世にも奇妙な君物語 (講談社文庫) 世にも奇妙な君物語   朝井 リョウ

 

 どちらかというと苦手な分野。1話目でやめようかなと思ったのですが頑張ってみました。怖い…、人間が一番怖い。語られる内容がけっこう的を得ているだけに怖いですね。金太郎の話、こんな保護者は実際にいそうです。

日本語びいき (中公文庫) 日本語びいき  清水 由美

 

 ヨシタケさんの絵とおもしろい目次に惹かれて購入。これは小学1年生で学習する「日本語」だけど、日本人でも意外と知らない人がいるかも、という内容からスタートして、この年まで知らなかったわという内容まで、日本語への愛が楽しく語られています。

 日本人の暮らし方や考え方が土台となって日本語が生み出されているので、その土台が変化してきている今、日本語も変化するのは当然なのかもしれません。その変化さえ楽しみながら、読書や会話を通して日本語のおもしろさや深さを味わえたらいいですね。個人的には、悪意のない言い間違いは好きです


猫の客 (河出文庫 ひ 7-1) 猫の客  平出 隆

 

 作品の中に様々な生活音も描かれていたはずなのに、読み終えて、猫の首輪につけられた鈴の音しか聞こえてこなかったような静かな作品でした。

 隣家からやってくるチビへの深い思い、のびのびと生きる命への愛情が伝わってきます。そして、突然訪れた別れへのやりきれなさも。フランスでは「天からやってきた猫」というタイトルで翻訳されているとありました。猫への思いと同時に、家屋の佇まいや季節の移ろいを表す文が絵画的で美しく、それが日本的な美しさとして受け入れられているのかもしれません。「妻」の動物への思いがとても好きです。

 


悪いうさぎ (文春文庫) 悪いうさぎ   若竹 七海

 

 主人公がこんなひどい目に合う小説、読んだことがある…。と、北欧ミステリーで、私生活がボロボロで、不用意なミスで犯人にポカポカにされる警察官を思い出してしまいました。打たれ強いというかタフなところも似ています。

 葉村晶さん、今回が一番つらかった。どうなることかと彼女自身も心配だし、捜査対象の女子高生のことも心配だし、何より事件が悍ましくて、良心のかけらもないような自分は選ばれた人間だと錯覚している男たちに気持ち悪さを憶えながら一気読みしてしまいました。読んでいる間中、葉村晶がハムラアキラでした。



カラフル (文春文庫) カラフル   森 絵都

 

 10年以上前に読んで好きだった本。いい作品だと思ったことは覚えていましたが、細かなストーリーは読みながら思い出しました。

 若いときは、それが純粋で美点でもあるのでしょうが、一方的に思い込み、直線的になりがち。歳を重ね経験を重ねていくと、人にはいろいろな色があり、誰もが悩みもがきながら生きていると、その色たちを受け入れ愛おしくさえなってきます。

 「チャンスはあるよ!」と、絵都天使の強くやさしい声が聞こえてきます。

 


この世の春(上) (新潮文庫) この世の春(上)  宮部 みゆき

 
 登場する人々が皆それぞれの立場で事情を抱えていますが、誠実で勤勉、そして思慮深く暮らしています。それなのに、人知を越えた何かに振り回され、望まぬ事件に巻き込まれていく…。「何か」が、本当に人の力の及ばぬものなのか、それとも人の心の闇に潜むおぞましさが為せるものものなのか。謎が投げかけられて「中」へと続きます。

この世の春(中) (新潮文庫) この世の春(中)

 

 バラバラになっているものが早く繋がって穏やかな暮らしに戻ってほしい、と願いながら読みましたが、恐ろしい謎はますます深まっていきました。そのおぞましさと、登場する人々の健気さ。両方あるから何とか読み進められます。

 心の機微の描き方はさすが宮部さんです。今までのところ、タイトルの意味するものとは遠い物語ですが、安堵できる着地を期待して「下」へ進みます。

この世の春(下) (新潮文庫) この世の春(下)


