子どもたちの思い、被災地へつなぐ「緑のバトン運動」
朝日新聞社 鈴木健
みなさん、「緑のバトン運動」をご存知ですか?
東日本大震災で被災した東北の苗木を、全国の学校の子どもたちが育て、1~2年後に被災地に戻して植樹する運動です。子どもたちが育てた「緑のバトン」を被災地へとつなぎます。朝日新聞社CSR推進部、公益財団法人森林文化協会、公益社団法人国土緑化推進機構が昨年から始めた運動で、昨年度は全国の小中高校など275校から5600本、今年度も186校から3630本の育成の応募がありました。いま、全国の子どもたちが育てています。
津波で失った被災地の緑を再生するとともに、子どもたちに被災地への思いを育むことが狙いです。震災から3年がたち、学校現場の先生方から、「子どもたちにとって、震災が他人事になってきている」と危機感を打ち明けられたことが、この運動を始めるきっかけでした。 今年4月から6月にかけて、子どもたちが1年育てたドウダンツツジやヤマボウシなど3000本を、岩手県田野畑村、宮城県岩沼市など東北4県の9カ所に植樹しました。
6月28日には、宮城県岩沼市の「千年希望の丘」に、全国123校で育てたヤマボウシなど1350本の苗木を植樹しました。ここは震災のがれきを使って作られた丘で、津波からの避難場所として整備された場所です。復興のシンボルにもなっています。
植樹会では、苗木を育てた子どもたちから地元へ苗木を贈呈する「緑のバトンタッチ」が行われました。育成した東海学園高校(名古屋市)3年の黒野理佐さんは、「名古屋の気候にあわず2割くらい枯れてしまったのですが、たくさんの苗木を届けられました。貴重な体験をありがとうございます」と話し、苗木を地元玉浦中学校の生徒らに手渡しました。玉浦中2年で生徒会役員の遠藤美誠(よしずみ)君は、「岩沼のために復興のシンボルを育ててくれてありがとう。千年後の復興のシンボルになればいいと思う。植樹は初めてで難しかったけど、大事に育てたい」と話しました。この日はボランティアの参加者も含め、全員で2500本の苗木を植樹しました。
それから3カ月たった9月28日、「千年希望の丘」の育樹祭に参加しました。植樹後は、苗木の生長を促進するため、雑草の除去、草むしりが必要となります。6月に植えた苗木はだいぶ生長していましたが、周りには雑草がびっしり。雑草の生命力には驚きました。地下に根を張った雑草を引き抜くのはかなりの重労働でしたが、草を抜きながら、
「子どもたちの思いが託された苗木です。どうか、すくすくと育ってほしい」
そんな思いを新たにしました。
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