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大型トランクブガッティ55model車載タイプ

$匠の固鞄通信-ブガッティ


久しぶりにトランクのご紹介です。
本日は、大型の車載用トランクを紹介いたします。
気合い入れて作ったトランクです、どうぞ気合い入れてご覧下さい。W


Bugattiブガッティ55モデル車載用にお作り致しました。

2009年12月30日、1本の携帯メールが届きました~

トランクをオーダーしたく Fと申します。

タイヤ上のトランクラックに 乗せるトランクをお願いしたく、イロイロわがままな希望もありまして(スーツを縦にかけたまま立てたいとか、強力な薄いスプリングが外に着いた楽器ケースとハットケース他収納で、箪笥ではなく、あくまで革トランクで、可能なら四輪着き、雨対策、ラックに固定の金具など。)。車は調整で大阪にあります、ラック外して持っていくほうがよろしいですよね?今月27夜から30まで尼崎出張で夜のみ仕事で、昼間打ち合わせお願いできますか?

東京都 F様

トップにあります車の画像が一緒に届きました。

えらく立派なクラシックカー!
Bugatti 55モデルだそうです。

この車の後部スペアタイヤ上に取付けられているラックにピッタリ
サイズで、ということで、以降、PCをお持ちでないとの事で、主に携帯メールのやりとりと2度の来社(1回目がサンプルをご覧頂き主要な
デザイン決め、2回目はラックをお持ち頂きました)、表現しにくい
部分はファックスか郵送でのデザイン確認をしていただきながら仕様
を作ってまいりました。

$匠の固鞄通信-furusawa1


完成したのがこのトランクです。

横800mm-縦510-幅260
本体:牛ヌメ革キャメル/素上げのコンビ
パーツ:真鍮・亜鉛金メッキ金具
内装:コットンツイル生成り
   着脱式革ベルト2本
   着脱式綿テープ

フタ内側:着脱式内箱留め綿テープ
     ガーメントケース留め綿テープ
     ハンガー用Dリング2カ所

車載用ベルト通し:合計4カ所

付属:内箱 500-300-80mm
   蓋ホック留め、生地捲き

   レインカバー/ウレタン入り
    ナイロンSTRONTEX No-7 グレー

外部ネームホルダー

車載ラック用革ベルト3本

$匠の固鞄通信-furusawa2


2番目の写真はフタ側から、3番目の写真が本体側です。
本体側には、車のラックに革が直接ぶつからないように木のモールが取付けられています。


$匠の固鞄通信-furusawa5


コーナー部分を拡大すると、ラックに取付けるベルト通しと、角革が擦れないよう補強で革が二重につけられています。

$匠の固鞄通信-furusawa3


コチラがレインケース。車載用なので、雨降りでも使えるようにレインケースに入れます。

$匠の固鞄通信-furusawa4


これが内部です。
バイオリンケースを留めるスペースと、空いた隙間にはハンガー掛けしたスーツ、靴を留めるベルト、フタの内部にはシャツ収納ボックスをはめ込んでベルト留め出来ます。


ヌメ革で素上げ(無着色)とブラウンの組合せで気品のあるたたずまいのトランク
が完成しました。

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完成後に頂いたメール

やっと確認しました。素晴らしいですね。色がとてもよかったです。
ロゴは100%を右下縁とベルトの間に。黒でよいと思います。(東京都 F)  

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携帯メールなので要点だけなのですが、「素晴しいですね」の一言がとても嬉しいです。
最後の1文は、トランクに貼付けるブガッティのロゴステッカーの件でした。
末永くご愛顧お願い致します。 2010年夏 


コチラでもっとたくさんトランク見られます。

関係ないけど人生の事

$匠の固鞄通信-若き薩摩の群像



一昨年他界した親父の本を、昨年再出版したので、その時に書いた「あとがき」。

トランクには直接関係ないですが、私にとっては根本が同じなんです。

ので、あとがきのご紹介。

 若き薩摩の群像「あとがき」

 山肌の桜が、時おり風に吹雪く六甲の丘の上、父が中学高校大学と学んだ
 学舍を望みながら、このあとがきを書いています。
 19年ぶりに本書を読み返し、幕末の世を切り開き、時のながれに翻弄され
 たサツマスチューデント達の生涯を憶いながら、また、昨夏天に召された
 父の人生と、その生涯を掛けて取組み、成しえた有形無形の物やことが、
 これからの未来へどのようにお役立て出来るのかを、重ねて考えています。

