5月の2週目のこと、秋田県内は山桜も散って、どの山も萌葱色に染まっておりました。
この度、私が在籍するパートナーズの忠さん(佐藤 忠雄さん)主宰の『山女魚乃忠学校』に於いて、埼玉県より入学希望のNさんが、忠さんの元へ入学試験を受けるために秋田県へ遠征されており、5/12(土)に立会うことになりました。
この週の天候も連休中と同じで曇りの日が多く、晴れたり降ったりを繰り返しておりました。
5/10(木)にまとまった雨が降りましたが、5/12(土)の6時の秋田市上空は、明るい曇り空でした。
天気予報は曇りで、雨の心配はなさそうです。
上の写真は、偶然にも視覚的な文字どおりの山紫水明の景色に通りかかり、車を停めてカメラを構えて撮影したものです。
忠さんにも撮影して頂いたのが、この写真です。
構図を決めるのに一分も掛からず、アングル・レンジ・スピードの妙です。
待合わせ場所へ予定時刻の少し前に到着すると、既にNさんは到着されておりました。
忠さんとNさんは初対面ですが、Nさんのお話では、忠さんが釣り東北時代に、米代川で行われた某メーカーのイベントで来秋されたことがあり、忠さんがパートナーズとして独立されてからは、パートナーズのビデオマガジンクラブ会員になっていた時期があるとのことです。
最近になって忠さんの御活躍を知り、忠さんへメールで問い合わせたところで忠さんも思い出されて、忠さんから「忠学校に興味があるのなら申請しなさい」とのやりとりを経て、この日に至ったのでした。
Nさんの釣り環境は、サクラマス釣りが中心で、渓流釣りは数える程の経験しかがなく、ただしエサ釣りの経験はあり、自宅近くは大きい川しか無く、秋田で言うところの岩見川や桧木内川みたいな川が近くに無いとのことです。
持参された道具は5フィートの柔らかめのロッドと、国産の1000番台のスピニングリールで、この日のために買いそろえたとのことです。
ここで少し私のことを挟みます。
先週の釣行で初使用の杖について、ランディングネット用の革製バンド(リリーサー取付用リングの留め具)を巻き付けて、そこに手首掛け用の布製コードと、パートナーズ製SSシステムのガンマ80㎝を繋ぎ留め、ベストのリングに繋ぎました。
キャスト時は、この様にします。
図らずも色の系統も揃い、満足しております。
5/12(土) 旧北秋田郡 阿仁川水系
天候くもり曇り時々晴れおよび小雨、気温15.5℃、水温9.5℃、水位 渇水気味で濁りなし
驚きましたが御覧の水量でして、真夏と錯覚を起こしそうになりました。
5月に入ってから、それなりに雨が降っていた感覚でおりましたが、思い起こすと、4月下旬からこの日まで、まとまった雨が降っていなかったので、雪代の収束により、すぐに渇水となってしまったのでしょう。
思わず"ん~・・・厳しくなりそうだな・・・"と心の中で呟いてしまいました。
Nさんは8gのティアドロップ形のスプーンで通されました。
キャストは前日までに何度か練習されたとのことで、サイドとアンダーを中心に、中距離までの範囲が得意とお見受けしました。
途中でNさんが「周りに障害物があったり見えたりで練習のときみたいに、うまくキャストが決まらない」と仰ったのですが、私も同様の経験があります。
キャストする空間にある全ての障害物が、視覚的にも物理的にも、そして何より、1~2投で全てが決まるという心理的にも負担となるため、練習でできたことができないことが多々起こります。
昨年の秋口に来たときよりも倒木がしっかりと寝ており、土砂の堆積も多くて、川の形態が違って見えました。
シドケ・アイコは終わりに近く、アザミやワサビも、そろそろかもしれません。
昨年は壊滅状態であったミズを見つけました。
数は全く少ないのですが、徐々に増えてくれることでしょう。
経験上、必ず魚が反応してくれる淵に着きました。
しかし来る度に地形が異なります。
この度は忠さんの1投目に、2~3尾の小さい魚影のみの反応でした。
遠目には浅く見えるが、実は深みが点在するポイントです。
キャスト前にそのことをNさんへ伝えて、キャストしてもらいましたが無反応でした。
そのキャスト後に、目測と実際の深さのズレを、実際に深みに立って確認しました。
いずれもNさんの目測よりは深かった様です。
この感覚が掴めないと主にレンジを誤ることになるのですが、この目視による感覚を備えるには、実釣の経験を積むしかありません。
先に進みますが、やはり状況は厳しく、なかなか反応が見られません。
ここでようやく、忠さんの1投目に6寸イワナがヒットしました。
この浅い水深による遅い釣りで、テールフックを丸呑みによる釣果です。
有望なポイントのひとつでしたが、ここでも魚の反応はありません。
水位が低く、昨年よりも左岸の砂利の堆積が高くなっている様に見えます。
右側の木の根元へのNさんのキャストに反応がなく、その先の倒木下へは私がキャストすることなりました。
立ち位置と定めたところへ歩いて行くと、その位置から6寸イワナが上流へ走りました。
ん~・・・、このエグレに潜んでおりましたか・・・。
浅い水深では流れの中には居れず、全体的に魚が怯えているのかもしれません。
倒木上へキャストすると、先程のイワナが今度は下流へ走って行きました。
先程の水深確認でもあった様に、Nさんは疑問が生じた時点で、立ち止まって何度も忠さんへ質問されておりました。
ある程度のDVDは購入されて、事前に疑問点を整理されていた様で、学ぶ姿勢として、極めて自然なことと存じます。
ここで、婚姻色のある7寸ヤマメの死骸を見つけました。
経験上、魚の死骸を見つけた釣行では貧果で終わることが多いのですが・・・、さて、どうなりますか。
更に進みますが・・・、まぁ~動かない!
