今日は、大学のレッスンの後、昨日録音した音楽のトラック・ダウンという作業をしてきました。この作業は日曜日まで続きます。トラック・ダウンについては、また別の機会に説明しますね。

昨日終わった「UDON」の録音について書きます。

17時にスタートといっても最初はそれぞれの楽器のマイクテストをしたりして基本的な音量のバランスをとることから始まります。そして録音がスタートするわけですが、今回は自分で指揮をせず、はい島さんという方に指揮をお願いしました。

先日も書いたように、アメリカと日本では、予算がまるで違うため、例えばアメリカでは一曲を一時間ほどかけて録音できますが、日本では一時間の間に少なくとも4~6曲、少ない編成ですと7~8曲ほどを録音しなければなりません。そのためには、一回目に演奏した段階で譜面のミスや演奏者へのあらゆる要求を全て伝え、二回目には、本番として録音するという迅速さが要求されます。

自分が指揮をしていると、譜面をチェックする時間的効率が悪くなるため、特に今回のような大編成でタイトな時間制約のある録音では、別の方に指揮をお願いすることを選びます。

スタジオ・ミュージシャンの最高峰たちばかりが集まっての録音ですが、(初見で一回目からほとんどCD化しても問題ないグレードの演奏をする人たちばかりです。弦を演奏した篠崎ストリングスのメンバーには、プロ・オケのコンサート・マスターが3名以上入っています。)それでも金管楽器などでどうしてもミスが出ます。その場合でもそれぞれの楽器がスタジオの中に作られたブースと呼ばれる防音された部屋に入って録音しているため他の楽器のマイクにかぶらず、同じブースの集団のみでミスの起こった箇所のみを直していきます。

もし、ミスが起こるたびに最初からやり直しになると、また膨大な時間がかかってしまうので、日本での録音では、金管楽器はどうしてもブースに入っての録音となってしまいます。

例えば、今回の録音で7分30秒ほどの曲がありましたが、この曲など3回演奏しただけで23分ほどかかってしまうわけです。(もちろん理想的には、ハリウッドのようにブースに入らずに全ての奏者が同じフロアで互いの音を直接聞きながら演奏するのがベストです。そうすることによって、互いの音が色々なマイクにうまく交じり合いオーケストラらしい雄大で広がりのあるサウンドになるのです。)

続きは次回。





今回書き上げたスコア。40曲ほどあります。



指揮者のはい島さん(「はい」という字が変換されないためひらがなになっています。)
と木管楽器奏者の面々。
ガラスの向こう側がそれぞれブースと呼ばれる部屋になっています。