイタリア領になったのは第一次世界大戦後です。南チロルを意味するSudtirolとも呼ばれます。
 トレンティーノ = アルト・アーディジェ州のワインはほとんどがDOCワインです。DOCワインよりも劣るヴィーノ・ダ・ターヴォラ(Vino da Tavola、テーブル・ワイン)の生産量はわずかです。


 ぶどう畑はアーディジェ川が作った斜面に集中しています。ワインは昔からスイスやオーストリアに出荷されてきました。品種は消費者の好みを反映した結果なのか、実に多様です。


 黒ぶどうはテロルデゴ(Teroldego)、スキアーヴァ(Schiava)、マルツェミーノ(Marzemino)、ラグレイン(Lagrein)などの土着品種のほか、カベルネ・ソヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワール(イタリアではピノ・ネロ)など。

 

 白ぶどうはシャルドネ、ピノ・グリ、ピノ・ビアンコ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、ミューラー・トゥルガウ、グリューナー・フェルトナーなど。

 

 

 

 

 

 

スフォルツァート・ディ・ヴァルテッリーナ(Sforzato di Valtellina)は2003年にDOCからDOCGに昇格しました。


スフォルツァートは「強化」を意味します。キアヴェンナスカ(ネッビオーロ)を陰干しして乾燥させ、水分を飛ばした後に搾汁、発酵、熟成したワインです。十分な糖度を持つ果汁を発酵させるので、アルコール度の高いワインになります。

 

 

 

 

イタリア・ロンバルディア州のヴァルテッリーナ(Valtellina)地方ではアッダ(Adda)川に沿う渓谷でキアヴェンナスカ(Chiavennasca)という品種のぶどうを育てています。

キアヴェンナスカは、バローロやバルバレスコを造っているピエモンテ州クーネオ県ではネッビオーロと呼ばれる品種です。

この地方では一件一件のぶどう栽培家が小規模で、ワイン造りで90%弱のシェアを占めるのはネゴシアンです。協同組合が10%ほどのシェアを持っています。

ヴァルテッリーナ・スペリオーレ(Valtellina Superiore)という名のワインは1998年にDOCGを取得しました。ヴァルテッリーナ・スペリオーレには次の5つの特定地域をラベルに記載することができます。
 サッセラ(Sassella)
 グルメッロ(Grumello)
 インフェルノ(Inferno)
 ヴァルジェッラ(Valgella)
 マロッジャ(Maroggia)

「スペリオーレ」がつかないヴァルテッリーナを名乗るのはDOCワインです。