何十尾と居着いていることですが、全く動いて頂けません。
倒木だらけのポイントで、倒木の真下への忠さんの1投目に6~7寸イワナがヒットしましたが、釣り上げて間もなく、フックから外れてしまいました。
その直ぐ上へのNさんの1投目に、小魚なれども、ようやくまともなチェイスが見られました。
この日も、私の山菜のターゲットは先回同様で今回もニオでしたが、数が少なく期待外れでした。
上空が大きく開けて、一直線に長く深い地形のポイントです。
忠さんから「遅い釣り」との指示で、Nさんがキャストしましたが無反応です。
そのNさんの「遅い釣り」とした一連のキャスト動作を見ていた忠さんより、「遅い釣りになっていない」との指摘がありました。
具体的にどこが違うのか、この場合は主にロッド操作についてでしたが、忠さんがやって見せる形で、判りやすく解説して頂きました。
"ほら・・・、ね?"
"こうだと・・・、ほら・・・"
その後、Nさんのロッド操作は、この様に目に見えて改善されました。
川の両岸に、長靴の足跡がありました。
川が土砂で埋まり、水も少ないことから、至るところで山菜狩りの方々が川を横断しておられる様です。
これも魚へ影響しているものと思われます。
途中で何度も、Nさんが質問する場面がありました。
『新しいヤマメ釣り』を学ぶ環境としての登校の場を、初回にして有効に活用なさっております。
倒木による深みのあるポイントで、忠さんの1投目に5~6寸のイワナらしきがヒットしました。
昨年、忠学生が多く参加した登校のときの大イワナを仕損じたポイントですが、今回はその気配はありませんでした。
Nさんのキャストにまともな反応が見られない状況が続きましたが、2枚の写真の下の方のポイントで、ようやく小魚ながらもチェイスが見られました。
そうして迎えた区間最大のポイントです。
Nさんが数投キャストしたのですが、無反応でした。
アングルを変えて忠さんがキャストしようと右岸に寄ってみると、川底に白い斑点が見えます。
忠さんが指を差して「ほら、人の足跡だよ」と教えてくれました。
道路は左岸側にあるので、熊の可能性もありますが、恐らくは釣り人のものと思われます。
「まあ、散々キャストしたあとだからな~」と仰りながら1投目をキャストしたのですが、左岸側から7~8寸のくっきりとしたパーマークのヤマメのチェイスがありました。
しかし、気付いたときには水深が浅く、バイトに至らずで帰って行きました。
忠さんも苦笑いしながら「油断した~」と仰り、2投目に反応はなく、実際に脱帽されました。
しかし、忠さんが「まだ居るだろう」と、そろりと左岸に渡って流れ込みの少し上流へキャストした1投目に、ベリーフックをガップリ咥えた7寸イワナをヒットしました。
忠さんの「なぜでしょう~」の問いにNさんは「ん~・・・スプーンではなくミノーだからかな・・・」と仰ったので、私から「ルアーの選択は、判断したアングル・レンジ・スピードを実現するための手段」と申し上げたのですが、別の機会に改めて忠さんに伺ってみましょう。
数回目の一服した場所に、アイコが多く生えておりました。
私の正直な気持ちとして、アイコには"大きな鯛を釣りに来たときに釣れてくる小さなカワハギ"の様な印象を持っており、トゲの痛みもあって「別に採らんでも・・・」と考えていたのですが、採り頃なものが量もありましたので、少し頂くことにしました。
この先も小さな魚影の反応が見える様になってきたのですが、取り分け惜しい場面もなく、進んでいきました。
時刻が11時半を回り、予定の退渓点が近づいておりました。、
Nさんのキャストして無反応のあとに、忠さんの1投目に7寸イワナがヒットしました。
これもベリーフックをガップリ咥えております。
その後は反応は見られず、退渓しました。
林道脇を見ながら歩いていると、なんと未だに開いていないゼンマイがありました。
しかも、同じ場所に採り頃のウドもありました。
有難く頂きました。
帰り道でのことですが、私は杖を使って歩いていたこともあり、いつもは忠さんや他の皆さんと一緒に歩いていると徐々に離されることが常でしたが、今回は何とか離れずに歩くことができました。