 かなり善意に包まれた終わり方でしたが、多分平凡な人々の暮らしはこんなふうに善意で成り立っていて、そうであってほしいという願いも込められているのでしょう。人を恨むことを生きる目的とした二人を除いては、登場する人々がみな誠実で思いやりにあふれています。由衣の方の歌にこめられた思いも含めて、人の幸せを願い、すぐそばにあるものを大切にできることが「聡明」というのかもしれません。無責任な読者としては、もう少し重い終わり方をを期待していたところもあるのですが。

 


神さまのビオトープ (講談社タイガ) 神さまのビオトープ   凪良 ゆう

 

 恋人でも家族でも、愛する人を失うことはどれほどつらく悲しいことか…。

『神様は乗り越えられる試練しか与えないというけど、それは嘘。』

 本当にそれは嘘。仕方なく乗り越えたふりをして生きているけど、時間を元に戻してほしいと心の中で叫び続け、その願いはかなわないのだとわかるまでにどれだけの時間を費やすことか。人には言えない秘密を抱えて、生きづらい世の中を生きている人へのメッセージが優しく響いてきます。「生きているだけで儲けもの。幸せになって。」

 

           虹ネットで見つけた画像チューリップ赤

 

憂鬱なニュースが多い春。

コロナ休校で、孫の相手に疲れています^^;。

孫も室内で過ごすのがつまらなくて退屈しています。

孫のカレンダーの16日の欄に赤字で「登校」と書かれていますが

本当に投稿できるのか…。先の見通しがつかないのは不安なものですね。

 

ネットで見つけた「卒業証書」

懐かしい線路名が出てきてうれしくなりました。

指宿枕崎線からは菜の花畑と開聞岳が見えます。

近くで行われる菜の花マラソンも今年は中止でしょうか。

 

早く収束して、元通りの生活ができるようになることを願っています。

 

 

 

 

 

 

 

 


岩波文庫的 月の満ち欠け 岩波文庫的 月の満ち欠け  佐藤 正午
  

 フィクションなのについ感情移入してしまい、作品としてのおもしろさと同時に切なさも感じてしまいました。『生まれ変わってもう一度あなたの前に現れるから、気づいてほしい』と思うほどの愛。でも、そんな前世の記憶を持って生まれた子たちが幸せに見えなくて、満たされない思いを抱えた女性の悲しみのリレーのようでした。そんな平凡な読み方は意味のないことなのでしょうが。 

 一番目の瑠璃と三角の会話、「一回殺したわね。」くらいの軽さが好きでしたが、本当はもっと悲しく重いものだったのですね。

 

 

僕とおじさんの朝ごはん (中公文庫) 僕とおじさんの朝ごはん  桂 望実

 

 料理が登場する作品はけっこう読みましたが、メニューや味付け、材料へのこだわりがそれぞれ違うように、似ているけど同じじゃない作品ばかりでした。

 おいしい料理、ていねいに作った料理が誰かの心をほぐす…。この作品はそれだけじゃなくて、おいしいと言って食べてくれる一人の少年が、生きることに無関心な料理人に、生きる力を分け与えてくれます。

 二人のやりとりが軽妙で楽しく、そして、二人の抱えているものがあまりにも重く、そうなんだよなと胸を打たれました。亡くなった人がどこへ行くのかわからないけど、星になるとわたしも信じたい。



春、戻る (集英社文庫) 春、戻る  瀬尾 まいこ

 

 記憶に蓋をして、なかったことにしていた過去。その過去からやってきて、深い傷に温かい光を当てて心をほぐしてくれた謎のおにいさん。そんな不思議なことがあってもいいし、自分で気づかなかっただけで、本当はいいことだってあったはずだと、明日へ一歩踏み出す希望をあたえてくれる物語でした。

 登場する人々もタイトルも表紙も、まるごと瀬尾さんの世界です。

 


このあたりの人たち (文春文庫) このあたりの人たち   川上 弘美

 

 かなりおかしな人たちの住む町だけど、ぎすぎすしてなくて、まあそんなものかと受け入れれば案外住みやすい町かもしれません。

 町の人が行きたがらないスナック愛で、ママさんが歌う歌は昭和そのもの。わたしもよく歌いました。そのせいでしょうか。「このあたり」は何だかあの頃の「あのあたり」のようにも思えて、懐かしさを憶えました。



