パイロットケースであります。
なぜ「パイロットケース」(フライとケースとも呼びます)と呼ぶかと言いますと、ズバリもともと飛行機のパイロット用に作られたケースだから、としごく簡単なのですが、ではなぜこの形状なのかをご説明します。
え~、従兄弟に全日空のパイロットがおりまして、そこから聞いたのでおおよそ間違いは無いかと思います。
実際のパイロット用ケースは写真の物よりもう少し大きいのですが、要はフライトキットと呼ばれる分厚いマニュアルを何冊もいれます。Airway Manualというものや、Flight Manualというもの。それから、空の地図(フライトチャート)などです。で、操縦席の横のスペースに置いて、置いたまま本の出し入れが出来るものなのだそうです。だから上開き。
ということですが、上開きのためパソコンや書類の出し入れもしやすいし、何よりいちいち膝や机の上に鞄を上げて開く必要がないというのでビジネス用途にも人気があります。
今回のご依頼主はお医者様。パソコンと書類を入れられるということで、「これまで使ってたものが、いよいよ寿命が近づいたが、同じようなものが探してもない」ということで製作依頼を頂きました。
蓋を開くとペン挿しがついております。
本体の芯はボール芯です。
コチラがフルオープン状態。
秋口にこのケースのオーナー様がお務めする病院へ身内が入院しまして、待合室にいるときに丁度タイミングよくオーナー様が通りかかられ「これから学会へ行ってきます」と。「不具合はありませんか」とお尋ねしたところ、「底の方に付けている角補強革の糸がほつれてきて自分で補修はしたのだけれど」とのこと、「お使いのご予定が開いている時に修理させて頂きます」と伝えました。
まだ修理依頼が来ておりませんが、匠乃固鞄で作られたトランクは何時でも修理や改装お承けしております。
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