カレンダーが残り2枚になりました。

          一人で過ごす時間、読書と編み物をしていることが多いのですが

          本格的に寒くなる前に家の中と庭の片づけをしなくっちゃ、と

          ひでこさんを見習って体を動かしています。


ひでこさんのたからもの。

 ひでこさんのたからもの。


 紀伊國屋のガーデニングコーナーで目にした本。1920年台生まれのご夫婦 が、お互いを思いやり、いたわり合い、尊重し合いながら、日々をていねいに紡いでいる様子が伝わってきます。

語弊のある表現かもしれませんが、この年齢なのに名前で呼び合い、二人が対等の関係なのがすてきです。畑で作ったものを中心に食を大切にし、人への贈り物も買ったものではなく手作りの物をという徹底ぶり。

『とにかく手を動かし続けることが大事ね』…手抜き生活を、大先輩にやさしく諭されているようでした。
 著者:つばた 英子,つばた しゅういち

 


ふたりからひとり ~ときをためる暮らし それから~ ふたりからひとり ~ときをためる暮らし それから~

 

 先に読んだ「ひでこさんのたからもの」は写真の多い、やゝレシピ集みたいな本でしたが、こちらは二人の生き方考え方がより深く綴られていて、共感し考えさせられることの多い内容でした。

夫しゅうタンがお昼寝の間に静かに亡くなり、一人になったひでこさん。でも『わすれられないおくりもの』のように、夫の残したもの、二人で築いてきたものを大切にして、誰かのためにとていねいに暮らしていく姿に、歳を重ねることの強さを感じました。

「最後まで自分の足で立って生きる」…歩く道は人それぞれですが、そんなふうに生きていきたいと思いました。
 著者:つばた 英子,つばた しゅういち

 

 

冷蔵庫を抱きしめて (新潮文庫) 冷蔵庫を抱きしめて


 単行本が出たとき、タイトルから内容が想像できずにひたすら文庫化を待っていました。引き出しの多い荻原さん。楽しい話だろうなと予想していたのですが、笑えるようなゾッとするような、また新しい引き出しがふえたなと思える短編集でした。周りからは何の苦労もないように見えるけど、中に詰まっているのはコンプレックス、迷い、自意識過剰などなど、面倒くさいものばかり。その面倒くさいものを、ちょっと呆れてはいるけど温かい目線で描いています。

DV夫に反撃した主婦の話が一番好きですが、こんなふうにはいかないだろうなという寂しさもちょっぴり。
 著者:荻原 浩

 


生きるぼくら (徳間文庫)  生きるぼくら


 悩みながら、迷いながら、もがきながら生きる人々への、マハさんの心からの    エールです。

『生きるぼくら』、いいタイトルですね。自分だけの世界にこもり、ネットで世の中と繋がっていると思っても、それは頭の中だけで作り上げた実感のない世界。『凍れる冬。水温む春。灼熱の夏。豊穣の秋。巡る季節』に指先や皮膚からも伝わってくる自然の生命力にふれると、自分も自然の一部で生きようとしているんだと実感できます。そこにいるみんなとも確かに繋がっていると感じることができます。

自然の力、人の力、そして言葉の力を教えてくれる作品でした。
 著者:原田 マハ

 


リンさんの小さな子 リンさんの小さな子


 悲しみを知る二人の老人が、たとえ言葉は通じなくても心を通い合わせて寄り添っていく姿に、感動ともうこれ以上の悲しみが押しよせませんようにと不安を覚えながら読み進めました。

頑なに扉を閉ざして生きていくこともできるのかもしれません。でも、温かい手にふれたとき、本当はこの温かさを求めていたことに気づきます。それが人生にとってどんなに大切で価値のあるものか、失ったことのある人にしかわからないかもしれません。そして、そんな二人に訪れた奇跡…。奇跡を信じていいんですよね。
 著者:フィリップ クローデル

 


やさしいねこ やさしいねこ

 