の (福音館の単行本)   junaida

 

 「の」でつながっていくお話は子どもの得意とするところ。自分が一番楽しみながら、どんどん違うドアを開けていきます。

 この本も終わりのなさそうなつながり方で、多分1周するだろうなと思っていたら、何と、参りましたという感じでした。絵も想像を超えるおもしろさ。緻密で、色がとてもきれいです。

 お気に入りは、森の動物たちの図書館とはじめての夕暮れ時。もう先に行かなくていいから、そこでゆっくりお茶でも飲んでいたくなります。

 


ヴァン・ゴッホ・カフェ ヴァン・ゴッホ・カフェ  シンシア ライラント

 

 再読。 読み終えた本の半分ほどは図書館に引き取ってもらいます。 いつかもう一度読もうと思った本は手元に。好きなこの本もちゃんと残してありました。

 何度読んでも心地よく、こんなお店に行ってゆっくりコーヒーを飲みたいと思いました。カフェでの不思議なできごと、魔法は、きっとやさしい気持ちが起こすものですね。静かに見守るやさしさ。悲しみにそっとよりそうやさしさ。魔法を信じるやさしさ。

 


ピラミッド (創元推理文庫) ピラミッド (創元推理文庫)  ヘニング・マンケル

 

 「ヴァランダーシリーズが始まる前のヴァランダーについて知りたい」という読者の声に応えて書かれた作品。22歳、まだパトロール警官だった頃から物語が始まります。

 その頃から捜査に夢中になると、二人で行動の原則を守らず危ない目に合っていたのですね。家族にとっても読者にとってもハラハラさせられて疲れる男です。

 ただ、彼が危惧する犯罪の変化や増加、そしてスウェーデンにも押し寄せる民主主義の危機について語る場面は、こんな人が警官でいてくれるのはいいなと思ってしまいます。もう少し自己管理ができるといいのですが、忙しすぎかな。



三の隣は五号室 (中公文庫 (な74-1))  三の隣は五号室  長嶋 有

 
 行きつ戻りつしながら数十ページ読んだところで、だめだ、頭がぐちゃぐちゃで物語に入っていけないと思い、年表を作りました。50年にわたる、とあるアパートの五号室に住んだ人々の短い生活が描かれています。

 しいて言うなら主人公は五号室ということでしょうか。部屋の間取りは変わらないけど、水道の栓がレバーになり、観ているテレビ番組が移り変わり、中にはちょっとぶっそうな住人もいて、人々はこんなふうに暮らし、その暮らしの一コマ一コマが平凡だけどいとおしい歴史なのだと、自分のアパート暮らしと重ねながら感じました。

 

 

 

秋に保護した猫はずいぶん大きくなりました。

寝てばかりの老猫2匹にちょっかいばかり出しています。

とくに大きいお兄ちゃんが好きみたいで、あとをついてまわっています。

朝起きると、髪ボサボサのまままず猫のトイレ掃除、猫のご飯。

外にいる手術した猫たちの里親さん探しも専門にやっている方の力を借りて少しずつ進んでいます。

 

先日、近所の友人と二人で「声を出して笑いたいね」と寅さんの映画を見てきました。

やや重い内容で、以前のシリーズもののように涙が出るほど笑うことはできませんでした。

橋爪功さんが登場した場面が一番おもしろかったかな。

登場人物の半分の方がもう亡くなっていて

「みんな歳をとって、いつか死ぬのね。」

と話しながら、どちらかというとしんみりした気持ちで帰ってきました。

後藤公美子さんがアウンサンスーチーに似ていて驚き。

 

我が家の南側に3階建ての家が建つことになり、工事が始まりました。

家にも庭にも日があたらなくなりそうで、年明けからちょっと落ち込んでいます。

日の光は、体も心も温めてくれるんですよね。猫たちもかわいそう。

いいことは気づかないほど控えめにやってきますが

そうじゃないことは、どんなもんだ!と強い当たりでやってきますね。

 

以上、雑感。

 

明けましておめでとうございます

 

             開聞岳の初日の出    

鹿児島に住む妹が送ってくれました。

 


海が見える家 (小学館文庫) 海が見える家  はらだ みずき

 