車に戻って、そのまま、いつものカップラパーティー&ベトナム産コーヒーによる"忠食"を頂きました。
話題は、午前中の釣りの内容や、Nさんの普段の釣りの話、そしてパートナーズDVDの内容等々で話が尽きません。
午後の釣りは、下流域の本流区間へ向かいました。
旧北秋田郡 阿仁川水系
天候くもり曇り時々晴れ、気温21℃、水温12℃、水位 やや少なめで濁り少々
渓相として両極端ながら、一日で上流域と本流域の双方で実釣ができることは、環境が難しかった午前の釣りと、Nさんのお住まいの釣り環境とを踏まえますと、とても良い流れと感じておりました。
最初に忠さんより、大石周りの緩流帯を、なるべく丁寧にルアーを通す様に指示がありました。
少し進み、この場所で忠さんのキャストでした。
流芯へ着水させて大石周りを通し終わってから、足元で回収というタイミングで、7~8寸のヤマメらしきがチェイスしてきたのですが、すぐに底波のある流れへ帰っていきました。
三人である程度の間隔を空けながら釣り上ります。
先程のチェイスで以降の魚の反応に期待したのですが、反応が見られませんでした。
さて、ここは上空と左右両岸までがとても広くて、水深も深いポイントです。
午前中に引き続き、忠さんより、今度は水深のあるところの「遅い釣り」を御指導頂くことになりました。
午前中はロッドのみを注目されていた感じでしたが、ここは水深と流れが大きいので、ラインの糸フケが重要な指標となります。
忠さんが以前に、登校時の数人の忠学生に対して釣り場で「『御凜書』にあるフトコロ要素6項目とは何か」と抜き打ちで問い掛けることが何度かありました。
地形や水況の違いを『御凜書』に記された『フトコロ要素』を踏まえて捉えますと実に判りやすいのですが、地形や水況に合わせたキャストの判断指標は、釣行を積み重ねて得ていくしかないものと存じます。
国産リールに人差し指が届きにくく、サミングの動作が、人差し指を伸ばす→届かないので手首を内側に入れて更に人差し指を伸ばす→やっとサミングができる、とした二段モーションになっておりました。
忠さんと私のロッドと交換してもらい、カーディナルの感想を伺うと、即答で「使い易い!」と仰いました。
このことは、既に四半世紀も前に忠さんが世に著していたことです。
時刻は15時半を過ぎて納竿となりましたが、帰り際もNさんは、いろいろと質問されております。
名残惜しそうに川を後にしました。
車に戻って着替えてからも、三人の話が尽きることがありませんでした。
そして、この度のNさんの入試の結果は「合格」とのことです。
おめでとうございます。
秋田からは遠方ということもあり、何かと大変かとは存じますが、共に精進に励みましょう。
また近いうちに秋田へ登校されることを、楽しみにお待ち申し上げます。
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そして更に、次の週末の出来事に触れます。
秋田県の天候ですが、5/17(木)未明より降り出した雨は、止むこと無く5/18(金)に入り、次第に雨脚が強くなりました。
9時過ぎに大雨警報が発表となり、やがて11時すぎに土砂災害警戒情報へと変わり、正午の報道では秋田市の新城川と五城目町の馬場目川が警戒水位超過が報じられました。
以降も雨脚が弱まるどころか次第に強くなり、14時過ぎに秋田市から男鹿南秋地域を中心に避難勧告が発令されて、やがて秋田市の中心部の住宅地にも範囲が広がりました。
同じ頃、交通情報で秋田新幹線が秋田~大曲間を終日運休となり、夕方には盛岡まで区間が増えておりました。
金曜日ということもあり、週末に秋田から盛岡・仙台・東京へ帰ったり、その逆の人も多いので、難儀されている方も多かったことと思われます。
これも同じ日の午後の、私と同じく忠学生で秋田市河辺に在住の農家Agiさん(佐々木 明さん)の水田が雨により冠水した様子です。
次に夕方過ぎの秋田市内の様子です。
