変調ルールの原則はそれほど難しくない
台湾語の変調はやっかいだが、シンプルなルールがある。
1声→7声、
2声→1声、
3声→2声、
4声→8声、
5声→7声(3声)、
7声→3声、
8声→4声、
というルール。一般的な教科書では5声は北部が3声に、南部は7声に。と書かれているが、現在は7声に変化するのが優勢のよう。
ただし例外が多すぎる
①まずは4声と8声の入声(つまる音)チーム。
4声と8声はすべて語尾が -p,-t,,-k,-h で終わる。そのうち、 -p,-t,,-kで終わるものは上記のルールに則って変化するが、-hで終わるものは別の動きをする。つまり、-hの4声は2声に,-hの8声は3声に変わるというもの。
ところがである。ここまでは入門のテキストにも書いてあるので私もそれを信じていたのだが、だが、実はさらなる例外があった。
例えば、我欲去台灣。(Góa beh khì Tâi-uân ) のの“欲”beh(〜したい)。ーhで終わる4声だから変調したら2声になるはずなのだが、教科書のCDの発音や先生の発音はどう聞いても8声に聞こえる。どういうことなんかなあと思っていたらなんと、
-hの4声は2声に,-hの8声は3声に変わるというのは動詞や名詞だけに適応されるルールだった。-hの4声の場合も虚詞(助動詞や助詞など)の場合はやはり8声(入声)に変わるということらしい。実に恐ろしい。
②次に“仔”の字の前の変調
これも特殊である。“仔”の字の前の字が変調するときには、下降型の声調(2声と3声)には変化しないというルールがある。
なので、ふつうなら2声に変化するはずの3声とーhの4声は“仔”の前だと1声に変わる。し、ふつうなら3声に変わるはずの5声(変種によっては7声に変わるが)と8声は7声に変わる。7声はそのまま変調せずに7声。
③単音節形容詞の重ね型(台湾語の場合は3連続もOK)の特殊変調
3つ重なった形容詞の場合、2番目の音は通常の変調ルールに従うが、1番目の音は低音型声調(7声、3声、4声)には変調できないため特殊な変調となる。基本的には第5声(調値は24)よりちょっと高めの調値、35くらいの音になる。
例えば1声の“金”が3つ重なった場合、本来なら7声+7声+1声 になるはずだが、1番目の音は7声にはなれないというルールがあるため、第5声(調値は24)よりちょっと高めの調値35くらいの音になる。
また、5声の“閒”が3つ重なった場合、本来なら7声+7声+5声(5声の変調は地域によって異なる。3声に変わるところもある)になるはずだが、上と同じように1番目の音は7声にはなれないというルールがあるため、第5声(調値は24)よりちょっと高めの調値35くらいの音になる。
あとは同じように、7声の形容詞も1番目の音は3声には変われないので、調値35の音に変化。8声の形容詞も1番目の音は4声には変われないので、調値35の音に変化。となる。
ひーっ。
※2013年の記事のリライトです。