TRIZを活用するには、まずは、自分が直面しているコンフリクトを定める必要がある。
その上で、『40の発明原理』を参照して、その解消のためのアイディアを導き出すことである。
ここでは、『40の発明原理』の発明原理番号31~35番について紹介する。
31:多孔質利用原理
孔が無かったものに穴をあけたり、穴を増やしたり、多孔質なものを付加する事により、新たな機能を考える。
実例
・スポンジ:スポンジの中の小さな穴が、効率よく水分を吸収し、汚れを取る。
・メレンゲ:メレンゲは、卵白に気泡を混ぜて多孔質にしたお菓子である。
・緩衝材:割れ物を保護する緩衝材は多孔質構造を持つものが多い。
・セラミックフィルタ:多孔質にしたセラミックは、不純物を除去するフィルタとして用いられる。
問題解決の為のヒント
・対象を多孔質にするか、多孔質の要素を加えて問題を解決できないか?
・対象が既に多孔質の場合は、有用な物を多孔質の孔に加えられないか?
32:変色利用原理
色を変える(透明にする、発光させる、マーキングする等)事により、視認性や弁別性を上げる事を考える。
実例
・横断歩道:色分けされた横断歩道は遠くの運転手からでも確認することが出来る。
・路線図:複雑な路線も色分けして表示する事により見やすくなる。
・迷彩色:迷彩色脳句を着ていれば周囲の森林と同化する事が出来る。
・透明な容器:容器を透明にすることにより、中身やその量を確認できる。
問題解決の為のヒント
・物体あるいはその周辺の色を変えるとどうなるか?
・物体あるいはその周辺の透明度を変えるとどうなるか?
・ものの見えやすさを変える為、有色の添加物や発行要素を使用できないか?
・放射過熱を受ける物体の放射率特性を変更できないか?
33:均質性原理
隣り合った部品同士を同じ材料・材質に替えてみる事により、問題を解決する。
実例
・清水寺:清水寺の舞台は釘を用いず木を組む事によりできている。
・アイスコーヒー:コーヒーを凍らせた氷であれば、溶けてもアイスコーヒーが薄まらない。
・制服:制服を着ることにより組織への帰属意識や一体感が生まれる。
・お菓子の家:「お菓子の家」は全てお菓子でできており食べられる。
問題解決の為のヒント
・相互作用する物体を同じ材料(または対応する特性を持つ材料)で作ることは出来ないか?
34:排除・再生原理
役目を果たした部分を「排除」する。もしくは消費した分を「再生」する。
実例
・薬のカプセル:薬のカプセルは、口の中では溶けず、体内で溶けてなくなる。
・シャープペンシル:シャープペンシルは、ノックする事で新たに芯を出して書く事が出来る。
・カッターナイフ:切れ味が無くなったカッターナイフを折ると新しい刃が供給される。
・鋳型:砂で出来た鋳型は製品を成型した後は除去される。
問題解決の為のヒント
・機能を完了した部分を溶融、蒸発などにより廃棄、輩出することは出来ないか?
・動作中に機能を完了した部分を修正出来ないか?
・動作中に、対象物の消耗部分を回復させられないか?
35:パラメータ変更原理
目の前の材料や反応状態のパラメータを変えてみる事により問題を解決する。
実例
・冷凍保存:冷凍すると食品を長期間保存することが出来る。
・圧力鍋:鍋の中を高圧にすることにより、調理時間を短縮できる。
・卵料理:卵は、茹でる、混ぜる、焼く等、様々にパラメータを変更して調理する。
・カルピス:カルピスは濃い原液の状態で売られており、飲むときは薄める。
問題解決の為のヒント
・対象物の物理的な状態を変更できないか?(例えば、気体、液体、固体へ)
・濃度や均一性を変更できないか?
・柔軟性の程度を変更できないか?
・温度、圧力等、他のパラメータを変更できないか?