 この半年程、短い時間をつくっては鹿児島へ戻り、家の半分以上を占める
 父の遺していったものを整理をしていると、まだまだ何十分の一しか進ん
 でいないにもかかわらず、出てくるメモ書きや写本、参考書籍、日記や旅
 のしおりなどほとんどが、鹿児島の歴史を語る上で欠かせないサツマス
 チューデントとザビエル、さらにそこへ繋がる人物や文化の研究、
 関係組織との交流の記録と、多岐にわたる探究心に驚嘆しながら、また、
 30歳を過ぎて鹿児島に住み、そのままこの地に生涯を捧げた父の、鹿児島
 への強い思いを感じています。

 人は己の人生に使命を与え、その志によって成長し、ことを成していくも
 のと思います。サツマスチューデントは、その学びにより近代日本に多く
 のものをもたらし、日本の経済や文化など様々な分野の発展、人々の心に
 多大な影響を与えたことが本書からも読み取れますが、父が生涯をかけて
 研究し、再び現代で光を当てた彼らを知ることにより、将来の日本の発展、
 人々の成長に与する志が生まれることがあれば、何より父が望んでいたこ
 とでしょう。

 本書は平成3年に春苑堂出版より初版が出され、三たび重版されていました
 が、その後版を重ねる事なく、多くの方々より再販を望まれておりました。
 父もいずれは再販を、と準備をしていましたが叶うことがありませんでした。
 本書の出版により、父が遺した大きな仕事が一つ叶うことになりますが、
 出版にあたっては、快くお引き受け下さり、写真の手配まで頂いた高城書房
 の寺尾社長に感謝申し上げます。また、父が生前に公私共々お世話になった
 方々、本書執筆にご協力下さった方々、本書の出版を心待ち下さった方々へ
 感謝申し上げて、あとがきへかえさせて頂きます。

 「父ちゃん、本出しといたからね」 門田 真 

豊岡の鞄職人衆との出会い〜その2

$匠の固鞄通信-職人3


『匠乃革トランク』サイト

【豊岡へ】

 そんな取引をやっていた頃、入居しているビル、神戸ファッションマート
 にあるファッション資料室の方から、神戸大丸百貨店の方を紹介され
 ました。今では遥かお偉いさんになられ東京本部付けで東京へ行かれまし
 たが、神戸店におられる時は、兵庫県物産展などへも出させて頂き、
 お世話になったのでした。

 後日、その方からの連絡で、「神戸新聞の方が主宰されている産業情報化
 の勉強会で、地場産業である豊岡の鞄工業の勉強会があるが、メンバーが
 県の工業課や百貨店の鞄売り場、大学の先生やソフト開発会社とかで、
 鞄の専門家がいないから一緒に行ってくれないか?」とお声かけいただき
 ました。

 それまで鞄作りは神戸の工場で行ない、なかなか本格的な豊岡の工場まで
 は行けてなかったため、チャンスとばかり「ぜひご一緒させて下さい」と
 いうことで、豊岡の鞄産業についての勉強会へ参加する事となりました。
 
 

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 2002年3月、まだ山の頂きに雪が残った豊岡の地場産センターへ到着しま
 した。実はこの研修旅行には職場の経費で「カニを食べる」という裏か表か
 分らない目的があったのでした。

 豊岡は兵庫県の日本海側、今日ととの県境にほど近い場所にあります。
 城崎温泉や近くには温泉町などもあり、一帯は冬のシーズンになると「カニ」
 と湯煙目当ての旅行客が溢れます。

 そんな中、豊岡は市内中心を流れる円山川で採れる行李柳(コリヤナギ)で
 奈良時代から柳行李が作られていました。正倉院に収められています。

 当時、柳行李は鎧兜を仕舞うケースや、衣料などの片付け、旅行などの荷物
 を入れるケースとして、関西始め関東などにも販路が作られていました。

 明治に入り、海外から洋風の鞄やトランクが入りだすと、それを模して手提
 げケースや柳行李にベルトを巻いて把手を付けたトランクが作られ始めます。

 そんな柳行李のケースが、全国に張り巡らされた柳行李販売網で広がって
 いき、その結果が鞄産地豊岡なのです。

 大正時代、豊岡の地で初めて本格的な革トランクが作られます。これを作った
 のが「匠乃革トランク」を作って下さっている工場の初代社長。今の社長の
 お祖父さんでした。

