出発して1時間程で夕食が出た。日本の航空会社だというのに、配膳してるのは青い目の外人スチュワーデス。片言の日本語で「肉にしますか?魚にしますか?」と聞いてきた。肉をチョイスしたけれど、まあこの肉の固いこと。機内食なんてこんなもんなんだろうな。

昔、海外出張の多い先輩から時差ボケにならない方法を聞いたことがある。とにかく現地に到着して、現地時間で寝る時刻になるまで寝ないことだそうだ。とはいっても空路表示のディスプレイはひたすら海しか表示していないし、機内の照明も絞られてくると、リクライニングを最大に倒していては寝るなというのが無理な相談だ。気がつけばうつらうつらと眠りの世界に誘われていたのだった。

2~3時間もまどろんだろうか。日付変更線も通過して、ぼちぼち座り続けの尻が痛くなってきたころ、ようやくディスプレイに北アメリカ大陸が見えてきた。目指すシカゴはアメリカを半分行かないと着かないところだ。ディスプレイを切り替えて映画(もちろん日本語字幕付き)を見ることにした。その年の秋に公開予定の「アイスエイジ」があったので、これを見ながら時間をつぶすことにした。

usa 5大湖がディスプレイに見えてきた。ようやく最初の目的地シカゴに到着するようだ。乗り換えや会話はS君にお任せの私は着陸の恐怖(笑)に備えるだけだったが、S君は違ったようだ。一つ前の席でなにやらブツブツ言っている。
私「どうした?」
S「いや、乗り換えの道順を聞く時の会話のおさらいです」
私「そんなに面倒くさいの?」
S「でかい空港なんで、国内線のターミナルまで移動しなきゃならないみたいです」
私「そか、シカゴは時間の余裕あるよね」
S「それは大丈夫みたいです」
S君にそういわれて改めて空港の案内図を見てみる。確かに一度ターミナルビルを出て、空港内シャトルで国内線ターミナルまで行く必要があるようだ。

ディスプレイが着陸の様子を映しだした。いよいよアメリカに上陸だ。
思わずアメリカ国歌を鼻歌でしてしまったのは、お登りさん的発想だったのだろうか。これから始まるとんでもない事態など想像もせずに・・・・                       (続く)

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ブロック 優勝候補 コメント 備  考
関東1部A 法政・早稲田 現在全勝で11/23に直接対決 勝者がクラッシュボウルへ
関東1部B 日大 直接対決を制し優勝 クラッシュ進出
関西1部 関学・立命 全勝キープ 11/25勝者が甲子園へ

関東1部Bの日大vs慶応の全勝対決は48-24で日大が圧勝、7年ぶりのブロック優勝とクラッシュボウル進出を決めた。関西1部関学は京大を45-7で、立命は関大を17-9でそれぞれ下し、25日の全勝対決へと駒を進めた。



sd
成田で同行する、審判では後輩に当たるS君と合流。この頃の成田はすでに全館禁煙になっていた。S君も愛煙家なのは私にとっても幸いなのだが、喫煙可能な喫茶店を探すのが一苦労だった。


S「アメリカって今じゃいたるところで禁煙らしいですよ」


私「おいおい、聞いてないよ」


S「喫煙コーナーはあるらしいんですが、少なくとも機内とか空港の施設内はダメみたいです」


私「そっか、まあ仕方ないね。それより通訳よろしくね」


S「なんとか旅行会話くらいはできますから」


S君夫婦には子供がおらず、夫婦2人で半年に一度くらいのペースで海外旅行を楽しんでいるらしい。ここまで来たら、何もないことを祈ってS君のコミュニケーション能力に頼るしかない。



旅行代理店のカウンターに行き、チケットを交換した。当初はダラスに直行し、そこからローカル便に乗り換えて約1時間というルートだった。交換されたチケットで確認したら、最初の目的地がシカゴに変更になっている。シカゴから国内便に乗り換えてダラスへ、そしてローカル便というルートだ。発着時刻を見ていたS君が「ダラスでのローカル便への乗り換えが30分しかありませんよ」と言い出した。確かにチケットにはそのように記載してある。「代理店が手配したんだから大丈夫じゃないの」あくまで呑気な私であった。




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その後、チェックインカウンターに並ぶ行列につき、やたらと大きな荷物を3つも4つも抱えた中南米と思しき連中や、コニシキもビックリというサイズのアメリカの黒人などとともにチェックインを済ませた。あ互いに旅行かばんひとつなので、私たちは機内持ち込み荷物にして、チェックインを終えた。アメリカで受け入れてくれる現地の審判仲間へのお土産や、滞在中のタバコなどを免税店で買い込み、機内では吸えないタバコを一服。案内に従って機中に入った。