 読みながら多分こうなるかなと予想していた通りの展開でしたが、主人公の素直さや周りの人々の温かさが心地よく、少し視点を変えるとこんな生き方もあるんだと、素直に受け入れることができました。

 疎遠になっていた父親の死を知らせる突然の電話。父親の生き方を否定しながら、残された家の片付けをするうちにわかってきた父の思い。

 父親が会社を辞めて連絡を絶ったのは、逃げるためではなく自分なりの幸せを探すためでした。その幸せが、新しい地で人と人とをつなぎ、人を支えて暮らすことだったなんて、いいですね。

 


危険なビーナス (講談社文庫) 危険なビーナス    東野 圭吾


 久しぶりの東野作品でした。設定や人物描写など安定のおもしろさ、とは思いましたが、もう少し深い闇やハラハラする展開がほしかったかな。つい「白夜行」や「容疑者Xの献身」と比べてしまいます。

 主人公の伯朗さん、事件が解決しました。これからはぜひ獣医師の仕事に集中してください。大事なペットを診てもらう立場としてはかなり辛いお仕事ぶりでした。もう一つ。蔭山元実さん、けっこう好きです。



([に]2-1)i (ポプラ文庫 に 2-1) i  アイ   西 加奈子

 

 少し詰め込みすぎかなと感じることもありましたが、とても大切なことがていねいに力強く描かれていました。人は弱く、人が作る社会は危うさと隣り合わせです。価値観も考え方も様々。幸せになりたいと願いながらかなうことなく、幸せになれないだけでなく命まで落としてしまう…。

 この本が書かれた後にも悲しい事件で多くの命が失われました。無力感に苛まされますが、希望を捨てず人を信じて行動する人々がいて、彼らの力に励まされもします。

 読み始めた頃に、中村哲さんが銃撃され亡くなりました。彼の中にあったのはアイ。アイは確かに存在します
 


リフォームの爆発 (幻冬舎文庫) リフォームの爆発   町田 康

 

 築30年の古い家に住んでいる身としては、語りだすと長くなりそう。作品についてではなくリフォームについて。

 小さなことをスパッと片付けず、いつもグダグダしている町田節炸裂ですが、日当たりのこと、猫部屋のこと、お金と手間のことなど、そうだよなあとかなり共感しながら読みました。そして、かなりクスクスしながら…。工事に来てくれる職人さんたちのと関係も、本当に距離感が難しい…。ただ職人さんたちプロの仕事ぶりを見るのは大好きです。

 人もペットも快適に暮らせる町田家。その快適さを描いた作品も読んでみたいと思います。

 


不穏な眠り (文春文庫) 不穏な眠り   若竹 七海

 

 探偵葉村晶。今回も半死半生のハラハラさせられる仕事ぶりでした。普通の探偵はここまで危険な目に合いませんよね。依頼された仕事のせいなのか、彼女がのめり込み過ぎるのか。世の中がそれだけ物騒になり、平凡に見える人の中にも闇が潜んでいるということでしょうか。

 体だけじゃなく葉村氏の心にもダメージが残りそうですが、ダメージを抱えてもまた歩き出すしぶとさが好きです。

 

 

  先月は読書の時間があまり持てませんでした。

暮れの忙しさに加えて折り紙に夢中になってしまって^^。

友人たちの小さなお孫さんへのプレゼントです。

 

はらぺこあおむし

 

拙い感想ですが、今年もよろしくお願いします。

 

 

堀文子さんのカレンダー

 

 
     お月さん舟でおでかけなされ  神沢 利子

 

 海はこんなに広くて、海はこんなに美しくて、海はこんなに孤独なんだと、壮大さと繊細さにじっと見入ってしまいました。その海を行くお月さんのやさしさと静けさ。愛しい者を見つめるまなざしは何よりも強い力を持っているように思えました。
 赤羽氏の『つくり手が創造力を発揮すれば、素人、専門家を問わず、いろいろな未知の世界をうみだす』という言葉の通り、読む側も自由に想像の翼を広げることができます。

 


夜行 (小学館文庫)  夜行   森見 登美彦

 

