台湾語の発音における最大の難関
台湾語の難しさ、特に発音方面のわけわからなさについては随分愚痴もこぼしてきたが、どこが難しいのかをもう一度整理。
私にとっての最大の難点はやはり声調である。が、声調が第8声まであるからではない。今は第6声はなくて実質7種類だし、第4声と第8声は入声と言っていわゆる「つまる音」で他の5種類とは全く違うので、中国語と比べてそれほど複雑なわけではない。
発音するとその声調がいちいち変化する、というのも慣れればそれほど苦ではない。第何声が第何声に変化するかというのは規則的だし覚えやすい。もちろん例外も多いし、地域差もつらいけど、とにかく理解はできる。
台湾語の変調における最大の難関
長年私を苦悩させてきたのは、
いったいどこで変調するのか
という問題に尽きる。ま、大体はほぼ変調するので、正確に言うと「いったいどこで本調を保つ(変調しない)のか」である。
これは、入門〜基本のテキストや辞書には全く書かれていない。いや、多音節の語の最後や意味の切れ目、そして軽声の前は本調を保つ、とは書かれているが、意味の切れ目っていったい何なのよ!?💢
で、数年前、王育徳著『台湾語講座』を読んで、やっと少しスッキリした。のだが、まだまだ確実な理解には至っていなかった。王育徳先生のお孫さん近藤綾さんが共著で出版された『トラベル台湾語』をやっと入手し、声調記号とともに記載されている変調後の声調をジックリ調べて(以前も入門テキストのCDを使い耳を頼りにやっていたが限界があった)、スッキリ度が格段に高まった。
長くなるので詳しくは次回書く(例をあげて説明します)が、ハッキリしたのは次の5点。ポイントのみ列挙する。なお、声調グループというのはグループ最後の語が変調しない(本調を保つ)まとまりのことである。
主語(主題)の末尾は変調しない、VOのVの末尾は変調する
①とにかく文の構造上の主語(主題、テーマのことも多い)は、人称代名詞以外は全て一つの声調グループを作る。
②時間を表す語やフレーズも声調グループを作る。
③前置詞+名詞も声調グループを作る。だから前置詞の後の名詞(の最後の語)は必ず本調を保つ。ただしこれまた人称代名詞は例外である。
④「的(ê)」の前は必ず本調を保つ。
⑤動詞+目的語は同じ声調グループになる。
軽声化しやすい「V一下tsi̍t-ē」や「左右(tsó-iū)」などの「虚詞」及び数字の前は本調を保つことが多いが、その辺りは次回詳しく。
※2017年の記事のリライトです。