 写真家太田さんとの出会いは「しろさびとまっちゃん」でした。原発避難区域に 残された動物たちの実情を知るきっかけになった本です。

その太田さんが近所で見つけた猫を家猫にし最期まで大切に見守った心情が写真と文で綴られています。 表紙の猫はぽーちゃん。穏やかでいい表情ですね。味のある写真ばかりですが、外猫時代、雨の日に傘の下でちょこんと座っている写真が好きです。

 猫にも1匹1匹個性があり、考え方も違います。その個性を温かく受け入れ、やさしく語りかけながら接する太田さん。行動力にも愛の深さにも頭が下がります。
 著者:太田 康介

 


星戀 (中公文庫) 星戀


 すてきなタイトルでしょう。葵麗さんのブログで知った本です。

 2017初版となっていますが、底本は1954年発行。内容はちょっと渋めです。

 

星を愛する二人の随筆と俳句の作品集で、描かれている星空や風景、季節は昭和10年、20年代のものです。わたしが子どもの頃でさえ、鹿児島で見ていた星空は、それこそ宝石箱をいくつもひっくり返したように美しいものでしたが、戦中戦後はなおさらの美しさだったことと思います。

独特の言い回しも味わい深くきれいです。「銀漢」は天の川。

  『銀漢や水の近江はしかと秋』

北斗七星は知っていましたが、南斗六星もあることを初めて知りました。

  『オリオンが出て大いなる晩夏かな』

星座の知識が乏しいわたしがすぐにわかるのがオリオン座。それから北斗七星、カシオペア座。かなうなら、満天の星空をもう一度見てみたいなと思いました。

 著者:野尻 抱影,山口 誓子

 

 

       わたしの4人の親はもう他界し、叔父や叔母たちも

       他界したり介護の生活に入ったりしています。

       先日、東京に住む従姉から

       「母があなたをわからなく前に会いに来て。」

       と電話があり、今日行ってきました。

       69才の従姉が92才の叔母を自宅で介護しています。

 

       従姉が

       「○○さんの長女の△△さんだよ。」

       と言って、しばらくはわかってくれているのですが

       すぐに 「誰だったかしら。」

       それを30回ほど繰り返したでしょうか。

 

       でも、昔のことはよく覚えているのです。

       古いアルバムを見ながら、戦争中や戦後の話をするときは

       人の名前も地名もすらすら出てきます。

       アルバムの中に見つけた父の若い頃の写真。

       父と祖母の写真もありました。

 

               

     

       父は台湾で生まれ、台湾から出征していきました。

 

              父と祖母

       

        父の頭が丸刈りなので、多分出征する前に撮ったのだと思います。

        祖母には5人の男の子がいました。父はちょうど真ん中。

        3人が戦争へ行き、二男が戦死しました。

        当時、何人も息子がいて次々と戦地に送り出す母親は

        どんな気持ちでいたのでしょうか。

        ただひたすら、無事で帰ってくることだけを祈っていたのでしょうね。

 

        叔母の記憶がなくなると、もうわたしたち家族の戦争を知る人も

        いなくなります。

       

 

                            今年は秋の訪れが早かったような気がします。
             気がするだけで、例年とそれほど変わりはないのでしょうか。
             風に揺れる花を眺め
             やさしくなった雲や夕焼けを眺め
             夜空の月を見上げて
             もういなくなった人を思い
             小さき者 弱き者の安らぎを祈る…
            
             今月もいい作品に出合えました。
 
                 天上の葦(上)      太田 愛               
 
    天上の葦 上
 
図書館に予約して待つこと5か月。次に待っている人も多いはず、急がなくっちゃと気合を入れて読み始めましたが、すぐに惹き込まれて閉じられなくなりました。
 
おもしろい!おもしろいけど怖い…。中心にいる探偵たちのやりとりは楽しいのですが、公安という組織やメディアの裏が怖くてゾッとしました。途中から、気合は「この怖さを受けとめられるだろうか」という不安に変わりました。(上)を読み終えてしみじみと表紙を眺め、このタイトルや絵の意味するものは何だろうと考えています。
(下)を読まずに逃げる手もあるけど、どうする?  もちろん、行きます。
 