日本の航空会社なので、少なくともシカゴまでは言葉で不自由はしないだろうということで、私たちは別々のシートを取った。国内線と大差ないつくりの機内、客席は8割程度埋まっている。足元に荷物を置くと早速靴を脱ぎ、リラックス体勢になった。やっぱり日本人なんだろう。目の前の液晶ディスプレーは日本で未公開の洋画や空路を表示する地図などが切り替えで見られるようになっている。なんせ半日、12時間以上を機内で過ごすのだ。のんびりいくしかなさそうだ。持参した文庫本を取り出してライトを点けた。



pl
しばらくすると離陸になった。お恥ずかしい話だが大学生になるまで飛行機に乗ったことがなかった。卒業してからの初任地が福岡だったこともあり、その後はそれなりに飛行機は利用しているのだが、いまだに「鉄の塊が空を飛ぶ」という印象が強く、特に離陸と着陸の時には緊張する。ディスプレーでは機首につけたカメラが離陸の様子を映している。夏の日差しがまだまぶしい夕刻、なんとか無事に離陸した。はてさて、ここからどんなことがまちうけているのやら・・・・・空路表示に変わったディスプレーでは、機体が日本列島から離れつつあるのが映し出されていた。                         (続く)

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jp 英語が苦手である。フットボールの審判をやっていても、しゃべれないものはしゃべれないのだ。これまでに、海外の経験はわずか2回。最初の渡航は新婚旅行で、行った先はほとんど英語が必要ないグアムだった。これから始める物語は、その数少ない海外経験で実際に起きた珍道中の話である。


関東・関西の審判は、秋のシーズン前に本場アメリカで審判クリニックを受けられるという研修制度がある。甲子園ボウルやジャパンXボウルなど、国内の各ボウルゲームで笛を吹くことは、ある程度のベテランに割り当てがあるのだが、この研修に参加できるのも、それなりに中堅以上のメンバーということになる。


hs 私にその研修参加が打診されたのは、ある年のゴールデンウイークを過ぎたある日のことだった。冒頭に述べたように、英語が大の苦手である私にとって、本場のクリニックはとても魅力のあるお話ではあるのだが、言葉の点で躊躇する事柄でもあった。

ここで、前回のお話の最後に登場した、わが妻が再び登場する。「行ってきたら?」この一言で参加が決まった。まあ、ものは試しということもある。おそらくもう二度とお誘いがかからないという意味では千載一遇のチャンスなのだろう。こうしてパスポートをあわただしく取得し、航空チケットなども郵送され、渡米の準備が整っていったのだった。


最初のトラブルは出発前日に起こった。明日以降、1週間ほど会社を休むため、仕事の区切りをつけていたところに電話が入った。チケットを手配してくれた旅行代理店からだった。

旅「お客様のご予約いただいた便が欠航になりました。代替のルートでチケットをお取りしました」

私「そうですか。出発時間とかに変更はありますか」

旅「当初の予定でした午前10時から午後6時に変更になっております」

私「わかりました。チケットはどこで交換すればよいですか」

旅「成田の当社カウンターで承ります」

こんな会話があって、翌日の朝イチの出発から、多少時間に余裕ができた。


key 私には2人娘がいて、高校の修学旅行はそれぞれ海外だった。親バカだから仕方ないのかもしれないが、出発の箱崎エア・ターミナルまでと、帰国の成田は2人とも送迎した。妻も運転はできるのだが、首都高速や知らない道の運転が苦手ということで、私の送迎については、行きの最寄駅までのみということになった。妻に借りたヴィトンのボストンバッグに荷物を詰め、京浜東北→京成という乗り継ぎで成田に向かった。思えば、このヴィトンが悲劇の引き金になるのだが、そのときの私には、ワクワク、ドキドキしかないのだった。

                                             (続く)


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uni まずは関学vs京大(10日13:30、神戸ユニバ)でしょうね。関学にとっては、立命戦まで星を落としたくないところ、京大にとっては、優勝はなくなったものの、古豪の意地を見せたいところでしょう。



hel2 関東では慶応vs日大(11日13:45、アミノバイタル)が注目。関東1部Bブロックの事実上の優勝決定戦。ここ数年優勝から遠ざかっていた日大とブロック優勝はするものの、クラッシュボウルでは法政に歯が立たない慶応。まずはこの関門を突破してクラッシュボウルにつなぎたいでしょうね。



punt 優勝の行方を左右する試合では、関東2部Aの東海vs武蔵(10日13:00、東海大秦野)と関東2部Bの防衛vs駒沢(11日13:00、防大走水)が注目カード。東海は1部に早く戻りたいでしょう。勝てば優勝決定です。武蔵は前節で昨年優勝の東京学芸に残り7秒で逆転勝ち、勢いを東海にぶつけるでしょう。一方の駒沢は今季2部昇格してこれまで全勝。この勢いを防衛が停められるか。防衛はちょうど学園祭だそうです。ホームの勢いが出れば勝敗の行方はわかりませんね。駒沢もこの試合に勝てば優勝決定です。



set2 関東、関西を除く各地では優勝が決まり、入替戦が始まります。九州では福大vs熊本(10日11:20、平和台陸上)と宮崎vs佐賀(10日14:00、平和台陸上)の2試合があります。接戦続きだった九州学生ですが、そのいずれもを勝ちきれなかった福大、全敗だった宮崎がそれぞれ2部で1位2位だった佐賀、熊本と対戦します。ボウルゲームを除けば4年生にとって最終戦、悔いのない試合を期待します。