①「j」と「l」の対立では泉州系の「l」が勝利し今は圧倒的に「l」が優勢。
語頭に来る子音に関して、基本的に次の三つのパターンがあるのだが、
a)漳州系➡「j」(「日本」は「Ji̍t-pún」)
b)泉州系➡「l」 (「日本」は「Li̍t-pún」)
c)「g」/「l」交代系➡後に「i」が来るときは「g」に。後に「u」が来るときは「l」になる。(「日本」は「Gi̍t-pún」、「熱」は「loa̍h」)
この三つのパターンのうち、台湾では現在、b)の泉州系が圧倒的に優勢だという。なので「日本」は「Li̍t-pún」。
②母音の「i」と「u」、「e」と「ue」等の対立ではほぼ漳州系が勝利。
a)漳州系➡「豬ti」「煮tí」「未bōe」「歲hòe」「過kòe」「袂bē」「買bé」「濟(多)chē」「雞ke」。
b)泉州系➡「豬tu」「煮chú」「未bē」「歲hè」「過kè」「袂bōe」「買bóe」「濟(多)chōe」「雞koe」。
上記の発音の違いはよく知られている。現在「台湾普通音」と言えるのは、a)の漳州系の音。ただし、「想」や「轉」に関しては泉州系の「想siūⁿ」「轉tńg」が断然優勢。(漳州系は「想sioⁿ」「轉tuiⁿ」だそう)。
③5声は7声に変調
5声が変調するとき、以前は北部(泉州系)は3声に、南部(漳州系)は7声に変わる。とされていたが今ではほぼ7声に変わる。
ちなみに私の台湾語の先生は、「煮」を「chú」と発音する以外は全て上記の「台湾普通音」で発音する。これでモヤモヤが取り敢えずスッキリー。