輪廻
恋人は黒い猫
いつもアパートの隙間から現れて
私の見渡す世界は素晴らしいのよと
ニャオと一言呟いて
足元にうずくまる
なにも知らない僕は
ただそのまま佇んでいて
通り過ぎる車を聞いて
恋人の瞳にうつる世界を知らない
雑踏と欠片に覆われた世界を
すばらしいと呼ぶ瞳をしらない
かつてはその毛皮を満身創痍にして生をもとめていたかもしれない
そこで煙草をのむ人の思いを知らない
煙を吐き出す意味をしらない
ささやかなる抵抗に 自分を壊したい衝動に もがいてるかもしれない
わだかまる虫たちの生きざまを知らない
その虫の生さえもしらない
身を呈して全てを守り 育み 僕を嘲っているかもしれない
テレビで話す政治家の傷を知らない
その人の卒業アルバムに写る笑顔をしらない
引き出しに小石を集め 窓の外の雲を眺め 離婚した母と暮らしたかもしれない
僕は僕を知らない
他人との境界さえしらない
いとおしく憎む世界を 自分の決断で支えているかもしれない。
ながれゆくもの
そのなかの
末端の自分よ
その目にうつる
ひかりのたばよ
手を空に
手を高く
私は恋人の中にねむる
静かな日々の階段を
いろんなことが相まって
俗世間なーんてもんを
払拭してしまいたい今日この頃
能動的ではない自分としては
カーテンも閉め切った部屋の中で
アニメを見続けた方がいいような状態になりつつあります
それが悪いというわけではないのだけんど
自己嫌悪をするタイミングも増えていくわけでさ
自分とは同質の でも自分ではないようなモノが
頭ん中で膨らんで漏れだして
ジャミングされてるみたいな
それで 寝てしまうのは朝もちかくて
それで いまだったら蝉が鳴いてて
それで 明かりをつけたまま 横になって
それで 昼下がりに 近くで遊ぶ小学生の声で起きるのさね
でも ずっと ずっとずっと眠気はとれなくて
また 横になって お腹がすいたり やることを思いつくまで
窓から手を出したり 今まで読み返し続けた本を 目でおって
るんさね
Nirvana
自分の中で戦うために
自分は何を握りしめばいいのだろう
敵を壊す武器も
身を防ぐ盾も
平和を説くコトバも
いつかまた世界を分かつことになる
敵は味方を作り
信じれば 疑いを覚える
守りは傷をつけ
傷は連鎖する
涅槃の世界
それは個のない世界なのか
全てが繋がり戯れ一を築く
人はそこへ辿るのか
そこへ進化するのか
神でも仏でもない自分から
何も持ち得ない か細い腕を 奪わないでください
この手に握るのは ただ 空 でよいのです