  不思議な物語でした。始まりはミステリーようにも思えましたが、だんだん悲しさの方が大きくなり、やがてとても寂しい世界を漂っているような気持ちになりました。自分のいる今の世界の裏にもう一つの世界があり、自分もそこに存在している…。そんな不可解な世界が、とある銅版画と「夜」で過去へ現在へ複雑に繋がり、最後は読んでいるわたし自身が寂しさに絡めとられないようにと願いながら読みました。

  鞍馬はいかにも闇と繋がっていそうなところですが、京都から離れた場所にもこんな闇があるんですね。若いときに何度も夜行列車に乗りました。決まった線路の上を走っているのに、暗い窓の外を眺めていると、どこの町を走っているのか、どこへ向かっていくのかと、不安な気持ちになったことを覚えています。朝が来て、結局目指した街へ、現実へと着くのですが。

 


永遠の出口 (集英社文庫(日本))  永遠の出口    森 絵都

 

  多感な少女が、悩んだり迷ったり、笑ったり泣いたりグレたりしながら成長していく姿が描かれています。と書けば簡単だけど、こうやって生きていくことのすべてが愛おしく懐かしくなる温かい作品でした。

 青春時代は傷つきやすく波乱万丈。でも、大人になるとそうそう自分ばかりが主人公の生活はしていられません。それでも、最後のページにあるとおり 『私は元気だ。まだ先へ進めるし、燃料も尽きていない~どうかみんなもそうでありますように。』と、自分へも周りの人々へもエールを送りたくなります。 若さの輝きはないけど、味わいのある人生です。

 


さよならの手口 (文春文庫)  さよならの手口   若竹 七海

 

 葉村晶さん…。読み終えた後、本当に胃が痛くなりました。次から次へと厄介なことに巻き込まれるあなたのせい、じゃないですよね。おもしろくて400㌻をほぼ1日で読んでしまった疲れのせいですよね。勘もいいし、頭もいい。そして人もいい。運はどうでしょう。いいのか悪いのか迷うところですが、周りの人たちからそれなりに信頼され愛されているのだから、トータルで『良し!』ということでしょうか。

 本筋の人探しだけでも大変な仕事なのに、サイドで起きた詐欺女まで絡んできて、いつもの倍ケガをし入院までして、2倍疲れさせてもらいました。



おばあさんになるなんて   おばあさんになるなんて   神沢 利子


  写真で拝見すると華奢で創作一筋の印象ですが、淡々と語られる人生は家族の関係でも経済面でも苦労の多いものでした。前に『同じうたをうたいつづけて』を読んでいたので、重なる部分もありましたが、胸に秘めていた思い、お金を稼げない夫、書くことを始めた頃の生活など、こちらの方がもう少し深く自分を語っているように思えます。   

  年齢が近い身としては、がむしゃらに生きているうちにおばあさんになり、なりゆきに任せる日々だけど心騒ぐこともあると、先輩に教えられ励まされるような読書でした。大変なことの多い人生だけど心は豊かな人生です。



ストロベリーライフ (毎日文庫) (毎日文庫 お)  ストロベリーライフ     荻原 浩

 

  400㌻をほぼ一日で読み終えたのは、やはりおもしろかったから。そして、読みやすかったからですね。嫌がっていた農業、苺作りにのめり込んでいく主人公の心の動きや農業の大変さがひしひしと伝わってきて、これから苺を買うたびに「ありがとう」と言ってしまいそうです。親がどんな思いで仕事をしてきたか、親になってみないとわからないのかもしれません。家族のあり方、子どものかわいらしさなど荻原さんらしいなと思いましたが、なぜかちょっともの足りなさも覚えました。何か足りない。荻原さんらしい作品なのに荻原さんらしさが足りない…と、わたしの勝手な思い込みです。



ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)   ジヴェルニーの食卓   原田マハ


  絵に限らず、作品は実際に自分の目で見ることが感動につながるのだと思います。1枚の絵が語りかけてくるものを自分だけの感性で受けとめる…。それでも、こうやってマハさんの物語を読むと、画家たちの作品にかける思いや、彼らを支え、慕った人々の思いが伝わってきて、作品がより深くより強く語りかけてくるように思えます。とくにモネの章は、破損した睡蓮の絵の修復過程を描いたテレビ番組を見たことも重なって、読んでいる間中、水藻に映る光や植物の静かな佇まいが目に浮かんでいました。

