シャミッソーの「影をなくした男」を
僕主催の読書サロンで読んでいる。
同年代(1814年頃)の出来事を
松岡正剛の「情報の歴史」から開く。
(情報の歴史:NTTの100周年事業で松岡正剛が請け負った。
東西種類をまたいだ年表。年代ごとに重要な項目が変わる)
ウィーン会議があってフランス革命が起き
貴族だったシャミッソーも地位を解体される。
日本ではまだそれは起こっていない。
滝沢馬琴の南総里見八犬伝、
グリムの童話集が同じころだ。
ラプラスがいる。
数学が熟して、ラプラスの悪魔が提唱された頃。
物理的な現在事象を全て認知できる存在がいれば
未来を予測できるはずだと主張した。
それがラプラスの悪魔。
南総里見八犬伝で集める八つの玉は
儒教の価値観(仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌)ながら
数珠であったり転生したりと日本的。
(仏教的というより日本で変じた仏教的)
シャミッソーはあくまで個を追求している。
同時期のグリムも、民話を収集した研究的な
書物だし、集合的無意識のようなものが
西欧では研究されていく始まりである。
(とはいえ無意識という言葉が提案されるのは
まだここから100年くらいかかる)