天上の葦(下)      太田 愛 

 
文字のない物語  アライバル
 
見開きのたくさんの肖像画を見ると、世界にはどれだけの民族がいるのだろうと考えさせられます。多分、絵に描かれている人々よりもっともっとたくさんですね。その中で、自分の国といえるものをもち、自分たちの言語で生活していける民族はどれくらいいるのでしょう。
貧困、戦争、差別に苦しみ、移民となって生きることを選んだ人々の笑みのない表情が、一つ一つの絵から強く胸に迫ってきます。
わたしたちに襲いかかるものは何て大きく、わたしたちの胸にあるものは何て小さく美しいか…。最後の絵が、その小さなものを信じなさいと語りかけてきます。
もっと明るい世界を想像しなくてはならないのでしょうが、ロギンヒャやクルドの人々のニュースを聞いていると、つい考えが重く沈んでいきます。
 
 
銃とチョコレート (講談社文庫) 
 
少年が持っている箱のタイトルは『冒険』。そう、これはミステリーというよりは、ハラハラする冒険物語でした。
 箱を開けると、中に入っているのは、貧しい暮らし、友情、好奇心、あこがれ、ずるい大人、拳銃、暴力、死、そして母や祖父の深い愛、父の正義と知恵。 
次々に襲ってくる不可解で恐ろしいできごとを、少年は素直な目と心で乗り越えていきます。 箱の中が静かになってふたを閉じたとき、箱のタイトルが変わっていました。『家族が歩いてきた道への誇り』。  <追記>あらすじではありません^^。一応感想。
 
 
 
森と氷河と鯨 ワタリガラスの伝説を求めて  星野 道夫
 

森と氷河と鯨 ワタリガラスの伝説を求めて (文春文庫)

 
初めて読んだ星野氏の本「旅をする木」には写真がありませんでした。でも、文だけの本なのに、静かな海や凍るような星空、深い森の映像が、まるでそこにいるかのように心にうかんできました。
この本はたくさんの写真と文で構成されています。その写真の美しいこと。長い長い時間の向こうから、遠く旅してきた光や風がたくさんのことを語りかけてきました。
言葉にできない物語があること、星も森も無窮の旅を続けていること…。 わたしにとって、星野氏の文や写真はにふれることは、祈りです。
 
 
 
      冬虫夏草   梨木 香歩    冬虫夏草 (新潮文庫)
 
『家守綺譚』から続く物語。
『家守綺譚』と同じで、心地よい、理屈抜きに心地よい物語でした。
まず、身の周りにあるもの、触れ合う人々をあるがままに受け入れる、主人公の素朴で温かい心根が心地よいのです。そして、彼の言葉を借りて語られる、人以外の世界との折り合いのつけ方が心地よく、亡くなった人の思いや残された人々の哀しささえも儚く美しくて。
ただ、そんな世界にばかりいると、何だか主人公までがあちらへと行ってしまいそうで心配でしたが、やっと会えたゴローの笑みと「来い、ゴロー。家へ、帰るぞ。」の言葉にホッとしました。
 


 

 

 

       急に涼しくなって、今朝は長袖のカーディガンをはおってしまいました。

       このまま秋、となるのでしょうか。

       

       1歳ちがいの妹がいます。

       二人とも白髪が目立ち、孫のいる年齢ですが。

       二人でよく話すこと。

       「思っていた老後とはずいぶん違うわね。」

 

       年をとると穏やかにゆったりと過ごせることを期待していたのですが

       現実には悲しいことが多く、そして忙しくて

       季節の移り変わりがたまらなく切なくなりました。


猫と五つ目の季節 猫と五つ目の季節


 三毛猫ポチと暮らした13年間の温かい時間、そして最後にやってくる辛い別れが、悩んだりあたふたしたり、周りの人に助けてもらったりしたことも含めてとても素直に伝わってきました。

 亡くなったポチの体を撫でたりお腹に顔をうずめたりする場面では、わたしもいっしょにに同じことをしているような気持ちになりました。

 こんなにも深くやさしい猫への愛。ポチはどんなに幸せだったことか。ポチが見つめる庭の木や草花、空の移り変わりの描写がとてもきれいで、ポチまでが詩人に思えてきます。

 我が家の猫は、12才11才そして年齢不詳。これから3匹を送るたびにこんな悲しい気持ちになるのだと辛くなりましたが、それよりも今はもっと可愛がってあげようと思いました。山田さんの音楽も聴いてみようかな。