弱まることのない強い雨が降り続いたことにより、道路排水が追いつかず、側溝やマンホールから溢れた水が低地に集まり、至るところに水深が10~20㎝の広い水たまりができておりました。
中には交通量の多い道路や地下道が通行止めとなるところ多く、渋滞も多く発生しておりました。
自宅周辺でも冠水した道路や施設もあり、不安な夜を過ごしました。
5/19(土)も丸一日の雨でしたが雨脚が弱く、どこへも出かけられずに過ごしました。
家でテレビを見ていると、報道で秋田市雄和で雄物川が氾濫したとのことで、秋田県は2年連続で大雨による大災害に見舞われました。
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日付が変わる頃には雨は止み、5/20(日)は早朝から快晴でした。
この日も災害発生直後ですので、外出を控えようかと考えていたのですが、山菜の最盛期につき"災害に関係なく山菜は生長してしまう・・・"などと考えていたら、"近場へ行って、ダメなら帰ろう"との考えに至り、家族で山菜狩り取りして、秋田市の仁別方面へ向かいました。
ダムの放流により、川は水位も濁りも高い状況でした。
山奥へは向かわず、比較的に容易なところへ入りました。
狙いは例の如くでニオです。
量は期待はしておりませんでしたが、それでも2束分も採れました。
そのニオ場に、なんとサモダシ(ナラタケ・サワモタシ)が生えておりました。
母が見つけたのですが「秋だけでなく、春にも生えることは知っていたが、春はキノコが想定に無い中で山に入ってしまうことなので、こうして見つけるのは初めて」とのことで、私も初めてでした。
想定外の嬉しい獲物を、有り難く頂きました。
道路沿いには山菜狩りと思わしき車が何台か停まっており、同じことを考えた人も多い様です。
サイクリングやジョギングを楽しまれる方も多く、短時間でしたが、我が家も山菜狩りを満喫でしました。
山の麓に下りてきますと、農家の方々が田植え作業で忙しそうでした。
この周辺も避難勧告の対象地域でしたが、何とか川の氾濫には至らなかった様です。
実はダメ元で、車にロッドとベストを持参しておりました。
道路沿いの川を見たところ、御覧の状況でしたので十投ほどキャストしましたが、全くの無反応です。
それでも、この状況下でキャスト練習ができたことも、有り難いことでした。
自宅に帰り、念のために少しちぎって食べてみますが、痺れ等は起こらず、本やネットで調べても、サモダシに間違いありません。
春に採りたてのキノコが味わえる贅沢・・・、美味しく頂きました。
秋田県で運営する「秋田県防災ポータルサイト」で確認した、5/22(火)16時現在の、この度の被害状況です。
住宅の全半壊が男鹿市・横手市で2棟、床上浸水が秋田市・男鹿南秋地域を中心に150棟、避難勧告の対象規模は秋田市・男鹿南秋地域・大仙市を中心に18,738世帯44,133人、道路災害発生等で通行規制が生じた規模は国道・主要地方道を含めて25路線32箇所となりました。
農林業の被害状況は、未だ全体額が判明していないとのことです。
秋田県は昨年の大雨災害の傷が癒えぬまま、まさか田植えの時期に、今年も同様の災害が起こるとは、とても驚いております。
特に農家の方々や、昨年の災害対応をしてこられた自治体および関係者の方々にとっては「またか・・・」と落胆されておられるものと存じます。
こうして、数十年に一度と言われる大雨洪水災害が2年間で3度も起こり、そのうち昨年発生した2回は一ヶ月の間のことでした。
国交省は秋田市雄和から大仙市神宮寺までの雄物川流域の河川改修工事を、平成30年度から5年掛けて進めており、皮肉なことに5/19(土)に予定していた着工式が、この度の災害で中止になったとのことです。
これから夏に向けて、行政も住民も大雨のたびに不安を覚える日が続くこととなりますが、常に天候への変化と災害への備えを怠らないように、注意して参りたいと存じます。
以上です。



















































































