『富都青年(アバンとアディ)』の「お前」呼び問題 | 台湾華語と台湾語、 ときどき台湾ひとり旅

台湾華語と台湾語、 ときどき台湾ひとり旅

台湾華語は研究中、台湾語は独学中、台湾へはいつも一人旅!の、たまりが、台湾華語と台湾語、台湾旅行と台湾映画と台湾ドラマ、そして台湾文学について語り尽くします

※少しネタバレ注音!


Netflixで話題のマレーシア映画『富都青年(アバンとアディ)』。主演の台湾人俳優、吳慷仁が金馬獎で主演男優賞を獲って話題になりましたね。



⬆️でも書いたのですが、日本語字幕で弟のアディが兄のアバンのことを「お前」と言うのがすごく気になって。何の情報も入れずに見ていた私は最初二人が兄弟だと気づかなかったくらいです。


で、注意してセリフを聞いたり中国語字幕や英語字幕を見たりしたのですが、その結果わかったことは...



セリフではアディはアバンのことを「哥(にいちゃん)」か、おそらく「阿哥(方言でにいちゃん?)」と呼んでいますし、簡体字字幕もずっと「哥」になっています。


クライマックスに近いところでアディがアバンに「家族はお前だけだ」(日本語字幕)と言うのですが、そこもセリフは「阿哥」と言ってるし中国語字幕も「我沒有爸爸,只有哥哥」になっています。


英語字幕は直接呼びかける時は「Abang」でそれ以外は「you」。英語からの翻訳だから「お前」になっちゃったのかなあ。と思っています。或いは何か深い意図があるのか?


ただ、abangはマレー語で「兄」という意味らしく(adikは「弟」)、そういう意味でもいくらやんちゃな弟とは言え、また二人の関係に何か秘密があるとしても、兄をずっと「お前」呼ばわりはどうなのかなーと思うのでした。


皆様はどう感じられましたか?