   著者:山田 稔明

 


ARTIST to artist 未来の芸術家たちへ 23人の絵本作家からの手紙ARTIST to artist 未来の芸術家たちへ 23人の絵本作家からの手紙


 Aの安野光雄さんから始まって、世界的に活躍する絵本作家たちからの文と絵のメッセージ。

 子どもの頃から描くことが大好きだったこと、成功しなくても描くことをやめようとは思わなかったことなど、絵や絵本への愛情があふれています。わたしが知っている作家は数人でしたが、実際の絵本と合わせて読んだらおもしろいだろうなと思いました。 

 絵本は、大人が読んでも楽しいけど、子どもたちは大人よりも豊かな想像力でいろいろなことを感じているのでしょうね。絵の中でたくさん遊んでほしいですね。
   著者:エリック・カール絵本美術館ほか

 


ムッシュー (集英社文庫) ムッシュー


 ムッシューさんが穏やかでユニークで、彼なりのユーモアのセンスもあっていい人だから、わたしものんびり読み終えました。感想を書くのはとても難しいのですが、いいなあと共感できたところが1か所。『夕食後ムッシューは、屋根の上にのぼったーそして椅子を片手に、あらゆるものから静かに遠ざかった。』 屋根の上でなくても、一人で静かに空を眺める時間は誰にでも必要です。

 夕方の空、星空、朝焼けの空。パリのすてきな紳士もどこかでバランスをとっているのでしょうか。 感想になりませんが。
    著者:ジャン‐フィリップ トゥーサン

 


アイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫) アイネクライネナハトムジーク


 世界を救うスーパーヒーローにはなれないけど、小さな善意と機智で身近な人を幸せにするヒーローたち。誰かをやっつけるためではなく、誰かを守るために行動できるなんて、人も世の中も捨てたもんじゃない!ですね。 

 登場人物がみな楽観的で、会話や笑顔がすてきです。そんな彼らに応援歌を送る斎藤さんもいいですね。
   著者:伊坂 幸太郎

 


優しい言葉―パンとスープとネコ日和 (ハルキ文庫) 優しい言葉―パンとスープとネコ日和


 母の死、お店の開店、愛猫の死と大変なことがあったシリーズ。そこを乗り越えての3冊目は、いくらか落ち着いて大きな出来事もなく日々が進みます。

 でも、人の暮らしに何もないということはなく、気持ちが沈んだりざわついたりする日もありますが、優しい言葉がそっと背中を撫でてくれます。

 多分、現実を生きるわたしたちの暮らしは、もっとぐちゃぐちゃでバタバタで、言葉もとげとげしくなりがち。物語のようにはいかないけど、アキコやしまちゃんのいるお店で温かいスープが飲めたら、少しはホッとできるかもしれませんね。
    著者:群 ようこ

 


やさしいけしき やさしいけしき


 18人の詩人の37のやさしい詩。穏やかで温かい言葉が静かに心にしみてきます。今までに読んだことがある詩も、こんなふうに気持ちを寄せ合って集まると、改めていいなあと思えてきます。  

 ボランティアで高齢者の方々の学習会に参加していて、いっしょに詩を音読します。季節を感じられる詩、明るい気持ちになれる詩、しみじみとした気持ちになれる詩がいいようです。この詩集からもいくつかいっしょに音読できそうです。

 


楽園のカンヴァス (新潮文庫) 楽園のカンヴァス


 1枚の絵からこんな美しい物語が生まれるなんて、絵のもつ力の大きさと、原田さんの絵に対する愛情の深さならではですね。

 画家ルソーの情熱、ルソーによせる二人の研究者の愛情、そして最後に明かされる、いたずらとも思える人間関係。いくつものドラマが織り重なって、芸術を支えるものはこんなふうに純粋でひたむきな思いなのだと改めて感じました。

『夢をみた』…温かく、光に包まれているかのような夢でした。
   著者:原田 マハ

 