 

      三毛猫 11月 家族が増えました。

 

  10月22日に子猫を保護しました。

 

以前病気の子を我が家に引き取った保護団体に連絡したところ

「病院で検査し、病気がなければ引き取ります。」

と言われました。

猫エイズも白血病も陰性。ワクチンも接種しました。

あたらめてその旨を伝えたところ

「ワクチンの効果が表れるまで2週間そちらで面倒を見てほしい。」

と…。

 

 

2週間たって、少し人にも慣れてきたのでよろしくと連絡したら

「人懐っこい子でなければ里親は見つからないので引き取れない。」

 

えっアセアセとなりましたが、何もかもわたしの責任と自分に言い聞かせて

我が家でいっしょに暮らすことにしました。

臆病で警戒心いっぱいですが、やっぱり子猫はかわいい♪

ゆっくり家族になれればと願っています。

もちろん、病気の老猫2匹もかわいいですよ。

 

 

いつもこんなふうに、思い通りにはいかず

肩に乗っかかるものを増やしてしまうわたしの生活。

ぐちゃぐちゃのまま今年が終わりそうです。

無理をせず、やれる範囲でやるっきゃない!

 

 

            本  駆け足の感想ですが…。


帰郷 (集英社文庫) 帰郷   浅田 次郎

 

 抑えた文で静かに表現されていますが、戦争がもたらした十把一絡げではない悲しみや苦しみがひしひしと伝わってきます。それは多分、どの戦争でも同じ。始まってしまったらもう戻れない、失われた命も時間も取り戻せない…。

 伝えていくことが人間の知恵だと改めて感じました。

 


プレゼント (中公文庫) プレゼント  若竹 七海

 

 葉村晶シリーズの1作目。「錆びた滑車」から20年以上も前の作品です。

頭痛がするのに葉村氏に会いたくて頑張って読み進めたせいか、う~ん、最後はどうなったの、と余計に頭が痛くなる話もありましたが、若い頃の葉村氏に会えたのはよかったかな。ただでさえ面倒なことの多い人生なのに、葉村氏の周りにいる人は、さらに面倒なことを起こしたり巻き込まれたり…。でも、テレビを見ていると、けっこう面倒な隣人や家族がいるのも現実ですね。次はどんな面倒に巻き込まれていくのか、楽しみに待っています。

 


慈雨 (集英社文庫) 慈雨   柚月 裕子

 

 自分の正義を貫くことは難しいけど、自分の過ちを認めることはもっと難しいかもしれません。何もかも失う覚悟で自分の過ちを認めようとする刑事と、同僚や家族のしっとりとやさしい『慈雨』のような物語。初めての作家でしたが、評判にたがわぬおもしろさでした。

 ただ、フィクションとわかっていながら、現実に起きている事件や事柄と重なって、読みながら胃が重くなってしまいました。結末に安堵しながらも、どこかに小さく引っかかるものもあって…。もし、2件目の事件が起きなければ、1件目の冤罪ははれなかったのかも気になりました。   
  


西行 月に恋する 西行 月に恋する  三田 誠広

 

 名前や短歌について教科書で学んだだけの知識しかありませんでしたが、その名前と「月に恋する」のタイトルに惹かれて手に取りました。

 出家するまでは、生い立ちとともに西行の心情が物語られておもしろく読めましたが、出家後は登場人物が多く歴史の教科書を読んでいるようでちょっとつらかった…。聡明さと細やかな情で男女を問わず周りの人々から好感を持って受け入れられた西行。懸命な努力にもかかわらず、貴族から武士の世へ、動乱の世へと時代が移り変わっていきます。恋した人や近しい人を送り、どのような思いでその後を生きたのでしょうか

 


月に恋 月に恋
 写真を中心に、月にまつわる世界各地の伝説、和歌や俳句、月に関する簡単な知識等が記されています。美しいタイトルと同様に、さまざまな月の画像がとてもきれいです。その月を眺めて文を読み、また月を眺めて…。

