なみなみ
情緒がいつまでたっても安定しません
不安定すぎて 俗世を捨てたくて 捨てたくて
霞がかっているような もやのようなものが
足へと 腕へと 絡み付いてくるのです
虚ろさを ぬぐうことはできずに おりますが
それの どこからどこまでが正しくて どこからどこまでが憎むべきな
のか
よくわからないでおります
まさに 人という仕事を こなすように
かたかたと 打ちこみ
ぺたぺたと 印をうち
定時には 席を立ち あるべきところへ 戻ろうとするのです
彼女の一日
生きとし生けるもののために
彼女は毎日欠かさず家にあるすべての鏡を拭いて、その日にたまった生ゴミを地面に埋めている
そして
今までは骨すら残っていない、偉人変人凡人のために
彼女は、三度のご飯を作り、窓際でぴったり一時間外を眺めて過ごしている。
やがて
終わりを迎える、地で這いずり回る蝉やミミズのために
彼女は天気に関係なく、外に蒲団を干し、夜には流れ星を数えながら眠っている。
彼女の一日というものは存在しない、亡霊のように、あるものがあるように動いている。あるものにとっては、あるものにとっては、あるものにとっては。
それは連続しあって、繋がるのだ。
眠れない夜に
夜がやってくる。
そして自分の中の何かが問いかける。
私をここから出して
そして自分の中の何かが頭を叩く。
私をここから出して
そして自分の中の何かはいつの間にか自分の中に溶けてゆく。
私をここから出して
えもいわれぬ不安とは、いつも不意に表れて、その影と種を残して、飛んでいってしまう。
影は
同じ姿同じ声同じ匂い
であるのに、自分はこ
こにいるから、コイツ
は自分では無くて、同
じ姿同じ声同じ匂いの
コイツはただ天使のよ
うに、自分のうしろで
微笑んだりしている。
種は
自分の夢と現に表れる
ようなやつを、吸いと
って膨らんで芽ぶいて
自分のなかでところ狭
しと増えていく。自分
では刈り取ることもで
きなくてただいつのま
にか風に乗って根こそ
ぎ流れて行くのを待つ
ことしかできないのだ
そして、その不安が飛び去る先には必ず、渦のように不安の星たちがひしめいていて、それが流れ落ちるたびに、その不安が、現にあらわれるのだ。
ただ、その流れ星も、山小屋で暮らす女の子に願いを三回唱えさせてあげられるような、小さな幸せも、生み出していくのだ。