       暑中お見舞い申し上げます

 

        暑さと忙しさでなかなか読書が進みません。

        気持ちも乗りませんが、そんな中で手に取った本は

        疲れを癒してくれるようなものが多かった…かな。

 

最果てアーケード (講談社文庫) 最果てアーケード


 10の物語が紡がれた小さなアーケード。

ドアノブだけを扱うノブさんのお店にはドアを開けるとすっぽり入れる空間があります。

読み終えて思いました。この本全体が、読者にとってのあの空間だと。そこにじっとしているだけで悲しみがこみあげてきて、やがてその悲しみがとても愛おしいものに変わっていきます。

静かに誰かを思い、静かに誰かを待ち続ける「善き人生」。
 著者:小川 洋子

 

 

風に舞いあがるビニールシート (文春文庫) 風に舞いあがるビニールシート


6話の短編にそれぞれの味。ちょっとした苦みと辛み、そして甘

み。もちろん主人公にスポットが当たってはいるけれど、周りにいる人々にもお互いを引き立て合ったり助けたりする味があって、一人で道は開けないのだなと思わされます。

 

好きなCMの言葉ではありませんが、世界は誰かの仕事でできていて、その仕事は誰かのためにとつながっているのでしょう。解説にもあったように、「お金以外のために」。
著者:森 絵都

 


猫の手、貸します 猫の手屋繁盛記 (集英社文庫) 猫の手、貸します 猫の手屋繁盛記


人が猫の姿で生活するという不思議な設定ですが、「猫でも人でも、そんなことどっちでもいいじゃないですか!」と、おおらかで人情味あふれる長屋の住人たちが逆に不思議に思える楽しい作品です。

百の善い行いを積むと元の人間に戻れるようですが、先が長い! 

住人のやりとり、幽霊や妖怪…よくある江戸の町人たちの暮らしも、少し手法を変えるとまたちがう味が出てきておもしろいですね。次も楽しみ。
 著者:かたやま 和華

 

 

でんでんむしのかなしみ でんでんむしのかなしみ 


この作品は今までに何冊かの絵本になっていて、絵によって少しずつ受ける印象もちがうかもしれません。

文だけを読んで考えました。そう、みんな悲し身を背負って生きている…。そして、その悲しみは誰かと比べることはできないし消えることもないけど、思いやりながら生きていくことができる…。

背中のからではなく、人はみな心の中に悲しみを背負っていると、子どもたちはいつ気づくのでしょうか。 小3の孫には絵の方がインパクトが強かったようです。
 著者:新美 南吉

 

 

木のまつり 木のまつり
いっしょに読んだ「でんでんむしのかなしみ」と同じ、鈴木靖将さんの絵がとても印象的です。

『まつり』という言葉にわくわくしながらページをめくりました。こんな緑の野原や蝶や蛍の群れを、子どもたちは想像できるでしょうか。とにかく絵がきれいです。誰もいない野原の奥で、こんなすてきなおまつりが繰り広げられているんですね。
 著者:新美 南吉



その雪と血を(ハヤカワ・ミステリ) (ハヤカワ・ミステリ 1912) その雪と血を(ハヤカワ・ミステリ)

 

物語の主人公は殺し屋。そして、物語を紡ぐのも殺し屋。

北欧の長く暗い冬が舞台で、心まで凍っているかのように残酷ですが、なぜか美しいクリスマスの物語です。
 著者:ジョー・ネスボ

 


骨と翅 (ヴィレッジブックス) 骨と翅

 

法人類学者デヴィッド・ハンターシリーズの3冊目。1も2もドキドキしてぐったり疲れてしまったので、今度は何が来ても驚かないぞと構えて読みました。それでも、よくまあこんなことを考えつくものだとあきれるほどのおぞましさ。

 

死体農場と呼ばれる人類学実験場の研究の様子も、これを仕事として受け入れるのはかなりの使命感が必要だと思うほどの過酷さでした。気持ちが沈みがちな仕事なのに、主人公には安らぐ場所がない…。幸せな私生活より今の状態の方がおもしろいのかもと、読者は勝手なものです。
 著者:サイモン・ベケット