 地球のたった一つの衛星。太古には月はもっと地球に近かったとか。大昔の人間の祖先は今よりずっと大きな月を眺めていたのでしょうか。月を愛で、月を詠み、月に祈ってきたわたしたちを、その美しい光でこれからもずっと照らしてほしいと願います。

 


セミ神さまのお告げ (日本傑作絵本シリーズ)  セミ神さまのお告げ (日本傑作絵本シリーズ)  宇梶 静江

 

 「シマフクロウとサケ」を読んで、古布絵のすばらしさに惹かれて手に取りました。。アイヌの人々の自然に対する畏怖と知恵、古布への愛情、想像力と技術のすばらしさが感じられる絵本です。

 ほんの少しだけ手芸をする身にとっては、どのページも愛おしい。

 


白夜の警官 (小学館文庫) 白夜の警官   ラグナル ヨナソン

 

 「雪盲」に続く若い警官アリ₌ソウルの物語。

 警官といえども一人の人間。まちがいも失恋も家庭の問題もあるのはわかりますが、殺人事件の捜査と同時並行に悩み続けているのは、読んでいる方も心配で不安です。今野氏が『警察小説は入れ物』と言っていましたが、こんなにたくさんの問題が入っていると、読む方はちょっと疲れます。

 犯人逮捕に至るまで場面より、アリ₌ソウルが元恋人のデイト現場に突入する場面の方がハラハラしてしまいました。事件解決の幕引きがこれでいいのか考えさせられます。

 


([わ]3-1)プラスマイナスゼロ (ポプラ文庫) プラスマイナスゼロ   若竹 七海

 

 このタイトルは、3人の女子高校生に教師がつけたあだ名?ひどいあだ名だけど、当の3人はまったく気にしていない様子です。彼女たちにとって大切なのは周りの目ではなく、自分たちの納得のいく生き方(大げさだけど)と互いを認め合う気持ち。その関係は心地よく見えます。

 好きな作家なのでそれなりに楽しく読みましたが、女子高校生の会話のリズムについていくのは大変でした。正直に言うと、中年探偵の葉村シリーズの方が好きです。

 


本バスめぐりん。 (創元推理文庫) 本バスめぐりん。  大崎 梢

 

 移動図書館の話題から本仲間に薦められた本。先日文庫化されたばかりです。

 本に限りませんが、いい出会いやきっかけがあると少しだけ世界が広がり、方向が変わることがあります。そんな出会いの場をたくさんの人に届ける移動図書館めぐりんをめぐる?職員と利用者さんとのほのぼのしみじみとした話です。お仕事本のようでもあり、雰囲気が和菓子のアンちゃんと似てるかな。

 ノーベル賞を受賞した吉野さんが、先生に薦められた本で科学に関心をもつようになったと話されていました。本に関わる人々の地道な活動が様々な幸せを運んで来ます。

            

 ハサミ 久しぶりの手仕事 アセアセ

   

 

祖父が残してあった背広用の布でベストを作ってみました。

 

  

 

 こちらももらった布でエプロンドレスを。

 娘に「作ってあげようか」と言ったら、「絶対いらない。」と言われました。

 自分の不器用さと雑さを改めて感じました。

 

  三毛猫猫の保護活動や友人に頼まれた犬の病院通い等で、自分のキャパを超えて動き回っているかなと、また体力の衰えを実感した10月でした。

 犬は、一人暮らしの高齢男性が飼っていたのですが、足が悪くて病院に連れていけないということで、近所に住む友人が見かねてわたしに連絡してきました。残念ながら犬は空へと旅立ち、男性はとても寂しそうでした。これから独りぼっちの毎日が始まります。何か力になれたらと思っていますが、こちらのペースで動くのはかえって迷惑かなと考えてしまいます。

 

  保護活動は数人のメンバーでやっているのですが、同じようで少し違う考えの人もいて、

この先どうしようとちょっと胃が痛くなることも…。とくにお金が絡んでくると難しいですね。

 基本的にわたしは猫が心穏やかに暮らしていければいいのですが。

 

 菊の花が咲き始めました。11月は少しゆったりとした気持ちで過ごせるでしょうか。