 この事は、地元の産業史にも書かれており、この工場は代々固い鞄(ケース)
 を主力にし、新しい技術導入などで地元の鞄産業界でも常にリーダー的な
 役割を果たしてきました。

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$匠の固鞄通信-職人1



『匠乃革トランク』サイト

 豊岡の地場産センターで、一行(20数名)を待っていて下さったのは、当時
 豊岡鞄工業組合の会長をされていた植村美千男会長で、「匠乃革トランク」
 を作って下さる工場の会長(前社長)、豊岡で初めて革トランクを作られた
 方の息子さんでした。

 午前中は豊岡鞄産業の歴史、その後、市内の主要工場の見学という事で3件
 の工場を案内してもらいました。

 さすがは地場産業です。国内大手のバッグメーカーのブランドが沢山作られて
 います。中には海外の有名ブランドのモノもあります。ただ、ブランド名や
 メーカー名を表に出せないのが下請け工場の辛さです。

 そんな中、見学に訪れたうちの1件は、会長の会社、「匠乃革トランク」
 を作っている工場でした。

 この工場は「箱もの」と呼ばれるケースが主力で、例えば選挙の投票箱、
 ジュラルミンケース、大きな物だとトマホークミサイル輸送用ケースなど
 モノを運ぶ箱状のもの一切が作られていました。

 途中ショウルームで革のトランクを発見しました。
 すると一緒に行っていた方が「このトランクが欲しい」と言います。

 そこにあったのはカタログで「A-Type」と表示している、飾りっ気のない
 シンプルなトランクでした。

 会長「これは、ドイツのプッシュ式の錠前があったので(ゼロハリバートン
 に使われている物と同じ)、出来るだけ表面に何も飾りっ気のないトランク
 を作ろうと思って製作してみたものです」と説明くださいました。

 プッシュボタンを押して蓋を開けると、蓋を閉める時に最後、ふわっと空気
 をはらんでスーッと閉っていくんです。
 これは、本体内部の木枠とそれに捲いた革が馴染み、まるで桐箪笥を閉め
 る時に他の引出しがフッと押し出される感じで、空気がゆっくり抜けるから
 なのです。

 一同「ほ~っ!」と感嘆の声をあげました。

 私はただ、これまで十数年見続けてきたイタリアの鞄工場を思い出しながら、
 「ようやく探していた鞄が見つかった!」と思っていました。

 イタリアの工場でもなかなか革トランクを見かける事がなく、今こうして
 目の前にたくさんの革トランク、古い日焼けした物や引出しのついた家具の
 ような物、カッチリしたアタッシュケースなどのトランクを見て、探し物
 が見つかった気がしていたのです。

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 夜は久美浜温泉の旅館で、会長や数名の鞄工場の社長と一行で懇親会です。
 山盛りのカニに舌鼓うちながら、鞄作りの事、これまで苦労した歴史など
 をお話しくださいました。

 「昭和30年代から輸出が増えて、次々にいろんな問題が出てきた。国内向
 けでは問題なかった接着剤が、南洋を越える船の中でノリが溶けて鞄が
 バラバラになったりして、その度に、新しい接着剤を研究したり」

 「ケースは持ち上げたり落としたり、いろんな状況考えて強度計算して構造
 を考えないと、輸送中に壊れたら意味がないから」という話に「建築物と
 同じですね」と一緒に行かれていた大阪大学大学院の先生が鞄設計の奥深さ
 に感心していました。

 そんな感じで夜はふけていきました。

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 そして翌週、さっそくにこの工場へ連絡をして一人で豊岡へ出掛けました。
 ここから私の「革トランク」人生が始まったのです。


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 今回は、豊岡の工場に出会ったきっかけをお話ししました。
 
 後日、会長が「難しいのは糊だ。新しいのがどんどん出てくるで。糊も
 何十年経つとどうなるか見んならんけど、なかなかそうはいかんでまだまだ
 勉強中」と笑って話されたのが印象的でした。

 昔からある革トランクですが、今でも新しい技術、新しい素材、新しい部品
 を研究し、進化続けているのです。

『匠乃革トランク』サイト

$匠の固鞄通信-職人2