TRIZを活用するには、まずは、自分が直面しているコンフリクトを定める必要がある。
その上で、『40の発明原理』を参照して、その解消のためのアイディアを導き出すことである。
ここでは、『40の発明原理』の発明原理番号26~30番について紹介する。
26:代替原理
直接作用すると良くない事が起きる状況で、適切な仲介役を導入することにより無害化を行う。
実例
お金:お金により、様々なモノやサービスがスムーズに世に流通している。
弁護士:もめ事が起きた際、弁護士を間に立てる事により法的権利を守る。
潤滑剤:部品の間に潤滑剤を入れることにより機会がスムーズに動く。
歯磨き粉:歯ブラシと歯の間に歯磨き粉を介在させ効率良く汚れを落とす。
問題解決の為のヒント
・何かを介在させることにより動作を効率化できないか?
・対象を、簡単に除去できる他の物質と一時的に組み合わせることは出来ないか?
27:“高価な長寿命より安価な短寿命”の原理
高価な物体を多数の安価な物体に置き換える事により、メンテナンスの手間やエネルギーを減らす事を考える。
実例
・ティッシュペーパー:ティッシュペーパーは拭いた後捨てるので洗う必要が無い。
・ティーバッグ:ティーバッグで簡単にお茶を入れられる。その後はそのまま捨てるだけ。
・割り箸:レストラン等では、使い捨ての割りばしが使われている事が多い。
・使い捨てのスリッパ:ホテルや飛行機の中で提供されるスリッパは使い捨てである事が多い。
問題解決の為のヒント
・高価な物体やシステムを、多数の安く短寿命の物体に取り替えられないか?
28:機械的システム代替原理
システムの中で物理的に行っていた事を、電磁波等、他の原理を使うことによって問題を解決する。
実例
・リニアモーターカー:リニアモーターカーは車輪やレールの代わりに磁力で浮いて走行する。
・ハンドドライヤー:ハンドドライヤーは温かい風でぬれた手を乾かす。
・レーザーポインタ:レーザーポインタは指し棒の代わりにレーザーで対象物を指す。
・磁気カード:磁気カードは磁気により様々な情報を記憶し読み取る事が出来る。
問題解決の為のヒント
・機械的手段を工学、音響、味覚、嗅覚などの知覚手段に置き換えることは出来ないか?
・電界、次回、電磁界を利用して対象と相互作用を起させられないか?
・空間的に静止している物を移動可能に、時間的に固定しているものを変動可能に、非構造的な物を構造化出来ないか?
29:流体利用原理
固体だと難しい事を、液体や気体の持つ特性(柔軟性、浸透性等)を用いて実現する事を考える。
実例
・油圧システム:油圧システムでは、液体(油)をエネルギーの媒体として機械を動かす。
・ドライヤー:ドライヤーは暖かい風により、髪の毛に着いた水分を除去する。
・離乳食:赤ちゃんでも食べられるように食べ物を液体の状態にしたのが離乳食である。
・水枕:水枕の中には水が入っていて、熱が出たとき頭を冷やす為に使われる。
問題解決の為のヒント
・個体の部分あるいはシステムの代わりに、気体および液体を使用できないか?
・膨張、液体充填、エアクッション、静水圧、流体反応等を利用できないか?
30:薄膜利用原理
薄膜で物質を覆い、内側と外側を分離したり、薄膜を丸めたり重ねたりすることで三次元構造を作り問題を解決する。
実例
・サランラップ:薄膜であるサランラップは様々な用途に用いることが出来る。
・薄板加工:薄板を加工する事により様々な部品が成型でき、材料も少なくて済む。
・バンドエイド:怪我をした時は、バンドエード(薄膜)を傷口に貼って保護する。
・保護フィルム:スマートフォンの画面等に傷がつかないように保護フィルムを貼る。
問題解決の為のヒント
・3次元構造の代わりに柔軟な殻や薄膜を利用できないか?
・柔軟な殻や薄膜を使用して物体を外部環境から分離できないか?